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退会済のユーザー さんの感想・評価
4.8
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
ARIA。それは理想郷への小旅行 奇跡探しに出かけませんか?
この作品に出会ったのは、毎日が忙しくかった頃です。
音楽が素晴らしいという噂を聞いて視聴しました。
この作品は今を全力で走っている方には好まれないかもしれません
ちょっと一休みしたいなって
そんな気分の時に視聴されると、この癒しオーラの恩恵にあずかれます
・音楽
BGMのクォリティーは他のアニメとは比較しようがありません
TV番組でも何度も使用されています。
OP曲ED曲挿入歌、いずれもこの作品の異世界情緒にマッチしていて
曲を単体で聞いても素晴らしい名曲揃いです。
クライマックスシーンで流れる挿入歌『シンフォニー』はアニメソングの
枠組では評価できない傑作です。OP曲と同じ牧野由依さんが歌うこの曲は
作品の品質を確実に高めています。
アテナの歌唱シーンを担当された河合英里さんも素晴らしかったです。
3期後に亡くなられたことは本当に残念でしかたありません。
心よりご冥福をお祈りいたします
OPと同じ牧野由依さんが歌うその歌は、
本作の品質を確実に数段高めています。
・美術
背景画や人物画は美しい音楽との相乗効果により
画面がら優しい光が溢れ出ているように感じます。
全体に柔らかな画でふんわりとした作品世界を表現していますが
水にCGを使用することで、水の表現はとくに美しく
この物語が水に関わるストーリーだと、しっかり強調されています
海は母性の象徴ですし、水面は精神状態、川の流れは時間
水にこめられたメッセージを考えるとARIAとは
非常に哲学的なアニメな一面もあるのではないでしょうか?
しかし、人物作画は多少線に乱れがあるときもあります
デザインも最新とは言えませんが、新しくもなく、完璧でもないからこそ
作品テーマにあっているとも受け取れます。
背景画も現在の作品と比較した場合少し劣る印象をうけるかもしれませが
淡い色彩でファンタジー色も強く、雰囲気は最高です。
・ストーリー設定
舞台は惑星地球化された火星、アクア。
ネオヴェネツィアという街で水路をゴンドラで案内する
少女たちのストーリーです。文明開化から離れて自然回帰した
アクアに住む人々はすべて、やさしく温かい人ばかり
のんびりとした時間に少女は実感します。
「この街は奇跡で出来ているんだよね」
日々の小さな幸せだけを追いかける物語であったなら
ARIAはこれほどに評価されてはいません。
・ストーリーの見せ場
11話:先輩ウンディーネたちの昔話、半人前だった彼女たちは
毎日一緒に練習をし、友情を深めましたが一人前になってみると
一緒に会う時間がなかなかつくれない。
けれど彼女たちは「昔は楽しかった」ではなく『あの頃も楽しかった』
と懐かしみます。時間の流れは残酷ですが
考え方次第で楽しい時間は永続するのだと、伝えてくれます
12話:水の都としてネオヴェネツィアができる過去に
主人公がタイムスリップします
今の美しい水の都を作り上げる為に過去、どんな苦労があったのか
初めて水路に水が通り、喜ぶ人々の姿は
美しい街の現在を知るからこそ、深い感動がありました。
・キャラクター
あまり萌えに流されすぎていないのがよい。
純粋な灯里、優しく支えるアリシアさん
しっかりしつつも幼さを残すアリス。
姫屋の藍華、晃さんは作中の女性で唯一ストレートなもの言いをする
人間味があって、人間関係にスパイスを与えていました。
・さいごに
惜しむところが作画しかないという高い完成度で
観るもの全てにやさしい感動を届けてくれる名作です。
美しい景色を眺めながら、小さな幸せ探しにでかけませんか?
さあ、お手をどうぞ。