craftbeer さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
5つの物語
5つの物語をまとめているため、バラシてコメントを書こうと思います。
全体的にキャラ設定の追加、もしくは再構築がされたという印象が全編を通じてあります。
猫物語(白)
羽川翼とブラック羽川のダブルキャストと言える作品です。
2学期初日の朝に大きな虎の怪異に遭遇し物語が始まります。一期最後の物語と対になるタイトルになっており、(白)が如何様の解釈もつけられる含みを持っています。
戦場ヶ原や阿良々木姉妹との交流や新たな伏線など、良いバトンを次に渡す役割を果たしただけでなく、羽川のキャラを再構築した意味でも大きいと思います。
傾物語
八九寺真宵に関する話ですが、本編の主役は暦と忍です。
タイムトラベルというこれまでと少し変わった物語の展開になるので毛色が変わって面白いです。
スピンオフの要素を持ちつつ、タイムパラドックスによって運命が大きく変わった世界で見つけた真実や、気持ちなどの内面の要素を明確にしておりいい作品です。
因みに、時系列では猫物語(白)の前日にあたります。
囮物語
千石撫子が主役の回です。
今後の物語の展開に期待を持たせるキーマンであり、千石というキャラが再構築というよりバージョンアップした作品です。
一言でいえばヤバいやつになりました。
時系列では10月31日からの話なので時期が大きく飛ぶが、展開が面白いので気にならないと思います。
鬼物語
前半は忍野忍で後半は八九寺が主役の回です。
暦と八九寺が「くらやみ」に追われるという謎の現象について、過去に同じ経験をし、出た経緯と同時に妖刀「心渡」を持つに至るまでについて忍が語る前半と、「くらやみ」が出る原因について語られる後半という流れです。
忍の過去と八九寺の未来という真逆の時間軸が「くらやみ」の出現で浮彫りになります。
時系列では2学期初日からの2日間ほどの話です。猫物語(白)と同時進行で進んでいた話なので、内容的にこっちを囮物語より先に観てもいいと思います。
恋物語
戦場ヶ原と貝木という因縁が絡むミスマッチな二人が主役です。
千石撫子に対して戦場ヶ原が貝木にあるミッションを依頼するという、二人の関係性を知っていればあり得ない話だが、囮物語を観た後でこれを観れば仕方ないことだとわかります。
貝木のキャラ設定は面白くて好きです。千石はより危うさを増し、戦場ヶ原は強いて言えば普通の女性に近づいたと言えるかも知れません。
時系列では元日からの一か月ほどの話で、また時期が飛んでいます。
主役が異なる物語の中で、新たな事実や怪異によって主役になったキャラの印象が変わって見えるようになった、というのが簡単な印象です。
また忍野扇や臥煙伊豆湖といった、これから話をややこしくしてくれそうなキャラも出てきており、話がより面白くなると思います。