keylove さんの感想・評価
4.7
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
こんなに良いお話ってそうそうないです。言葉にできないほどに感動しました。
以前からずっと気になっていたんですが、この作品はおそらく
中途半端に入らないほうがいいって思ってたので、視聴が遅くなりました。
結論から言って、本当にここまで良いと感じた作品は久しぶりに観ました。
感動したし、涙が出たし、胸が熱くなったし、笑えたし、共感できたし。
僕の中でのベスト10に入れてもいいかな?
って思うほど、今でも余韻が続いています。
ちょっとあらすじ的なことを書いておいたほうがいいかもしれないですね。
祖父の訃報で訪れた祖父の家で、30歳の独身男、河地大吉(ダイキチ)は一人の少女と出会う。
その少女、鹿賀りんは祖父の隠し子であった。望まれぬ子であったりんを施設に入れようと言う親族の意見に反発したダイキチは、りんを自分が引き取り育てると言った。こうして、不器用な男としっかり者の少女との共同生活が始まる。
ここまでwikiより引用です。
この作品は、一つ間違えたらドロドロになってもおかしくない不安定な日常をとてもきれいに美しく描いているところが素晴らしいと思います。
それを可能にしたのは、この主人公の大きくて深い愛情を持てる心と、純粋で健気で可愛らしいりんの心がバックグラウンドとしてきちんと表現されていることにあると思います。
二人の何気ない日常のやりとり。
これが本当の親子なら、なんでもない普通のことなんでしょう。
でもそれが、少し前まで存在すらお互いに知らなかった人間同士で繰り広げられるんです。
そんなこと、現代の日本においてはそうそうあることじゃないですよね。
経済的にも時間的にも自分が中心になるのが当たり前な世の中で、この物語が本当に生きているんだと感じました。
そしてこのりんが可愛い。
容姿もそうですが、なぜにここまで健気に生きられるのか。
人に愛される子になれたのか。
もうそれをじっくりと考えるだけで、レビューを書いていても涙がこぼれてしまいます。
子供って、、、
可愛がられないと生きていけないんです。
だから愛嬌があって人から愛されるような雰囲気を常に出してるんです。
これは本当の話で、、、だから一人で生きられない愛玩犬なんかも愛嬌があって人に嫌われることがないようにできてるんですよね。
この必要不可欠な生きるための要素をまざまざと見せられると、おそらく子供を育てたことがある人や、兄妹で歳が離れてる人なんかは心が揺さぶられると思います。
この作品の評価が高いのは、それを本当に素直な観点で描いているのが要因なんだろうと思いました。
そして作画も良いですね。
各一話が始まる時の作画は水彩画のようなちょっと荒い印象があるんですが、それがまたこのキャラたちをきれいに包んでいます。
キャラデザも、主人公はお世辞にも良い男には見えなくて、むしろむさ苦しい不細工な男なのに、だからこそ優しさが滲み出ていて、りんに対する気持ちを深く感じることができました。
でも、りんはものすごく可愛いです。
泣けるほどに可愛い女の子です。
あと、りんの最初の友達になる二谷コウキ君とその母、
そして大吉の母や父がとても素晴らしい物語を紡いでくれていました。
本作は続編はないようですが、もう少し展開を見てみたいキャラの関係もありました。
ただ、これで終わっていたほうが、すべてがきれいに残って良かったのだとも思います。
EDはとても良かったので記載しておきます。
もちろんアニメーション込みで良かったですよ。
エンディングテーマ「High High High」
作詞・作曲 - 村山辰浩 / 編曲 - カサリンチュ & 綿糸町昇 / 歌 - カサリンチュ
このエンディングは本当に心に響きました。
ということで、個人的には他のアニメとは一線を画すほどに素晴らしいと思っています。
きれいな心になりたい人や、疲れた心や淀んだ心を癒したい人には絶対におおすすめします。
永遠の宝物になりました。