どらむろ さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
架空の障害物競技で美少年たちの王道爽やかな青春劇。竜頭蛇尾な感は残念だが、見所は十分
駅伝+障害物競走みたいな架空競技「ストライド」に情熱を燃やす男子高校生たちを描いた青春スポコン全12話です。
女性向けな作風ながらBL要素や逆ハーレム・恋愛要素はほぼ皆無、王道な青春劇です。
…後半失速する感はありますが、好感の持てる作品でした。
{netabare}『物語』
「ストライド」という架空競技が流行っている世界観が面白い。
1チーム走者5人+1人のリレーショナーというオペレーターが指示を出して、駅伝めいてリレーしていく。
街中が障害物になっており、スタイリッシュな疾走感が魅力か。
廃部寸前の部を立て直したり、架空競技、街ぐるみで熱狂、主人公の兄がライバル等々、ガルパンの系譜でしょうか。
同時期の架空競技スポコン「蒼の彼方のフォーリズム」と比較して、競技の仕組みや醍醐味が分かり易いのは有利。
要は障害物競走でリレーする競技なんですが、タッチのタイミングにリレーショナーの指示が大事な辺りの戦略性も含め、単純に競技として面白味感じました。
障害物をスタイリッシュに超えていく疾走感、街の風景が風に流れていく躍動感、走者同士のライバル関係や友情も清々しい。
青春劇としては、部員各々のストライドにかける想い、優秀な兄へのコンプレックスや、能力へのコンプレックスを乗り越えていく王道なドラマが中々。
将棋部で本来は運動得意ではなく才能の壁に葛藤する門脇のエピソードが良かった。
たとえスタメンでなくても、チームとしての想いは同じ…リレーで繫げる想いというテーマに合致している。
ストライドの練習や、ライバルとの試合を通じて深まる絆や情熱も良かった。
日常風景での男子同士の仲の良い雰囲気も、BLに傾かずに愉快で楽しい感じなのも親しみ易い。
…以下、残念だったところを。
敵チームがリレーショナーのヒロイン・奈々ちゃんへの精神攻撃したり(戦術として妥当とはいえ)、走者も言動がやや紳士的でなかったり、些か印象良くない。
準決勝が山場、ラストの決勝戦がイマイチ盛り上がらず。
ストライドの疾走感も(BGM含めた演出面で)マンネリ気味、序盤ほどの熱さが薄らいだ感も。
総じて、序盤~中盤が山場で、最終的にはやや惜しい感じでした。意地悪く言うと竜頭蛇尾。
物語評価は3点か2.5点か迷うのですが…
主人公サイドの王道な青春劇は非常に良い点、ストライドの疾走感は分かり易く十分楽しめる点を好意的に評価。
『作画』
キャラデザもストライドの描写も綺麗でスタイリッシュ。
ストライドの疾走感、魅力は存分に出ていたのでは。
『声優』
流石に男性声優陣がライバルチーム含め豪華。
木村良平さんの明るいキャラ、 岡本信彦さんの真面目系、小野賢章さんのかわいい系など。
下野紘さんのひょうきんな感じからの葛藤も好演でした。
紅一点なヒロイン・桜井奈々を花澤香菜さんが。素直で奥ゆかしい感じ地味ながら流石花澤さん。
でも、些か花澤さんの無駄遣いな感も…。
『音楽』
OP「STRIDER'S HIGH」がスタイリッシュ!だけどやたら空耳が!
走れそぉい アナゴを売れ ラーメン吐いて ダブりまっしょー 息の絶えるポテト
有害ゾンビーズ イナゴ釣れた 今を駆ける太郎
カナダ「えっと…」 飛べるワンちゃん 灰に尽きるポテト
(終わらねーのかよ!)
(そしてラスト…)
そんな~人参30円~♪
……ほぼ歌の全編に渡り空耳だらけ!本当にそう聴こえる…
「最弱無敗のバハムート」OPも空耳多かったけれどコレには敵わない。
「K1期」OP以来の空耳ソングであった。
スタイリッシュで雰囲気バッチリだし(ネタ的な意味で)楽しめましたけど。
…まあ主題歌は良いとして。
ストライドのBGMが一本調子でやや盛り上がりに欠けた面も。
前半はあまり気にならなかったので、好意的に評価。
『キャラ』
主人公サイドのポテンシャルは高いです。
明るく素直な主人公の八神陸はチームの中心。
藤原尊(ふじわら・たける)は真面目ストイックだがプロテインマニアだったりとキャラ的にも面白い。
将棋部部長の門脇歩(かどわき・あゆむ)も一見ひょうきん者なムードメーカー、運動能力の才能不足を努力で補いつつ、脱落してもチームを支える、こういうキャラは好きです。
コーチの四文字熟語はプリパラのシオンみたいw
紅一点の奈々ちゃんは真面目で素直な努力家で地味に好感持てる子なんですが…ヒロインとしては地味でした。
可愛いんですけどね。地味だけど。
ライバル勢の掘り下げが薄い点も残念。
ここら辺が、佳作にあと一歩及ばない感じ。{/netabare}