蒼い✨️ さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
仏日親善?
アニメーション制作:サテライト
2011年7月3日 - 9月18日に放映された全12話+未放映1話のTVアニメ。
原作は、武田日向による漫画です。
19世紀後半、単身フランスに渡った長崎出身の日本人少女・湯音(ゆね)が、
パリの下町の看板細工店に住み込みで奉公する、
そして異国の地でパリの人々と触れ合うという、
異文化コミュニケーションアニメ?
きんいろモザイク(イギリス→日本) の逆バージョン(日本→フランス)だと思ってみたり。
きんモザとの共通点として一人で異国に来た少女がちっちゃくて可愛いということでしたり。
作中では鎖国が解かれて外国人が日本に自由に出入りしている様子からして、
明治時代の1900年(明治33年)までの、いずれかの年代ですね。
主な登場人物のふたり。
【湯音(ゆね)】
外見的にロリが、かなり入った大和撫子主人公。
純粋で真っ直な性格。芯の強い一生懸命な頑張り屋さん。
演じる東山奈央の声がとても愛らしく、
甲斐甲斐しさで全身全霊で可愛さをアピールしてるキャラですね。
でも、あまりにも純粋培養キャラ過ぎて、
没個性で人間的な面白みに欠けるかな?と思ってみたり。
【クロード】
湯音(ゆね)のご主人様である青年。看板店の店主。
この作品のストーリーはむしろ、この人が主役なのでしょうか?
湯音が真っ直ぐ過ぎる分、悩んだり怒ったりする人間らしい人間という描写ですかも。
でも、心に抱えてるものがあるぶん口調がきつくなることが多くて、
この人の声を聞いててイライラすることがしょっちゅうだったです。
決して悪い人ではないのですが。
だいたいがこの2人を中心にした展開。
・フランスと日本の習慣や食生活の違い。
・2人の心の行き違いが生じてクロードが折れる。
・湯音の純粋さに周りが感化される。
要点を述べるとこんな感じですね。
シリーズ構成に佐藤順一を迎えて、ほのぼの&癒し系を狙った作品なのかもしれませんが、
クロードが毎回イライラして怒鳴っているのが気になって癒やされなかったり。
登場人物の過去話もどんよりとした空気だらけで私の感覚では微妙に思える展開が多かったです。
日本大好きフランス人令嬢アリスが登場して、
女の子同士・湯音とじゃれあったりしてる分にはそこそこ楽しめたのですが、
クロードの曇り顔から始まって、それが解決するまでの話が多かったような。
この作品で描きたかったのはそっちなのでしょうが、単に観ていて面白い話でもなかったですね。
キレイ事や理想だけでなく人間の心の不安と影のドラマを描こうとした意欲は感じられますが、
この作品ならではの特徴が登場人物から感じられず、ただ優等生的な個性がない話があっただけ。
感性の問題なのでしょうが、私にはただそれだけの平凡な作品でした。
第5話 「迷子 “Perdus”」
は生きるために過ちを繰り返してしまう子供のお話で、
見応えがありましたけどね。
あと、TV未放映の第4.5話 「音楽会 “Récital”」
これは別格ですね。
脚本・絵コンテ/佐藤順一 ゲスト出演・EDテーマ/中島愛
なんとまあ、私好みでしょうか。
東山奈央の挿入歌いくつかと、この回専用EDテーマで中島愛による「遠く君へ」
歌の力は偉大といいますか、無条件で涙を流せるエピソードでした。
一応、この作品の良いところを褒めておくと、
湯音とアリスら女の子たちがお人形さんみたいに可愛らしかったですし、
パリの街並の作画も充分に美しかったですね。
ただ気になったのが、この作品のセールスポイントである湯音の着物デザイン。
確かに綺麗なのですが、多くが振り袖みたいに鮮やか過ぎて仕事着には適さないのではないか?
という疑問が頭から離れなかったり。
こんなこと考えちゃう私が無粋なだけかもしれませんが。
これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。