HG anime さんの感想・評価

4.6
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態：観終わった

譲れない恋

この作品は名作エロゲとして名を知っていたんですが、アニメ化されていたのを知って、まずはアニメをみようと思った次第です。

まず音楽がすごくいい。主人公たちが軽音楽部にいるということもあるので音楽が悪いと成り立たない作品だろうが、その点についてはものすごく音楽がいいので微塵も憂慮がない。というかやりすぎなくらい素晴らしい。
特に『届かない恋』がとびぬけて神すぎる。（無駄にアツく語って長文になったのでスルー推奨→）{netabare}実は私は数年前にエロゲ名曲のスレを通じてこの曲を知って、ソッコーで惚れ込んでしまった。この曲がこの作品を観る最大の動機の１つになった。私の知る限り全部で6種類のアレンジがある。エロゲの曲ってオリジナルの音楽データの入手が困難（レンタルされてない、デジタルで売られてない、そもそもCDが流通量が少ないしそれ故に値段が高騰しやすいetc…なことが大半）だとおもうんですが、この曲は原作も有名だしアニメもあるので入手しやすいです。6種類といいましたが、歌手は米澤円さん、上原れなさん、羽吹梨里さんの3人ですね。米澤円さんの快活な明るさ、上原れなさんの孤高な艶めかしさ、羽吹梨里さんの伸びやかで大人な透明さ、と3人とも個性があっていいですが、個人的には米澤円さんの『届かない恋 Live at Campus Fes』が一番好きです。この曲はアニメではどうやら使用されていないですね。アニメでは『届かない恋 Live at Campus Fes（TV anime ver）』が使用されています。この2曲の一番の違いはギターの自己主張ですね。アニメ版の方がギターが若干おとなしいです。春希らしいといったところですかね。現実でも作中7話のように高校や大学の学祭で弾いたらかっこいいでしょうね～～～！！（ギター役の妄想中～なおギターは触れたこともない模様）
また、『Twinkle Snow』もすごく好き。7分弱もあるクソ長い歌だけど、メロディの良さはたしかなものがある。私の経験上、だいたいの歌ってサビが良くても基本的に5分を超えるといろいろとキツイ。私の一軍プレイリストはクラシックを除いて6時間あるけど、5分を超える曲は数曲しかない。その点、この曲は7分弱もなんとか保ってるのがすごい。Instrumental版は4分と短くてそっちも好き。欲を言えば歌も5分くらいのバージョンも作って欲しかった。歌で特に好きなのはこの2曲だが、他も総じてキャッチ―ないい曲ばかり。また、BGMも本当にいい曲ばっかり。お世辞じゃない。マジでサントラから捨てる曲がない。15曲くらい好きなBGMがある。書ききれない。{/netabare}

物語は、原作のエロゲが音楽だけでなく物語でも高く評価されているのでぶっちゃけ期待はしていた。成功が約束されているアニメだと思っていた。案の定、物語もとても良かった。
1話～7話は毎回OPからEDまで飛ばさずにみて余韻に浸っていたくらい楽しかった。毎度エンディングでその回の出来の良さに思わずにやにやしてしまうくらい予想以上にいい出来だった。
7話の学祭はかっこよかったが、この時点ではまだ3曲目の肝心な『届かない恋』がでなかったので、じらされてちょっともどかしい気分だったがとても気持ちいい学祭だった。ここで物語終了でもまとまっている。でもその7話のラストで話がまた転がり始める。春希と雪菜のキスという展開。正直眉をひそめてしまった。いや、別に雪菜が嫌いなわけではないし、可愛いと思うんだけどさ・・・その直前のシーンで春希はかずさと夕方の青春をしていたもんねー・・・。個人的には圧倒的にかずさ推しなのもあってね・・・。とにかくなんでかずさがいなくなって雪菜がいるのか、春希が寝落ちしてる間に何があったのか、とても気になった。・・・悪いけど私、ここのシーン複雑な気分になって半泣きね（笑）　この時点では春希が寝ている間の出来事がまだ分からないので、かずさ推しの人は雪菜が小悪魔にみえるよね。
8話の冒頭でこのシーンについて雪菜とかずさの戦後処理的なことがあって、雪菜をちょっと赦したけど、それでもかずさが不憫で・・・。しかし私の気持ちとは裏腹に8話では3人が一つにまとまって新しい関係が構築されて落ち着いたような終わり方になった。私がかずさだったらあの3人での旅行は無理だな、かずさは大人なんだなと思った。・・・矢先に9話である。やっぱりそうだよね・・・。かずさがため込んでた気持ちを吐き出した時はこの後荒れるなと思いつつも心が少し軽くなった気分だった。こんなん泣くわ。
10話はかずさと春希の過去の回想ですね。気になっていた7話の学祭後のシーンが明らかになってました。
11話は9話の続きと。もう本当に号泣しましたわ。やっぱり目の前で死ぬほど好きな人が親友とイチャイチャしてるのを自分を含めて3人という状況でいるのは心がえぐられる思いだったってはっきり言ってましたね。そうだよなぁ。かずさ「なんでそんなに慣れてるんだよ・・・！雪菜と・・・何回キスしたんだよっ・・・！」くっ・・・・・これは・・・。清純でツンデレで優しくて才気溢れるかずさを泣かせた罪は重いぞ春希・・・（こらえんど！！！）　いや実際我慢ならんでしかし。
12話を見ると雪菜への負の感情がだいぶ和らいだ。彼女もいい子ですね。いい子なのは分かっていたけど、この回で彼女も子供じゃないと分かって、かずさも雪菜も学祭の日の件やこの恋についてのいろんな非はどっこいどっこいなのかなと思いました。まぁ春希も優柔不断で情けない男だがしょうがないとも思った。誰も悪くないけど少し歯車が狂うと本当に恐ろしいですね恋って。
でもその恋をして良かったと13話で雪菜と春希は言っていましたね。前向きですね。私はこんな失恋はしたくないです（ｷｯﾊﾟﾘ）。電車の中で強がっていた雪菜が、空港で春希とかずさのキスを見て号泣していたのをみると、雪菜への負の感情は0になりましたわ。彼女は一番の被害者ですね。春希への負の感情はさらに高まりました（#^ω^）ﾋﾟｷﾋﾟｷ　かずさと春希は数年後にまた出会うんでしょう。きっとそうだと思う。春希は嫌いだがかずさと彼にはうまくいって欲しい。雪菜も幸せになって欲しいなー。そして最後の最後に7話で描かれなかった学園祭の最終曲『届かない恋』でエンディングか。柳原ちゃんも思わず感動の涙。無理もない。本当にヤバいからなぁ。

恋愛アニメの神作だと思う。とらドラに少しだけ似ているが、あれとちがってクセがないので見やすいと思う。全13話というのもポイント高い。エロゲってこういう物語も音楽も神がかってる作品が多いからいい意味で困る。素晴らしい作品だった。エロゲ版やってみたいなぁ。