ヲリノコトリ さんの感想・評価
4.0
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
主人公の超高速ナレーション
【あらすじ】
当時ピカピカの大学一回生だった私の目の前にはバラ色のキャンパスライフへの扉が無数に開かれていた。原作、森見登美彦。監督、湯浅政明。
【成分表】
笑い★★★★★ ゆる☆☆☆☆☆
恋愛★☆☆☆☆ 感動★★☆☆☆
頭脳☆☆☆☆☆ 深い★★☆☆☆
【ジャンル】
コメディ、SF、大学生
【こういう人におすすめ】
「一風変わったアニメでおすすめある?」と聞かれたらまずこれ!
【あにこれ評価(おおよそ)】
86.9点。名作。
【個人的評価】
私のベストアニメ。原作ファンでもある。
『自分のお気に入り』『おすすめしたい作品』
【他なんか書きたかったこと】
{netabare}
今のところ私のベストアニメ。お気に入りのアニメの中で優劣を考えることはあまりないですが、四畳半神話大系が自分の中で一位だということだけは言えます。とにかく主人公の超高速ナレーションが面白すぎて笑い死ぬ。
↓作中ナレーション書き起こし(第一話中盤)
{netabare} 小津と知り合ってからの私は安井金毘羅宮も斯くやとサークル内に張り巡らされた赤い糸を切って切って切りまくった。こうした工作活動にかけて小津は天才的であり、凡そ破廉恥な噂ならば知らぬことはないという独自の情報網を駆使して私が油を撒く傍から火をつけて回り、あることないこと吹聴して常にサークル内のどこかで修羅場の炎が燃え盛るという彼好みの環境を作り上げた。正に悪の権化に相応しいホモサピエンスの面汚しである。サークルを追われた後も私たちの活動は緩むことなくさらにグローバルに展開され、死神の出で立ちをした黒いキューピッドとしてその悪名を轟かせた。東に恋する乙女がいればあんな変態やめろと言い、西に片思いに悩む男がいれば無駄なことはやめておけと助言する。南で恋の炎が散りかけていればすぐさま水をかけてやり、北では常に恋愛不要論を説いた。時に被害者に危うく琵琶湖疏水に沈められそうになり、下宿を包囲され北白川の漫画喫茶で息を殺し、直截にものを言い過ぎて近衛通の路上で泣かれたりした。しかし私は負けなかった。負けることができなかった。しかし負けていた方が私もみんなも幸せになれたに違いない!小津は幸せにならなくてもよい! {/netabare}
このナレーションは第一話中盤の1分間に出てくるものを書き起こしてみました。めっちゃ大変でした。しかしこのセリフが特別長いわけでもなく、こういうナレーションが随所に見られます。というかむしろこういうナレーションが流れている合間に時々登場人物が喋る感じのアニメです。第十話に関してはほぼナレーションしかありません。それが好きかどうかは人によりますが、私は超絶好きです。
こういうナレーションは原作の地の文からのもので、原作小説の良さを引き出しています。さらに原作にないストーリーも原作の雰囲気を完璧に受け継いでおり、森見登美彦ファンであるはずの私が一番好きな第三話「サイクリング同好会ソレイユ」はアニメオリジナルストーリーです。
ストーリーに関しては{netabare} 「最高!」というほど評価しているわけではありません。最後に恋が実っても実らなくても、平行世界についてもっと作り込まれていてもいなくても、かわらずこの作品が好きだったと思います。テーマとしては第九話の河原で樋口師匠が主人公に語っていたものがすべてだと思います。このやり取りは超かっこいいです {/netabare}。
↓作中台詞書き起こし(第九話 樋口)
{netabare} 「自分の他の可能性という当てにならないものに望みを託すことが諸悪の根源だ。今ここにいる君以外他の何者にもなれない自分を認めなくてはいけない。君が有意義な学生生活を満喫できるわけがない。私が保証するからどっしり構えておれ」 {/netabare}
{/netabare}