oneandonly さんの感想・評価
4.2
物語 : 3.5
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
TV版の完成度の高さを再認識することに
世界観:7
ストーリー:6
リアリティ:7
キャラクター:8
情感:7
合計:35
――くやしくって死にそう。
黄前久美子は中学3年の吹奏楽コンクールで見た高坂麗奈の涙を忘れられないままでいた。
高校に進学した久美子は加藤葉月、川島緑輝に誘われて吹奏楽部に入部するが、
肝心な吹奏楽部の演奏はお世辞にも上手とは言えなくて……。
しかし、吹奏楽部に新しい顧問・滝昇がやって来たことによって状況は一変する。
滝のスパルタ指導に反発しつつも、少しずつ上手くなっていく様子に自信を持つ部員たち。
久美子も少しずつではあるが、麗奈との距離を縮めていった。
サンライズフェスティバル、コンクールメンバーを決めるオーディション……。
数々の試練を乗り越えた吹奏楽部は吹奏楽コンクール京都府大会に臨む――。
(公式サイトより)
GW後半に、ようやく劇場に足を運ぶことができました。アニメは2014年12月から本格的に視聴するようになり、本作のTV版は、あにこれ評価においてまどか☆マギカに次ぐ5.0を付けた作品であり、劇場でのアニメ映画鑑賞にちょうど良い機会と思っていました。
事前に他のレビュアーの方々のコメントも見ていたので、構成は概ね予想通り。脇役のシーンが沢山カットされてしまったのは、どうしても物語の厚みに影響してしまいますね。{netabare}ポニテ先輩のオーディション後のエピソードが切られたのは痛いですし、学業との両立が難しいことを伝える葵先輩も必要です。2時間弱の尺しかなく、麗奈との関係を重視するならこれで仕方がないのもわかりますが。{/netabare}
ちょっと駆け足すぎて、映画で初めてこの作品に触れる方は序盤のスピードについてこれるか不安もありました。{netabare}サファイアちゃんが(もはやこの人の名前の説明も入れずミドリで通したのか?)吹部の練習を見学に行く提案をした直後に音楽室前でのあすか先輩のアップシーンになったり、滝先生が「私の時間を無駄にしないでいただきたい」って言うシーンが早すぎだったり、葉月が振られるのが更にあっという間になったり(あがた祭りに誘うまでの伏線が楽器を持ってもらった1箇所だけしかない)。{/netabare}
一方、ライディーンや三日月の舞の演奏部分が長くなったり、第2期に活躍するらしい鎧塚みぞれが喋るシーンが入ったり、優子の言動が丁寧な描写になっていたり、プラスアルファもありました。三日月の舞はカットなしになったと勘違いをしていて、梓が待機しているシーン(「立華移動しまーす。」)が入った時は残念でしたが、少しでも演奏シーンが長くなり、部員の演奏カットが増えたところは楽しませてもらいました。オーディション対決や演奏時の音響は流石映画館!と思えました。
それから、台詞が全体的に撮り直されています。TV版は何周かしているので、色々な所で気付きましたが、久美子の台詞の印象が特に変わっています。{netabare}特に、大吉山を登るところでの麗奈との会話と、プロヴァンスの風(課題曲)演奏中のモノローグ。TV版に慣れてしまったからかもしれませんが、ちょっと力が入りすぎに聞こえました。うまくなりたいの所は良かったです。{/netabare}
TV版視聴者はカットされたシーンも補いながら見られますが、1クールでの完成度が非常に高い作品なだけに削ってしまった所をもったいないと思うことが多かったです。おすすめはTV版からですね。
(2016.5劇場にて鑑賞)