もけもけぽー さんの感想・評価
3.3
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
主人公かわいそう→醜い→どうなっていく→よかったね
死んだらセーブポイントからやりなおしー
を何度も強いられる主人公が気の毒に感じながら見ております。
毎度とても痛そうな死に方しておりますので、「さすがにもう心折れるだろう」と思うのですが、不屈の精神で必死に足掻いてる姿に共感というか尊敬しつつ。
個人的に残念なところは、僕の苦手な演説系主人公なところ。
自分の熱い思いを演説ぶっこく→聞いたキャラが感銘を受ける。
こういうシーンの連鎖は辛いというか、見ていて恥ずかしいのです。
この主人公は相当酷い目に合ってるし、やることやって必死に頑張ってるんで、あまりコケにはしたくないんですが…
決意や想いを心に秘めることなく、全て明け透けに周囲へ宣言する姿をどう見るかで、面白さに違いが出てくるかもしれません。
※13話視聴後 追記
これまで個人的に主人公が苦手なタイプだなーと思っていたものが、だんだんと顕著になっていき、これがずっと続くのだとしたら、「これがこの作品の魅力的な主人公様です」という作り手と、文句を言いながら見てる受け手の自分とで、美点の価値観が違うんだなとそろそろ視聴を切ろうかどうか迷っていたところでした。
ところが13話では、 {netabare} ずっと気に入らないなぁ…と思っていた部分をさらに高濃縮させたような行動を主人公に取らせ、そこをヒロインに痛いほど指摘されたあげく、これまでにない程の醜態を晒す結果なりました。映像でも醜い表情がこれでもかと見事に描かれておりました。主人公の本質というか抱えている内面がドカンと爆発したかのような。{/netabare}
こうなると、視聴を止めるかどうかの疑問点「作り手と自分の美点がズレてんじゃないだろうか」という部分がバッサリとリセットされました。「こいつは別に魅力的な人物でもなんでも無いんですよ皆さん」と言ってもらった気持ちで逆にスッキリしています。
というわけで、元々リセットアニメでしたが、視聴者の自分も再スタートするような感覚で視聴を続けていきたいと思います。果たして主人公はここから這い上がることができるのか。
※18話視聴後 追記
以前まで持っていた「こいつが主人公かよ~」という不満がどうでもよくなるくらい、主人公スバルが惨めに醜く打ちのめされていきます。這い上がるとかそういうレベルではなく、どん底に堕ちていきます。13話が最底辺かとタカをくくっていました。
それも数話使って何度も何度もこれでもかというくらい醜態晒しながら、無力で悲惨な姿が描かれていきました。「もうそのくらいにしてやって…」と思えるくらい。
{netabare}作品前半であれほど万能感とドヤ顔で自分をイラつかせてくれた姿は欠片ほども無くなり、異世界に召喚されたラノベ主人公特有の痛々しさは鳴りを潜め、単なる勘違いした引きこもりが粋がって偉そうなことベラベラわめいてただけだと、己の気持ちを正直に打ち明ける姿がそこにありました。
よくある、著者の持論を登場人物に代弁させてオタク批判とか、そういうカビの生えた演出ではなく、何話もかけてじっくりと主人公のダメっぷりを描写し続けたからか、「いきなり何この台詞?」という唐突感はなく「まあそうだよなー」という感じです。
希望の見えない八方塞がりな状況の中、常に主人公を側で支えて続けてくれたレムがいなかったら視聴を切っていたかもしれませんw
まあそれくらい、ここ数話の主人公の境遇は単に見ているだけの自分ですら「もう逃げちゃいなYO!」と言いたくなるくらい悲惨でした。
そんな元主人公(仮)が再起を決意する理由は、エミリアが好きだから彼女を助けたいという初志貫徹ぶりには拍手を送りたい気持ちになりました。
一番辛い時にずっと側に寄り添ってくれていたレムに逃げなかったスバルの姿を見て(ちょっと逃げかかったけど…)、やっと「こいつが主人公でもいいぞ」という感想を持てました。
ここまで見せつけられて、視聴者の自分としてはスバルとレムの存在感が一際大きくなってしまい、メインヒロイン(?)であるエミリアがどんどん薄くなっていきましたw
意図的なのかそもそもエミリアというキャラは、ここまでのところどういう人物なのか時間を割いて描かれていないので、ぶっちゃけると「エミリアとかどうでもいいよな」という、いささかゲスな気持ちがあるのも正直なところです。最後まで見たら、違う感想になるんじゃないかと期待もしてます。{/netabare}
※ 16/09/21 全部見たので追記
最後はスーパー主人公になってくれました。直接的な能力は決して秀でてない(むしろ最弱クラスのまま)ものの、ピンチでも状況を客観視できる冷静さや判断力、修羅場くぐってきた成果からか肝も十分据わっており、すっかり頼もしいキャラに成長?しました。
13話以降の展開で胸に刺さっていた棘も、綺麗に抜いてもらったかのようなスッキリ感があります。地獄見た甲斐あったなぁ。
広げた風呂敷もほぼほぼ回収できていたんじゃないかかなと思います。ちょっと普通の作品よりも情報量が密なので、「あれどうしたんだろ?」ってのが後々思い出すかもしれない。でももう一度最初から全部見たいか?と考えると、ちょっとそれはノーサンキューで。
僕はスバルとエミリアのラブストーリーには殆ど胸が動かされなかったので、この話の続きにはあまり興味無いかも。正体不明の魔女関係も見ていて面倒になっちゃいました。
そのくらい「ああやっとゴールできたなぁー、ご苦労さん」という気持ちになったので。途方もない疲労感とともにw
最後に…
スーパー主人公になっても、やっぱり台詞が長いよ、スバル。