Tnguc さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
その札は、君がくれた情熱。 今も昔も変わらない、たった31音の恋物語。
~
食傷気味であるスポーツ漫画界に投げられた変化球の一つ。
題材は『競技カルタ(百人一首)』。
本作ではカルタという競技が実に奥深いことを教えてくれる。
反射神経と記憶力、さらには聴力や体力が必要となり、文化的な競技ながらも
その過激性は他のスポーツに引けをとらず、訓練は汗と涙の連続である。
猛練習と試行錯誤が実を結び勝利を掴む主人公達の姿は
「継続は力なり」のメッセージ性を帯びていて、とてもキラキラしている。
ただ、前回の試合で得た経験は何故か消え失せ、同じ教訓を反復しているだけの様に見える。
とくに主人公は成長の痕跡があまり感じられない。(強いけど。)
スポーツ漫画は同じ試合を何回もする為、いかに工夫するかが腕の魅せ所だと思うが、
本作はそれに対しての味付けが少し足りない気がした。
競技カルタには全国大会へと繋がるインターハイのような大会がないらしく、
各地で行われる大会に参加するだけで、その大会で負けても「次の大会では勝つ!」くらいの熱意しか感じられず、
青春にかける執念が他スポーツ漫画と比べると浅い。
これは題材そのものの限界だと思う。
あくまで部活に対する青春に重点を置いていて、少女漫画が原作の割には恋模様は意外にも薄い。
むしろ、スポーツ成分が高めなので男子が観ても十分に楽しめる万人向けの作品だと思う。
題材は変化球ながらも、その伝わってくる青春と情熱はストレートど真ん中で、
まさしく王道スポーツ漫画そのものだった。
物語:★★★★☆ (主人公の勢いが物語にも反映されていて引き込まれる。あと小学生編の導入が上手い。)
作画:★★★★☆ (当たり前だけど少女漫画感があって可愛い。)
声優:★★★☆☆ (違和感なし。)
音楽:★★★☆☆ (SEや劇伴が少々大げさ。月9ドラマみたい。)
人物:★★★☆☆ (脇役部員のキャラデザがデフォルメレベルで可哀想。明らかに引き立て役。)
総合評価:★★★★☆(4点)