「無彩限のファントム・ワールド(TVアニメ動画)」

総合得点
76.0
感想・評価
1214
棚に入れた
6651
ランキング
746
★★★★☆ 3.6 (1214)
物語
3.2
作画
3.9
声優
3.6
音楽
3.5
キャラ
3.6

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ネタバレ

どらむろ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 3.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

京アニの異能学園退魔コメディー?1話1話を別々のアニメと見ると、楽しめるかも?

全13話。異能持ちの少年少女が「ファントム」という妖怪や怪異を近未来風にした感じの存在とバトルしたり、交流していく。
京都アニメーションの綺麗な作画による萌えとアクション、カオスながらちょっと良い話、辺りが見所でしょうか。

{netabare} 『物語』
世界観は何となく「電脳コイル」を思わせつつ、実質は「夏目友人帳」をラノベ的にユルく萌えコメディーにした感じ?
「ファントム」の存在定義が不明瞭な為、結構なんでもアリな作風です。
主人公たちは異能者で、異能駆使してファントムを退治するのですが、単純にバトルだけでなく、ファントムの事情勘案して成仏?させていく流れなので、「境界のRINNE(りんね)」に近い。
ファントム発生に人間の心の闇が関係あり、ファントム事件解決はお悩み解決…マイナーですが「夢使い」タイプでもあり。
夢使いも「人の夢が現世に具現化、これを鎮める」話、ファントム=悪夢と見れば共通項感じます(シリアス度が段違いですが)

見所はユニークな特技を駆使する異能バトル、流石は京アニだけあって中々のもの。
なのですが、異能が地味…ではないもののワンパターンで中盤以降飽きます。
もう一つの見所は露骨な微エロ…
なんというか、とってつけたような悪い意味でのあざとさを感じる。
この路線で攻める!ならそれも良いのですが、そこも中途半端。
正直1話のリンボーダンスがピークでした。

ファントム絡みのお悩み解決なストーリーも当たりハズレあり、結構イイ話もあれば、あまり面白くない話も…。
1話完結で主要キャラの背景を掘り下げつつ、トラウマのケアを行うタイプの前半のエピソードはまずまずなのですが、1話完結の連続で掘り下げ不足を感じる。
主要キャラの掘り下げには一人当たり3話くらい使っていれば…
しかしそうなると、1話完結のコメディー路線が疎かになるし、難しいところ…。
異世界に誘われて不思議の国のアリスみたいな路線はまぁまぁ面白いのですが、楽しみ所を理解するまで少し戸惑いました。
終わってみればハートフルだったり幼女萌えだったり、嫌いでは無いです。

8話の温泉回が1番面白かった。境界の彼方でいえば6話に相当するギャグ回。
お馬鹿なコメディー路線にちょいエロ、こういうので良いんですよ!
この話は序盤に持ってきた方が視聴のモチベ保てたと思う。

9話の演劇回も部長の正体の意外性あり、結構好きです。
境界のリンネを青春劇風味にした感じ、このレベルの1話完結ならば佳作になっていたかも。

10話の妖精ルルちゃんの話、1番ラブコメの波動を感じる!
モチーフは多分人魚姫、本作はどうやら西洋童話モチーフのエピソード多いようです。
ルルの晴彦への想いがいじらしい、こういうエピソードは、もっと前に持ってきていれば…
でも序盤だと入り込めないし、これも難しいところ。

11話のオネショタは素晴らしい。ショタ萌えな上に、舞先輩のキャラも掘り下げられてますし。

以降ラストまで一気にシリアス路線に。
母親との再会が、なんとなく現実感が乏しく感じてしまうのは何故だろう…
終盤はあまり面白くなかったです。


…非常に評価の難しい作品。
1話1話は面白い話ありますが、通して観ると…楽しみ方のツボが中々掴めない。
萌えに注目すると舞先輩の乳揺れやクルミちゃんの幼女萌え、晴彦ショタ化など駒は揃っている。
ラブコメ分はルルちゃんがいる。
不思議の国のアリス路線は戸惑う。
…不思議です。決して悪くはない作品のように思えるのですが、なんだかモヤモヤします。
作風の振り幅の広さが、不利に働いている気がしました。


『作画』
流石は京アニ、非常に可愛いです。幼女のクルミちゃんが好み。
バトル面は異能が吸い込みや大声などワンパターンになりがち、舞先輩の格闘に見ごたえあり。
微エロは…ノルマなので仕方なくやってみた、と感じた。
萌えは全般的な作画の綺麗さとは必ずしも比例しない、ピンポイントで可愛く見せる作風はニガテなのかな?
…4.5点か迷うところ。クオリティーだけ見れば素晴らしいのですが、京アニよりクオリティーで及ばない作品の中に、絵的にずっと満足感高い作品あるので。

『声優』
下野紘さんが地味ながら安定感のある好演。
上坂すみれさんのお転婆先輩も良い、中二病の凸森とは思えん…
内田真礼さんも六花ちゃん…
早見沙織さんと久野美咲さんは双方スタンダードな持ち味発揮、特に久野ちゃん幼女は流石のあざとさ。

『音楽』
楽曲はまぁまぁ。主題歌としては好みでは無く記憶曖昧ですが、EDはルルの気持ち少し伝わってきて良い感じ。


『キャラ』
全般にキャラクターが弱い。優良な駒は揃っているハズなんですが…
参謀型の主人公・晴彦はユニークではありますが、多分振り幅大きい作風故に活躍が安定しなかった。
ショタ状態がかわいい。

玲奈ちゃんは奥ゆかしいお嬢様、大食い属性以外はありがちなお嬢様系で地味でした。
異世界編がキャラの関係性強化にイマイチ繋がっていない。

クールビューティーなツンデレの小糸ちゃんが比較的印象に残る。
「アーッ!」な音波攻撃は笑えます(正直微妙)
玲奈ちゃんも含めてもう少し晴彦との積極的な絡みが見たかった。

舞先輩はエロ要員な脳筋美少女、彼女も1話完結で振り幅激しい作風の犠牲に。
11話で評価上昇ですか…既に終盤。

あざとい幼女クルミちゃんが幼女萌え♪個別エピソード以外では意外と絡めないのは勿体ない。

キャラ的にしっかりとラブコメしてたルルちゃんが正妻でした。
10話は可愛かった…しかし、遅い。

…どうも1話完結でカオスな作風が裏目に出ている感。
好感度上がるエピソードが後半に集中、ある程度愛着出てきたと思ったら終盤(あまり良くない)と、色々と勿体無いです。{/netabare}

投稿 : 2016/05/18
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