りくりく さんの感想・評価
4.3
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
主人公の暴虐
物語の大筋が見え、あのハーレム展開をこう持っていくのかと驚かされる。細かいところでもよく作り込まれており、ただの単純なハーレムものとは異なるものになっている。
ただ、このシリーズで生命線だった{netabare}記憶をなくすという設定を外してしまう事によって、{/netabare}主人公の生き様に陰りが見え始める。
全体を通して、現実に興味のない主人公はそれでも、他人を気遣い、その人の為を思って攻略する姿があったように思え、記憶を失ってしまった後の少し切なそうな主人公に大変好感を持っていた。
しかし、今作では{netabare}記憶が残っているという事実が明かされる。よって、主人公の女たらしが明るみに出、さらに世界を守る為という口実の下、非人道的に乙女の恋心をもてあそぶ主人公の姿が描かれる。{/netabare}
これは終盤に近付くにつれ、非情に理解不能になっている。なにが主人公の本当の思いなのか、あの暴言は何だったのか、など。
しかし、原作を鑑みるに、時間的余裕が極端に足りなさすぎた結果だったのでは、とも考えられる。
それを考慮しても、アニメの最後の展開には少し良心が痛むというか、受け入れ難いというか、もう少しなんとかしたらどうなんだと感じてしまった。
もう一つ付け加えるとしたら、{netabare}第二作のあの意味のない女の子を少し入れ替えて、今回の女神編の女神を宿した女の子を、はしょらずにやれていたら、今作の評価も少しは違ったのかもしれない。{/netabare}
と、思っていたのだが、原作を読んで続きがあることを知った。
この作品は全てをまとめて一つとしてみられるべきであり、その大きな視点を見たときに本当の主人公の抱える苦悩というものが見える。
とにかく壮大でありながら、細部まで寝られた傑作である。次回作が作られたときに本当の評価が出回るだろう。
それにしても、パートナーの作品を通しての無能さはとてもいいと思う。