まーさちゃ さんの感想・評価
3.3
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
題材は良いだけに少し残念。
雰囲気は攻殻機動隊だなぁという印象。
シビュラシステムという人の精神状態や性格傾向を計測し、数値化することのできる機能が導入された近未来のお話。登場人物の言葉を借りると、「人の魂が丸裸にされた」世界が舞台となっている。
…ただ、全く頭がついてこない。
「犯罪係数」を割り出すことによって、犯罪者やその予備軍を事前に隔離し(あるいは排除し)、安全な社会を確立したというのは何となく分かるが、裁判所が必要なくなったというのはよく分からなかった。民事事件などが起こった場合もシビュラシステムによって、白黒つけるのだろうか?人の精神状態を解析するだけでそんなこと本当に可能か??
そして、もしそんなことが可能なのであれば、大多数の人が失業に追い込まれるのだろうと思う。人間が何もしなくても、シビュラシステムのもと、全てITやドローンが処理してくれる。鎖国しているため、国際競争に巻き込まれることもない。更に、エネルギー・食料自給も達成しているときたもんだ。
職業訓練の過程で思想統制が行われ、大多数の人が、「シビュラシステムは完璧」「シビュラシステムのおかげで身の安全が保障されている」と洗脳されているとはいえ、オートメーション化・国営化が進む過程において、失業・廃業に追い込まれた人たちが暴動を起こさないのだろうか?それとも既にそのような反対運動が鎮圧された後の時代を描いているのだろうか?
このように、あまりに高度(?)に発達し過ぎた社会を描いているため、ピンとこない場面があまりに多く、登場人物たちが、何に対して葛藤し、何に対して悩み、何に対して憤りを感じ、何を考えて日常生活を送っているのか分からなかった。
警察モノである以上、人間の心理描写は不可避であるが、その肝心の「心理」が分からないため、非常に勿体無いと思った。