前原由羽 さんの感想・評価
3.8
物語 : 2.0
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 3.0
状態:観終わった
方向性を見失ったプリパラ
同じキャラクターが3年も続いてるにも関わらず、全くマンネリ感を感じないというより、ますますギャグに磨きがかかっているような...
えぇ、なにせ今作は神アイドルが誕生するわけで、おそらくらぁらシリーズの最終章の可能性が高いですから相当なストーリー展開が来るのではと感じております。
まず、主人公一味が成長していない...春休みだとかこじつけようと思ったらあじみ先生の授業が始まってたんだけど。
次に、空から赤ちゃんが降ってくる...その中身があじみ先生の分身だと思うと嫌な予感しかしない。
さらに、やけにのんちゃんの登場が多い...「今年」から放送委員も始めたそうだけど、何で「今更」??
という疑問が既に5話くらいで登場しており、なかなかのギャグテイストだと思われます。何らかの力(?)が働いてシステムエラーが起こり、みんなもろともパラレルワールドに飛ばされて、1歳若返ったとでも考察しておきましょう(絶対違うと思う;^^)
しかし、それらはあくまでも飾りで、本題は間違いなくTriangleとのんちゃんの繋がりでしょうね。前評判からほぼのんちゃんがTriangleの3人になりきっているだろうと推測されますが、それが何を意味するのか。プリパラはバーチャルリアリティの世界であると同時になりたい自分・世界になれる理想実現の場所であることはプリパラを2年見続けていれば、なんとな~くはイメージできるのですが、自分単位そこに突っ込んだ話はまだ出てないです。
のんちゃんが託した3人のキャラクターがのんちゃんのどんな光と闇を語ってくれるのか、らぁらお姉ちゃんを超えるという思いの先のサイドストーリーには何が待ち受けているのか、予想するだけでドキワクします!!
...と思ったのですが、そこら辺の話は6月くらいで完結、そして主題はジュルルの方に移っていくのであった。。。そして、今作は色々と方向性を見失ったのかなと思った次第でした。
まず、今作は事実上の新キャラが登場しない(少なくとも6月時点で)という珍しい現象が起こりました。プリパラはこれまでに登場させたキャラを大事にするという流れだったので、先進的なモデルを構築したのかと思いました。が、9月くらいにふわっと新キャラが登場。名前がペーパーに似ているがために1年後の誕生日にBDグッズの販売があわや発売されないという事態に(>_<)
そして、第1話で登場したゲストキャラちりちゃんがまさかの9月デビュー
、これはむしろ4期に登場させる伏線キャラと思ってたのに...
次に、ストーリー設定。3ヶ月かけてTriangleを発表したのにあっさりと退散。ジュリィ、ジャニスの対立も、ジャニスが仲間を集めれなかった上に悪になりきれず、ある事実を知ってあっさり味方側にまわるという何ともドキワク感のないクライマックス。楽曲やBGMなどが秀逸で、これまでの蓄積があったのにも関わらず何とも世界観になじめなかった感はあったのかと思いました。あと、サパンナ設定はどこに行ったんだろう...
一応、主テーマとして...
・ジュルルが1話から登場していることかららぁらが親として、ジュルルの成長を見守るという母親的側面
・しっかり者ののんとジャニス(妹)がざっくばらんに行動してるらぁらとジュリィ(姉)に1年を通して乗り越えることができなかったことから、人生経験やパイオニアにはそうそう簡単には乗り越えれるものではないという、いわゆる井の中の蛙的イメージ
と感じられました☆
ジュリィ・ジャニスで登場する自由主義と法治主義の対立に関しては、ジャニス側があまり深く踏み込めなかったので、あくまでサブテーマに過ぎないと思いました。
正直、2期を意識したのか、深いところに突っ込まない感じが凄くしました。最初に書いた、のんちゃんの3人キャラ設定も、何でこんなにキャラが出来てしまったのか?そこまでしてやりたかったのことは何?とかで話を進めれましたし、ジャニスに至っては、法に基づいた厳格なシステムを理想とした世界の顛末を示すことで、サパンナをもっと意識付けさせることができたのに...
実は、プリパラのアプリゲームのプリパズではパラレルストーリーとしてジャニスが完全に悪役のストーリー「プリンジャーズ」がありますが、ジャニスが法治システムを行使した結果、平和なのに何か物足りない世界、不気味に秩序立っていて記憶も神によって操作されている世界。そんな世界はどうなの?というような感じになってます。(製作者の本音はジャニスをもっと悪役に仕立て上げたかったんだね...)
ということで、今作はどっちつかずの方向性で、あまり深みのないシーズンだったなと思いました☆プリパラ自体は続いてくれてて嬉しいけど、作品としては1期の輝きや2期の製作者の本気をあまりうまく受け継いでいないと感じた次第です。