Ka-ZZ(★) さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
心の衡(くびき)解き放ち、強き翼 いま星の海に羽撃く・・・
銀河英雄伝説の視聴にあたって
(視聴とレビューの方針を1作目の「螺旋迷宮」に代表して記載しています)
https://www.anikore.jp/review/1475830/
【銀河英雄伝説の時系列】
(1) 「螺旋迷宮」
(2) 「白銀の谷」
⇒(3) 「叛乱者」(宇宙暦791年/帝国暦482年8月〜)
(4) 「決闘者」(宇宙暦792年/帝国暦483年1月〜)
(5) 「黄金の翼」
(6) 「奪還者」(宇宙暦792年/帝国暦483年12月〜)
(7) 「朝の夢、夜の歌」
(8) 「千億の星、千億の光」
(9) 「第三次ティアマト会戦」
(10)「わが征くは星の大海」
(11)「汚名」
本編 第1話「永遠の夜の中で」
※ 「新たなる戦いの序曲」
この「叛乱者」は、「白銀の谷」に続きラインハルトの物語が描かれています。
「白銀の谷」では配属先で戦果を上げ中尉に昇進したラインハルトは、念願の宇宙艦隊勤務である駆逐艦ハーメルンIIの航海長の任を拝命することになります。
もちろん、キルヒアイスも同艦の保安主任として赴任します。
この2人・・・同じ誓いを共有する間柄ですが、強い信頼関係で結ばれている事を強く感じさせてくれます。
こういう関係って、今の私には存在しないので二人が羨ましくて仕方ありません。
宇宙艦隊勤務は地上とは異なり、たった一つのミスや判断の遅れで仲間の命が一瞬で失われてしまう・・・とても過酷な職場です。
だから皆んなが重視するのは、戦闘時において艦と仲間を守る純粋な戦力のみ・・・
そこにポット出の貴族出身の青二才が航海長を務めるなんて・・・通常は有り得ない事です。
しかも平民と貴族では出席のスピードがまるで違う・・・これまで何年も下積み生活を強いられた平民出の軍人にとって、ラインハルトの処遇には面白くなかった事でしょう・・・
その気持ちは分かります・・・何故なら貴族も平民も人間である事に変わりはないのですから・・・
でも人間が勝手に作り上げた枠に縛られるのも・・・また人間なんですよね^^;
「平民出の軍人に「死ね」と命じられるのは貴族出指揮官様の特権だ・・・
だけど、俺たち平民出の軍人だって死ななくても良いところでは死にたくないんだよ・・・」
ごく自然で当たり前の事だと思います・・・でも、こんな台詞が聞こてくるという事は、死と隣り合わせの戦闘の連続で身も心も疲弊しきっているから・・・
そんな痛みを掬い上げるのが上官の役目だと思うのですが、あまりにも長く続きすぎた戦争が、人々の心をどんどん歪ませていっているのだと思います。
軍人として一番大切な事・・・それは数多くの武勲を上げる事でも、たくさんの敵を殺戮する事でもなく「生きて帰る事」だと思います。
もし、これが戦国時代の世の中だったら、思想はまるで違うと思います。
でも今は戦国時代でも無ければ、切腹して罪を償える訳でもありません。
駆逐艦ハーメルンIIの乗組員は、「いい奴」が多かったと思います。でも、人間が勝手に作り上げた階級に固執した人もゼロではありませんでした。
この様な状況の中でラインハルトとキルヒアイスの取った行動は・・・?
二人にとって、これまでくぐり抜けてきたどの死線より厳しかったのではないでしょうか。
OVA全4話の物語でした。もう現時点で作画の古さは全く気になりません。
それより早く次が見たくてウズウズしています^^;
今度は、「決闘者」を視聴したいと思います。