TOFUrabbit さんの感想・評価
4.4
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
SFの限界点が初回でソッコー無視される強さ
作画(古いアニメの作画)や音楽(個人的には?)は好みが分かれるような感じだし、声優については可も不可も感じなかったので4です。
この作品で見るべきはストーリー作り。細かい整合性がどうとかじゃなくて見せ方や扱ってる題材がすごい
「『人は作られた世界を受け入れられない。』この命題をSF作品は良くテーマにして描いている。」というのは社会学者宮台真司が自らが好きなSF作品を評しながらどっかで語っていた言葉だが。
このでっかな命題をこの作品はあっさりと初回で切り抜ける。
皆が幸せに住んでいた田舎町は実は作られた人口要塞で、今日まで大人たちに「社会ぐるみで」騙されていただけで、そもそも自分の両親たちも、本当の両親ではなく、自分たちはただの人工授精で作られた人間兵器だったのだetc,,,,,,
と、子供たちはある日突然に「作られた世界」を知っていくことになるのだけど、子供たちの葛藤はあまり描かれず、「まぁ大人たちも悪気があったわけじゃないし、敵もいるし、仕方ないよねー」とリアルに素直に受け入れていく。すげぇ。宮台真司涙目ww
さらに敵に仲間を殺されながら、敵は本当に敵なんだろうか、と迷いだしたりして。もうなんかワカンナイ。けど思想的とも言えるんだろう
このリアリティがEXODUS二期まで続いてるのかもしれないけど(それがEXODUS二期のつまらなさにもなったと思うけど)、とりあえず今までの他のSFアニメとは一線を画したと評価されていい部分だと思う。「僕は父親と和解できないよぉぉおっ!」って世界を壊したシンジ君とか魔法少女じゃなくて神さまになっちゃった話とかまぁ、他のSF系アニメとは違う部分を狙ってますよってのが好印象
最後まで見た上で、このクールの弱い敵を必死で倒してた頃を見返すと、とりあえずゴーバインで何度でも泣ける