ハヤブサ さんの感想・評価
4.4
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
ココロがコネクトできた時、人は歩を進めることができる
深いので、もう少しダラダラ加えてみます‥
新房監督さんの監修の下、初監督にして「シャフトの本気」と言われたefを作り出した大沼心さん総監督のアニメです。efにて、挫折や希望に合わせて変化しながら、ストーリーの蓄積と共に完成されていくOPなどあったので、期待膨らみながら視聴しました。
‥期待通りでした。OPの黒板やら学校の風景やら最高です。EDはテーマに合わせてヒロインと曲を変える演出、作品に合う演出になっていて最高でした。やっぱり素晴らしい。作中の画ももちろんよかったです。
内容は‥ラストにあるように、迷ったり悩んだりしても、自分の心と誰かの心を結び合いながら歩くストーリー。大沼監督の名前とタイトルの「ココロ」のマッチ、また熱い青くさいセリフが多い作品‥相応しいなと思いました。
感情伝導にて、みんなが思ってる明るく温厚なキャラやるのに疲れてしまった伊織へ
いなばん「期待に完璧に応えようとして、お前は馬鹿だ。お前はできるできないの二元論なんだよ。テキトーにガス抜きしてバランスとるぐらいしろよ。誰もお前がどうなってどうなるかなんて、むちゃくちゃ興味あるわけじゃねーよ。お前の人生だろが。勝手にお前の好きなように生きとけ!」‥セリフはそれ程深くないけど、太一も誰もどうにもならない中での、いなばんの説得がすごくカッコよかったです。こういう暗がりから力強く引っ張るものが、ヒーローですよね。最高の友達ですね。伊織はこの言葉を元に、「うまくやる事が人生の目的じゃない、ただ‥自分が何をやりたいか、どうなりたいか‥目指すべきとこはそこだ。素直に感情に従おう‥もっと自由に‥」とふっ切ることができます。
( これは太一にはできない‥太一はそれでも好きだしか言わない。太一の好きって軽!)
そして、いなばんを助けるシーンでは、みんなのココロがコネクトします。
伊織「あの時の自分は色んなこと分かってなくて、色々間違ってて‥(太一とは付き合わない)」‥太一は最後の方まで、伊織に「いつもの伊織」を求めてしまっていた感じがします。だから、伊織が太一と付き合いたくない気持ちは少し分かるかもです。
‥伊織が感情伝導で、「本当の私がさらけ出されたら、みんなと付き合っていける自信がない」って塞ぎ込んでしまった気持ち‥分かります。自分でもどうなるのか‥たぶん周りと距離とりたくなるかもです。本心だけで生きれるほどできた人間なんてそうはいないでしょう。
‥しかし、いなばんが言った様に‥いなばん達にとって、伊織がもっている闇とか、伊織の黒さなんてさほど問題ではない‥伊織が伊織であることと、伊織が自分にとって大切な存在であるということの方が大切なんです。いくら形が変わっても、変わらない価値ってものがある‥こんなつながりこそ、本当のつながり=ココロコネクトなんだと思います。こんなコネクトをたよりに、迷いながらも答えを見つけて、歩を進めるといった深いストーリーでした。
‥自分や相手が、どんな人間、どんな状況であっても、きっとつながっていけるといった希望を伝えています。また、本当の気持ちをコネクトできた時、歩を進めるものだと伝わってきます。
時間置いてまた観たい‥これは名作です。
また、沢城みゆきさんのデレバンが観れるのも、ココロコネクトの魅力ですね。
一つの不満は太一の「好き」が軽い事です。自己犠牲があざとくチャラく見えてきてしまいます。ラストシーンはいなばんへ「付き合おうか」ではなく、心を込めた「好き」とかが欲しかったかなぁ〜。