ブリキ男 さんの感想・評価
2.5
物語 : 2.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 1.5
状態:途中で断念した
クマの姿を借りたおじさん
くまみこというタイトルから田舎のほのぼのとした日常を描くアニメかと思ってましたが、想像とは大分違いました。
本作の主人公まちは都会に憧れる田舎の少女の典型といった役どころで、それでいて具体的な目的も無く、情報収集に熱を入れるわけでもなく、情熱だけが先走っており、言ってみれば、まちはテレビを通して得たきれいな情報だけをかいつまんで、都会への絵空事の様な幻想を抱く浅はかな少女という印象が強かったです。テレビとかパソコンが身近にあるのだから、もう少し知識が有っても良い様に思いました。何だかアンバランスでした。
機械との相性が悪い巫女といえばRDGの泉水子(こちらは相性が悪いと言うレベルではない)を思い出しますが、彼女の場合は都会に行くのを怖がり、田舎の方が落ち着くという、必然的とも言える至ってまともな良識を持っていましたが、両者を比べてみると、まちの思考には一貫性が感じられない様に思えました。
クマのナツについては、動物に人間の言葉を喋らせる事自体は構わないと思うのですが、村人にインターネットの利便性を説明したり、まちに家電の有用性を説いたりする場面があったりと、知ったかぶりで訳知り顔のそこいらによくいるオジさんと全然違いが無く、獣としてのくまを侮辱している風にさえ見えました。これについては6話にてナツがまちに謝るシーンについても同様で、悪い大人の見本の様なもので、ナツは自分の言った事に責任を持つべきで、まちに謝ってはいけなかった様に思います。この様な行為は人間の大人が子供に媚を売る時に行うもので、※自分の後悔や子供への同情から生じているのではなく、自分が子供に嫌われたくないと言う利己的な心から生まれるものです。(そして必ず嫌われます。)人間として見てもナツには全く好感が持てませんでした。
人物は変わりますが、3話のよしおの言動「なぜナツはよくて俺はだめなんだ!」に続く、「いわれのない差別を許しません」というテロップについても自己中心的過ぎてどこに正当性があるのか意味が分かりませんでした。(まちを押し倒していきり立つし‥)
例えば両親に頭を撫でられても全然気にしない子供がいるとして、別の誰かが同じ様に撫でようとしたとします。それを嫌がって逃げた子供がいたとして、その子供に対してよしおの様な言葉が言えるでしょうか? ‥よしおはかなりずれた良識を持っている様に見えました。もし差別があるとしても言われの無い差別ではなく、根拠の有る差別なのではないでしょうか? 仮にナツが人間だとしてもよしおの言い分はおかしいと思いました。
のんびりとした日常回や、まちが村の外に出て行動範囲を広げていく探索や冒険の回などを期待しながら見つつ、惰性で7話まで視聴してしまいましたが、キャラも物語も魅力が下がる一方だったので、ここら辺で断念しました。
※ナツは「でも」という言葉を用いてます。相手の言う事を肯定しているので省略されている部分には本心(自分の指示した事は正しかったけど)が入っているのだと思います。