「今、そこにいる僕(TVアニメ動画)」

総合得点
69.1
感想・評価
286
棚に入れた
1460
ランキング
1906
★★★★☆ 3.6 (286)
物語
3.9
作画
3.5
声優
3.6
音楽
3.6
キャラ
3.5

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ネタバレ

myutan さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.5 作画 : 3.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

戦争の見えない部分をアニメ化した考えさせられる作品(長文駄文ちょっと不適切用語あり要注意)

13話視聴した感想文。

(総評)
テーマは戦争。
アフリカの子ども兵を題材にしてるらしいので(wikiより)、子どもたちを描いたシーンが多いです。
明るいわんぱく主人公シュウの学園ものかとみえる最初のシーンでは考えられない、シリアスな展開。
少し暴力シーン(グロシーンはなし)もあり辛くなることもありますが、戦争の痛みは十分伝わってくると思います。
重い作品が苦手な人にはオススメできない作品です。
10年以上前の作品ですので絵は少し古く見えるかもしれませんが、
罪も無い人、特に子どもたちが中心に巻き込まれていく戦争の負の部分を描いた演出は、個人的にすごい考えさせられる内容でした。
ただ、人間関係の描写不足や、戦争が悪いと言ってるだけで、何も解決策を提示してないという批判もありますが。。。

あとは、ダラダラ物語と特徴です。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
(物語)
主人公で学生のシュウが、
水の妖精であるララルーと出会い、
突然ララルーを狙う未来の地球からやってきたヘリウッド軍に襲われて、
そのまま戦争にまきこまれていきます。
そこで、シュウは捕らわれたララルーを必死に助けようとするんですよね。
舞台は、世界征服?を目指すヘリウッドと
ヘリウッドに襲われて逃れてきた人たちが集まったザリバース。
なぜララルーは狙われてるのか?
戦争に巻き込まれたシュウとララルーの運命はいかにぃ~?

(主要キャラ)
・主人公シュウ
明るくて正義感の強い少年。
いくら拷問を受けてもヘリウッドに捕らえられたララルーを助けようとするその行動力は半端なし。
たった一度の出会いで、そこまで助ける必要はないだろと疑問にもつかもしれませんが、彼の一途な性格を表現したかったのかもしれません。
全体的に暗い物語を明るくしてくれる貴重な存在。
ただ、あまり相手のことは考えない無責任な発言や行動も疑問符も。
無理やり兵士から妊娠させられて落ち込むサラに、
「生きてれば何とかなる」と発言した時はちょっとビックリしました。

・ララルー
水を操る妖精みたいな少女。
ヘリウッド要塞の動力源である水を出せる不思議な能力を持っているので、狙われているんですよね。
無愛想で無口なんですが、それは何千年も一人で生きてきて、水を独占しようとする人間の嫌な部分を見てきた過去を物語らせているのかもしれません。

・ハムド
自分を守るために人の犠牲も惜しまないヘリウッドの独裁者。冷静な独裁者姿と不安になった時に狂人になるそのギャップをうまぁく声優の石井康嗣さんが演じてると思います。
ただし、なぜ狂気になるのか描写があまりなされてないのが少し残念。
次回予告のセリフはぜひ聞いてください、その悪役っぷり。

・アベリア
ハムドを支える女性側近。
ヘリウッド軍のトップです。
狂気なハムドに何度も暴力をふるわれるのに、
あれだけ忠誠心を誓えるのは愛なのかぁ???
って疑問を持ちました。
この彼女の行動の理由が描写されてなくて残念。

・サラ
この物語で一番辛い役だと思います。
ただ、戦争映画でなかなかスポットが当てられない役でもあると思います。
アメリカからララルーと間違われて誘拐された少女。
そのままヘリウッド軍男性兵士の掃き溜め役に。

・ナブカ
村が襲われて連れてこられたヘリウッド軍の少年兵士。
本当は優しい少年で、
戦争が終われば村に帰れると信じて、
嫌々ながらもヘリウッド軍で人殺しをしたり。

他にもけっこういますが、省略でぇす(笑

(特徴)
1.戦争の負の部分
もし、戦争があったらどうなるんだろう?
私は体験者ではないので想像しかできませんが、
負の部分を描いた部分はけっこうありました。

(1)少年兵士
従順な少年を兵士にするのは、非合法とはいえよくある手段かもしれません。
理性のある大人より戦争への恐怖を知らない分扱いやすいからでしょう。
ヘリウッドは食料と兵士を確保するために、
村をおそい、従わない人は即射殺し、
村人を兵士にするんです。
兵士になった子どもたちは、
人殺しの方法を学ぶんですよね。
もし、戦争が終わったら村に帰れるという言葉を信じて。
でも、実際は村は爆破されて帰る場所はなし。
だから、そのまま軍にいるしか居場所はなくなる。。。
でも、そんなことは知らないで、
家に帰るために軍に従ってる子どもたちが、
襲った村で同年代の子どもたちを銃で撃つシーンは本当にやるせないです。
もっとリアルなものを見たければ、
映画のジョニーマッドドッグ見てみてください。

(2)女性捕虜
サラは、ララルーと間違えられてアメリカから連れてこられて、そのまま男性兵士の欲求捌け口に。
死に物狂いで脱走、妊娠発覚、自殺未遂。
戦争被害者として慰安婦被害者はなかなか表に出てこないけど、
被害にあった女性がどうその過去を克服していくのでしょうか?
サラが立ち直るシーンはあまり説得力がないかもしれませんが、こういう役を描いただけでも評価されていいのかなと思います。

(3)恨みの連鎖、武力だけでは解決できない戦争
ヘリウッド軍に襲われ、
何とか逃げてきた人たちが集まったザリバース。
家族が軍に殺されたり、兵士にされたりして
恨みを持ったザリバースの若者中心のメンバーがなんとかヘリウッドの独裁者のハムドを暗殺しようとします。
でも、武力では解決できないと反対する人たちもいて
ザリバース住民同士で少しいざこざになり、
最後はザリバースの若者が武力で反対を抑えちゃうんですよね。
武力での解決は結局恨みしか生み出さず問題の根本解決にはならないのでしょう。
ただし、武力なしだったらやられ放題なんで、
武力(防衛手段として、相手が交渉にのってくる前提かも)+政治力(会話により戦争を終結にもってく)が重要なんでしょうね。
ただ、このアニメでは政治力の部分については書かれてませんでした。

(最後に)
少年兵士を使った戦争への反対を込めて作られたんだろうと思います。
明るくて正義感強いシュウなんですが
その無神経さにちょっと疑問を持ったり、
登場人物の人間関係の描写に少し不足があった点、
最終回は、シュウだけ元の世界に戻って、他のみんなはどうなったんだろうという疑問も残るかもしれませんが、
戦争の負の部分を描いたアニメとしてかなり評価できるんだろうと思います。

投稿 : 2011/12/31
閲覧 : 483
サンキュー:

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