「牙狼 -紅蓮ノ月-(TVアニメ動画)」

総合得点
54.6
感想・評価
39
棚に入れた
229
ランキング
7661
★★★★☆ 3.1 (39)
物語
3.0
作画
3.2
声優
3.2
音楽
3.2
キャラ
3.1

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ネタバレ

どらむろ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

平安時代(っぽい)舞台で変身特撮バトル。前作「炎の刻印」には及ばぬ印象

特撮が原作、前作「牙狼〈GARO〉 -炎の刻印-」に続く2作目です。全24話。
今回は平安時代(っぽい)世界観で、人の心の闇から生じる怪異「火羅」(ホラー)と戦う魔戒騎士の物語。
和テイストの変身ヒーローバトルな感じ。グロい流血シーンあり、ダークファンタジーです。
…観ている人自体が少なそうなマイナー作ですが、まぁまぁ面白いです。
前作「炎の刻印」を観ていなくても楽しめます。

{netabare}『物語』
人の心の闇から生じるバケモノ「火羅」(ホラー)を狩り人々を守りし者「魔戒騎士」の雷吼(らいこう)が、陰陽師・星明(せいめい。女性)と従者の金時(きんとき。ショタ)と共に大活躍する。
…平安時代(っぽい)けど我々の知っている平安京とは違う!
雷吼は元ネタが源頼光(みなもとのよりみつ)だったり、星明は阿部清明だったり、色々と平安時代ネタをゴチャ混ぜにした和風テイスト変身バトルです。
盗賊・袴垂(はかまだれ)や源氏物語、竹取物語などなど、平安時代関連の知識があるとより楽しめそうなネタが魅力かも。
…かと思えば火羅(ホラー)や迎門(ゲート)など微妙に英語っぽい用語が面白い。

ホラーは人の心の闇から生じるので、ドラマとしては人の弱さや業がテーマに。
怒りや憎しみ、欲望、愛でさえも…心弱き人の陰我(いんが)が火羅(ホラー)を生み、京の都を血に染める。
平安京はいかにも業が深そうな舞台設定でそれなりの悲劇展開あり。
政治にまつわる陰謀劇は意外と深くない感じ。

悲劇も多いダークファンタジーながら、前作に比べ、悲壮感というかシリアス度が大分緩和され、雷吼と金時の主従コンビや星明の掛け合いが楽しかったり、コミカルな雰囲気も多い。
浮気貴族の話は完全にギャグ…ホラーよりタチが悪いなw
お陰で平時の日常系エンタメとしては観易いのは良いのですが、心にグッと刺さるような印象的な展開はやや乏しい感も。
主人公・雷吼の葛藤がそれほど見られないのと、もうひとりの主役格・藤原保輔(ふじわらのやすすけ)も兄弟の絆と己の使命感が揺らがぬ為か、観ていて安定感はあるのですが、終盤前まではドラマチックさが足りない。
雷吼と保輔の接点が乏しいのもマイナス。
バトルはまずまずなのですが、ややアッサリしている感も。

物語の山場は星明の出生の秘密と、雷吼との絆にヒビが入ってしまい大ピンチに…
星明さんまじヒロイン。終盤の盛り上がりは文句なし。
互いの絆と信頼がとても大事…という事が切実に感じるドラマは良かったです。
…総じて「炎の刻印」より評価は落ちますが、十分面白かったです。


『作画』
桂正和先生が担当したキャラデザは炎の刻印より良いですが、同時期のアニメとしては古い感じ。
むしろ前作の方が独特な味があったような気も。
変身バトルは中々の迫力はあるのですが、ちょっとアッサリしている。
平安京モドキな世界観も面白い。

『声優』
前作でも主演級ヒロインだった朴璐美さん、今作ではいい加減なお姉さんな感じを好演。
謎の美少女・かぐや姫は大橋彩香さん。
中山麻聖さんは俳優ながら、主人公・雷吼を熱演。バトルシーンは熱いものの日常シーンはやや拙いかも。
浪川大輔さんは前作メイン主人公・レオンから本作ではサブ主人公・藤原保輔に。流石に本職ベテラン上手いです。
矢島晶子さんの苦労人ショタ良かったです。
逢葉まどかさんは前作の悲劇のヒロイン・ララに続き、今作では幼女時代星明に加え、式神の式にゃんかわいいです。
関智一さんの珍しい悪党キャラはあまり合ってなかったような。
三ツ矢雄二さんの光源氏の色っぽさは絶品。流石は乙女座(バルゴ)のシャカ。
日高のり子さんの泉式部もステキなお姉さんっぷり衰えてないです。


『音楽』
前半OP「紅蓮ノ月〜隠されし闇物語〜」後半OP「月華」など、主題歌は王道愚直に主題を歌い上げた良主題歌。
アニソンや特撮主題歌はこうでなくては!な感じ、歌詞の一字一句が主題と密接。


『キャラ』
雷吼は前作主人公のレオンに比べて人格が安定している感じ。
星明は金にだらしなかったりダメなお姉さん…な一面からの、後半明かされる悲劇的宿命は正にメインヒロイン。
金時は不老不死っぽいのですが彼が一番謎でした。
盗賊袴垂こと藤原保輔の方が主役っぽい感じ。
いずみちゃんこと和泉式部、謎の美女・赫夜(かぐや)など、女性陣が華やか。

苦労人な人格者・藤原保昌(ふじわらのやすまさ)が良きお兄ちゃんだったり、源頼信も好青年だったり、脇を固めるサブキャラに好人物多い。
権力者・藤原道長は良い感じのカリスマと悪徳政治家っぷり。

敵役の蘆屋道満が今一つ小物感が否めず、悪役としては前作のメンドーサに遠く及ばない。

サブキャラだけど橘正宗(たちばなまさむね)が面白かった。
まさに女の敵。最低な男なのだが…何故か憎めない愛嬌が。
こいつのせいでシリアスなのに一部ギャグに…。{/netabare}

投稿 : 2016/05/14
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サンキュー:

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