アトランティス さんの感想・評価
4.4
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
たまごはみんなの心のなかにいる
この作品を見た経緯は
映画、行きたかったんだけど結局行けず
後に小説が出たのを知り、買って読んで
それからこれを観たがっていた友人をGWに家に招いて
やっと映像として鑑賞できた、というふうになります。
小説では小説の、映像では映像の、
良い部分が見れました。
ストーリーは
自分のおしゃべりが原因で家族がバラバラになってしまった成瀬順。
悲しみにくれる彼女の前に、突如紳士な格好をしたたまごが現れ一言
「きみはおしゃべりさんだねぇ。これからそのおしゃべりが君を将来苦しめることになる。そんなおしゃべりなお口にはチャックだ」
そうして喋らない成瀬がうまれたのでした。
みたいな感じです。
映画は2時間あるのですが
内容は青春ドラマのような、他人との関係(恋)、自分との葛藤、一つの目標に向かって頑張るクラスメイト、仲の悪い親子といった要素がメインです。
心理描写が主なので、僕は地の文の小説の方が味わいやすくて
いいなぁと思っていたのですが、ここはさすがあの花のスタッフと豪華声優陣さん、
映像で見る登場人物の表情の変化がよく描かれていました。
演出では成瀬は主人公と会話する時に
デュラララのセルティみたいに
携帯を介して会話するのですが
それが画面上に背景に重なるように
LINEみたいな感じで映される所が
ちょっといいなと思いました。
(僕の説明が悪いので、すみません、
本編見ていただけたらお分かりになると思います。)
成瀬はしゃべるとお腹いたくなってしまうので
そこらへんの難しい表現は水瀬さんが上手く演じておれらてます(^_^;
それと、この作品の核となる
「歌だと気持ちが伝えられる」
について。
主人公が何気なく言ったことが
物語の動き出すきっかけとなるのですが
この「歌」というものの力を、この作品では伝えたかったのだと思います。
普段面と向かっていうのは恥ずかしいことでも
歌でだったらまだ簡単に伝えられるかもしれない
確かに、そうですよね。
好きという気持ちや、ありがとうという気持ち、
悲しい気持ち、確かに歌だったら僕もあの人やこんな人に。。
気持ちを伝えることができますね。
……それも気持ちを込めて。
アニソンだろうがJ-POPだろうが洋楽だろうが(英語聞き取れないかも?w)
それぞれの歌には何であれ、伝えたい気持ちがこもっている。
歌って、人間以外も人と違う形で持っているかもしれないと思うのですが
人間の作り出した最高の意志伝達手段だなぁって思いますね。
この作品ではそれが
「ミュージカル」
という形になったのですが、
有名クラシック曲も参考にしながら曲を作っているので
割とあなどれない仕上がりです。
ここらへんの歌が伝える感情云々の話は
ミュージカル後半で順のお母さんが見せたあの涙が
物語っていると思います。
(実は僕成瀬のお母さんに一番注目というか移入してましたw)
歌という手段で自分の心の「殻」を打ち破った作品
そんな素敵な作品でした。