しゅりー さんの感想・評価
4.0
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
and you...
TVアニメ「THE IDOLM@STER」は2005年にアーケードゲームとして誕生し、
以降Xbox 360、PSP、ニンテンドーDS、PS3と複数ハードで派生作品を展開してきた
ゲームシリーズを原作としています。
私は2008年から周囲に内緒でXbox 360以降の数作をプレイしました。
この全25話のTVアニメはアイドルマスター(以下アイマス)という名前を持ったアニメとしては
実質3度目のアニメ化企画な訳ですが、1度目はメインキャラのビジュアルを
ある程度共有しているのみのTVアニメ「アイドルマスター XENOGLOSSIA」(2007年4月~9月)、
2度目はXbox 360用ゲームの限定版特典(オマケ)として制作された
約17分のOVA「THE IDOLM@STER Live For You!」(2008年2月)ということで、
初めて本格的にゲームに近い世界観で制作されたアニメではあります。
今回のアニメ、制作が決定された当初は世間にもゲームのファンにも
それほど期待はされていなかったように思います。
特に直近の新作ゲームのマーケティングに問題があり、それまでアイマスを支えてきた
多くのゲームファンの支持を失っていた時期のアニメ化には、
アニメ自体も失敗に終わるのではないのかという不安が付き纏っていました。
実際、1話や前半の数話は最低限のキャラ紹介は出来ていますが、
アニメとしては観る人を選ぶ、というより面白くない物だったと思います。
しかし、6話以降それぞれのキャラクターに目的意識が生まれて
各キャラクターにスポットを当てた話もテンポが良くなりました。
前半の数話も23、24話の展開を考えると必要だったかもしれません。
細かな動きに躍動感のあるライブシーンも一見の価値ありです。
それ以外にもゲーム等で生まれた豊富な楽曲が様々なシーンでアニメの演出に役立ってます。
ただ、日常シーンで楽曲を流し過ぎると視聴の邪魔になってしまうのは難点ですね。
さて、物語全体を観てみると前半から中盤の美希、
後半の千早、終盤の春香が印象的に描かれていました。
今までのアイマスを知らないと何故キャストが釘宮理恵さんの伊織などを
差し置いてこの3人がメインの話が描かれるのか意味不明に感じるかもしれません。
ただ、この3人はゲームや2008年のOVA、コミックやニコニコ動画などで
メインキャラクターとして描かれる機会が多かったキャラクターなのです。
このアニメではアニメ制作までにアイマスが積み上げてきたイメージやネタを
とても大切に扱っているので、3人の物語もゲームファンからすれば嬉しい話でした。
アイマスは公式とファンが互いを意識して育ててきたコンテンツだと思います。
A-1 Pictures、錦織敦史監督とアニメスタッフの方々がそうしたコンテンツとしての
性格を尊重して制作してくれたからこそ10話の876プロアイドル登場や
18話の律子回などが実現されたように思えます。
最終話まで観た印象としては登場アイドルを見て興味を持った人なら
かなり面白く観れるのではないのかと思います。
ゲームをプレイしたことのある人には騙されたと思って
観てほしいとオススメをします。
(初投稿 2011.12.27 07:20)
2012/07/02追記
特別編観ました。以下ネタバレ全開で記載します。
{netabare}特別編があると知った時から今日レビューを更新することを決めていました。
この気持ちを今あえて(アイマス的に)言葉にするなら…
やるしかなかったんだ!……かな?
訳がわからないと思われた方、申し訳ありません。アイマスネタです。
いい加減しつこいなという自覚はあるんですよ。
特別編は冒頭のプロデューサーネタからしてメタいですが、
カラオケもなかなかにひどいです。
きっと採点システムの判断基準に含まれたネタ成分は私に似ているはず…。
そんな訳で「特別編 765プロという物語」と銘打たれた26話は
短編エピソードの連作みたいな感じになっています。
本当にゲーム時代に観てきたような楽屋オチ的な話が多いので、
好みはわかれそうですが、話のタイトルには合っていますね。
アニメ本編で言うなら「生っすか!?サンデー」などのような
コメディ部分が好きな方ならきっとお気に召されるのではと思います。
ただ、「隣に…」が流れた時に条件反射でうるっときてしまうのが
ゲーム時代の一部ファンの人情というものなんですよ。
アカペラとトランプを思い出します。
本編25話の終わり方があまりにキレイだったので、
蛇足的に思われるかもしれませんが、アイマスが好きな方には
アンコールだと思って観てほしい、そんな気分のする話でした。{/netabare}