えたんだーる さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
「あるべき未来」の予想
アニメ視聴時に原作も既読。原作は『アフタヌーン』連載の同タイトルのマンガで、連載当時の『アフタヌーン』を読んでいたはず。本作はちゃんと科学考証とかもしているSF作品です。
原作とアニメで設定は一緒ですが、ストーリーやテーマには微妙なズレがあるような気がします(そのせいで終盤のストーリー進行が若干違う)。
時代設定は忘れましたが2070年代後半くらいの近未来、まだ21世紀中の話だったと記憶しています。
そろそろ現実にも問題になり始めていますが、過去に打ち上げた人工衛星や宇宙船が寿命を迎えて地球の衛星軌道を回るゴミ(スペースデブリ)になっていて、主人公ハチマキやヒロイン(?)のタナベ(ハチマキの後輩の新入社員)はそのゴミを回収して安全を保つ「デブリ屋」という職業です。
基本的な登場人物はデブリ回収業をしている会社の同僚やハチマキの家族といったところです。
スペースコロニー的なものはありませんが、月面には既に都市ができていて人間が生活しているような世界。デブリ回収屋も普段は宇宙に常駐しています。
デブリ回収の場面を始めとして、SF的な科学考証はかなり正しいと思います。宇宙空間では通信以外無音だったりしますし。
フィーが宇宙ステーション内でタバコを吸う場面は必見です。換気ができない宇宙ステーション内で、タバコがいかに迷惑なものかが描かれます。
そんな世界で人間の生活は現在といかに変わるのか、あるいは変わらないのか。簡単に言ってしまえばそういうお話ですね。
ただ、「そういう世の中」なりの社会問題も取り上げられたりしていまして、その辺りが引っかかりなく観られるかどうかが本作視聴の分かれ目のような気もします。
ただ、もちろん作中でも「何もかもうまくいく」という具合にはなりませんが、本作には「こういう未来だったら良いな」的な希望が感じられます。
2016.07.01: フィーの喫煙についての追記と、「お気に入り」に昇格させることにしました。