SoulAct さんの感想・評価
2.3
物語 : 1.0
作画 : 2.5
声優 : 2.0
音楽 : 5.0
キャラ : 1.0
状態:観終わった
作中テーマ: 海のような恋
さてさて、久々にボロクソ言いたくなるアニメを見たのでがっつりレビュー書かせて頂きます。
今回、作中で感じることが出来たテーマは「海のような恋」です。
テーマがでかい。そして何か良い。すごく気持ちがいいというか、物書きを実際にしている自分には、しびれるようなテーマです。もちろん、良い意味で。こんなテーマで書いてみてぇ。
実際、このテーマについてですが、感じることが出来たんだから相当良く書けていたと思いますよ。内容は別にしても、テーマを乗せる書き方はかなり良かったと思います。
んじゃダメだったところを。
まず、レビューで悪い感想を書いている人の大半が言っていることですが、恋愛感情がぶっちゃけありえない。
「本当に恋愛したことあるんですか?」って思うぐらいおかしい。
例えば、「誰かを好きになる」ってことは、それだけ素敵なことなので、書き方も人それぞれある。それも拘りが。それを見ていてドキドキするし、たまらない気持ちになる。
“この作品って好きになる理由が抜けてやがる”
これにあたるのは、主につむぐを意識し始める女の子達の話です。特にまなかが最有力で、何言ってるのか意味わからなかった。詳しいことは、下にまとめて記述します。
なんで恋愛をテーマにしたんですが……。
別にテーマ海のような人生で良かったじゃん。漁師とかたくさん出てきたし、何よりも威勢の良さそうな男ワンサカいたんだから、そっちの方で世界観追求していけよ。って本音は思いました。漁師たち好きだったし。
ただ、方向性に関しては書いてる人よりも企画者やシリーズ構成された方が悪い気がするし、いいかな……。
“とりあえず、なぜ好きなのか”ください。本当お願いします。
好きという気持ちがわからない。とか
好きになってはいけない気持ち。とか
好きだから守りたい。とか
怒涛のように好きを理由にして、行動描写をさせていましたが、肝心な好きという感情が抜けていますからっ!
そもそも、好きって気持ちが理解できなければ気持ちを考えることなんてことありません。人に思われていると意識することで、自分はどう思っているのかを考え、その気持ちは相手と同じものなのかどうか……それがわからないのです。好きって気持ちがわからない!そんなシーンありましたが、彼女たちは、ここまで理解していて言った言葉なのか、それともそもそも考えたくなくて言った言葉なのか。それほどに、好きという事柄の説明がありませんでした。一体、彼女たちの中ではどんなことを考え、好きという言葉を連想したのでしょうか……。
この作品は、好きという価値観を見ている側が想像しないといけません。好きという気持ちに関してだけいえば、一言で好きという感情は表すことができず、色々な好きがあると思うのです。それを好きという言葉単体で表現されてしまっては、どういう好きなのか理解することが難しく、さらには理解不能に陥ることもあります。だからこそ、どんな好きを感じたのか理由や事柄がはっきりしていないと美しく見せません。
基本的には、近い描写によって心が補完されることが多いです。ただ、この作品の場合、きっかけすらなくなっていて、なぜ女の子がヤキモキするのかが序盤かなり欠如しています。その理由がわからないとその子たちの魅力が伝わりません。
自分の中では、まなかと光の関係など物語当初から一緒だった4人はこれに属しません。ある程度、感情が出来上がったものだと最初から仮定して見れるからです。
ただ、つむぐに関しては出会いからかかれているわけで必要になるのです。一言なら走り書きなんて言葉も適します。友人からの口コミがなければ、序盤で既にキブアップも同然でした。
ちなみに……
主人公たち4人では、「ちさきが主人公を好きになったのは、迷っていた幼き頃に手を引かれた瞬間」ってしっかり説明がありました。
あー本当に良かったです。
すっげー終盤だったんで、話全て終わってましたが……
不満の大半を軽く私が思うところで挙げるなら、
「まなかが呪いかけてー!(2話)」「ちさきがつむぐ好きだよぉぉ(終盤)」
じゃないですかね。
どちらも、つむぐに惹かれていく心理が全く伺えなかったので当たり前です。これを現代の言葉でいえば、なんだこいつらビッチかよ……。みたいなね。断っておきますが、つむぐは素晴らしい人間性だと思いますよ。惹かれたってなんらおかしくないほどにカッコイイと思います。もちろん、それに関わる繊細な描写もありました。例:高校制服を見たとき。囲碁をじいさんと打ってる時など。
ただ、かなめもマジ良い男です。作中では光だって良い男だとしてるわけですから、感情移入しているのも人まちまちなのです。なぜ、光でもかなめでもなく、つむぐに惹かれてしまったのかが、これでは全く説明された気がしません。
他にもいくつもあると思うけれど、ざっと思い返してもここらへんは、相当イラつきましたよ。思い返すとこれが出てくるぐらいには。
さてさて……
ボロクソ書き続けましたが、いくつか本当に良かった部分を書いておきます。
光彩の演出神かよ……。光見てるだけで涙出るわ。
まじやべぇ……岡田麿里さん本当感動させるのうますぎだわ。
くそっ音楽が目に染みやがる……。なんだこの音楽……俺は画面を見たいのに……ぐふぅぅ……(涙)
そんなことが3回ぐらいあったかな?
音楽に関しては満点をオーバーして10点ぐらいつけたいです。
本当、この人たち仕事されますよ。逆に言えば、この方々がやっていなければ、世間の評価も大きく変わっていたと思いますね。
シナリオ面について良かったところを最後に。
“みうな”と“さゆ”は本当に素晴らしい内容だったと思います。
好きになるまでの描写が凄まじいほどにかけていました。
この子達二人の思いは、本当にこの作品を引き立ててたと確信しています。自分はこの子たちがいなかったら、相当厳しかったと思います。
ココだけの話、「凪のあすから」って画像見ると大体“みうな”の画像なんですよね……。本当、偏見だったらごめんなさい。
でもね、やっぱり何も考えていなくてもわかる人にはわかるんですよ。
良いキャラ、悪いキャラって自然と感じられるんです。
それってきっと人間で、書いているのも人間だから。
ぜひ、今度は好きになる理由までも含めた描写で見てみたいものです。
ここまで読んでいただいた方、ありがとうございました。