「ハイスクール・フリート (はいふり)(TVアニメ動画)」

総合得点
74.6
感想・評価
949
棚に入れた
4068
ランキング
890
★★★★☆ 3.5 (949)
物語
3.2
作画
3.7
声優
3.5
音楽
3.6
キャラ
3.6

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ネタバレ

ムッツリーニ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6
物語 : 1.5 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 2.5 状態:観終わった

アニメ界の海は魔の海域だったようです

3度目の正直。これは失敗を恐れないポジティブな心が生む言葉。
2度あることは3度ある。これは私のネガティブな心が呼び覚ました言葉。
1度目は銀髪幼女が浮いたり沈んだり体の中身を見せたり弄られたりするアニメ「蒼き鋼のアルペジオ」
2度目はたまたまタイトル画面の真ん中にいたばかりに主人公にされてしまった女の子が黒くて堅いモノを相手にぶち込んだりぶち込まれたりするアニメ「艦隊これくしょん -艦これ-」
過去の2作は海中に沈んだ。
そして3度目の航海へと旅立つアニメ「はいふり」は、はたしてアニメ界のバミューダ・トライアングルを完成させてしまうのか?
…ん? 私の表現は適切だよ?
あ、沈むじゃなくて潜るでしたねすみません。

というわけで、
初めは「はいふり」という略称とキービジュアルのみが発表され、どういう作品なのかは不明として興味を煽りつつ放映開始。本来のタイトルは第1話終了時に初めて明かされるという異色のスタートを切った作品。
特に効果があったようには思えませんが。

空のストパン、陸のガルパンに続き、海の覇権アニメを望まれて制作された作品のようですが、実際はディティールが凝っているだけでツッコミどころ満載の萌えアニメ。
なぜ女の子が軍艦に乗るのかとか、
なぜ日本の平野部が海に沈んでるのかとか、
どうして第2次大戦が起きなかったのかとか、
それらはまぁ一応説明はされているし、よくある「状況を作るための世界設定」なのでスルーするとして、一つ突っ込みたいのが、

公式サイトのイントロダクションと実際のストーリーが違うこと。
↓こんな物語にもなってないものにネタバレとか痴がましいですが一応畳みます↓

{netabare}この作品はブルーマーメイドという海上保安庁的なポジションの職業を目指す女子高生達の奮闘を描くという触れ込みですが、実際にはブルーマーメイドどころか学園生活も描かれません。
その前に反逆者として追われる身になります。

なにを言ってるのかわからない? 奇遇だな、俺もだ。

そこからなんやかんやあって(なくて?)逃げてる間にいつの間にか反逆の汚名が晴れた頃、突然乗員が凶暴化して襲いかかる事件が発生。
医療班の活躍で艦内に紛れ込んだネズミが保菌しているウィルスが原因と判明します。
しかもこのネズミは感染させた人間を操ることが出来る上、周囲に電波障害まで発生させるらしい。

どういうことだキバヤシ!

地殻変動で日本沈没とか、謎のウィルスで洗脳とか、監督はMMRの読み過ぎなんじゃないの。
そしてクライマックスでは「一緒にブルーマーメイドになろうね」と約束した幼馴染を助けに行くのですが、ここからの流れも酷い。
ネズミウィルスに感染した乗員に乗っ取られた戦艦と対峙し、そこで目撃したのは次々とやられていくブルーマーメイド艦隊。余りにも圧倒的な展開に怖気づく艦長だが、部下達の叱咤により奮起し決戦に挑む……
あれ? 文字に起こしたら面白そうだぞ?
なんて幻覚に思わず擁護しそうになりましたが、見ていた時の率直な感想は「今更それかよ」っていう。
砲撃の中に水上バイクで飛び出したり、戦艦にわざと追い回されたり、散々自分も乗員も危険な目に合わせてるくせに今更「皆を危ない目に合わせるのが怖い」とか言われても、ねぇ。
で、最後は爆笑モノの戦闘シーンを挟んだりして割りとあっさり幼馴染を救出するのですが、結局ネズミウィルスはどうなったのかとか、反乱の件について決着ついてないよねとか、いかにも強キャラな雰囲気出してた学園長は何だったのとか、そういうのは一切触れられません。語られません。
更にラストシーンの沈没からの敬礼エンド。
何の脈絡もなくいきなり沈むんでびっくりしましたよ。
いや、こういう乗り物が主役の作品で、限界の限界まで酷使して目的を果たしたあと役目を終えたように沈んでいくっていうラストは確かに感動的なエンディングの一つですけど、
それってそれまでに積み重ねた愛着と故障を繰り返しながらもやっと港に辿り着いたというギリギリの達成感がなければ成立しないものでしょ。
大体、機関室に浸水したという描写はあったものの排水もしていたし、軍艦なんてそう簡単には沈まないのでは?
うん? 幼馴染はどうなったかって?
あれはこのアニメが最終回を迎えたという実績解除というかトロフィーだから、特になにもないよ。
続編があればちゅーぐらいするんじゃね?{/netabare}

というわけで、グダグダ語っていきましたが最後に、
何が一番気に入らないって「同じ船に乗る仲間は家族だ」とか主人公に言わせておいて、結局根本的には別の船に乗っている幼馴染を優先している所。
これって船の仲間との絆とか友情を描く話じゃないの? っていう。
別に思ってた話と違うからどうこうというのではなくて、まず物事には順序があるだろと。
2期でこの話をやるなら、まぁトンデモ展開ですが別に文句はありませんよ。
ただもっと先に語るべき流れがあるだろってことです。
求められてる方向性というか、あって当然の展開をすっ飛ばして、常に斜め上の視点から「予想もできない展開=名作」とでも言いたげな脚本は破り捨てられて然るべきだし、王道や正当性を唾棄するような物語なんて中学生の黒歴史ノートにも劣る物だとさえ思います。
確かに登場人物のビジュアルは可愛らしくて良いですが、それ以外にいい所がマジで見つからない。純粋無垢な糞アニメ。

投稿 : 2016/06/30
閲覧 : 202
サンキュー:

5

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