なる@c さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
メタ的な視点において新旧ミッキーの共存は成る
『アナと雪の女王』と同時上映された本作。
出だしは俗にいう昔のミッキー、つまり有名作でいうところの『蒸気船ウィリー』時代のミッキーからスタートする。モノクロで、フィルムのノイズも再現されている。
ミニーに一目惚れしたピートはアプローチを仕掛けるが、ミッキーと共にからかわれてしまう。するとピートはミニーを誘拐し、ミッキーとクララベル・カウを視聴しているこちら側に投げつける。すると白黒の画面を破って3Dフルカラーのミッキーがこちらに飛び出してくる。今まで観ていた映像は、映画館でスクリーンを通して観る映像だったのだ。観客もいるようで、一際高く飛んだカウが観客のナチョスやポップコーンをめちゃくちゃにしてしまう描写もある。ミッキーが初めて自分の服が赤いということに気付くなど、とても面白い。
ピートがスクリーンを指でふさいだため。ミッキーとカウはあちらの世界と断絶されてしまった。今作は、ミッキーと仲間たちが2つの世界の中で試行錯誤して、ミニーをピートから救い出すという物語だ。
各所に散りばめられているメタ的要素が楽しい。
スクリーンを縦方向に回転させると、天地がひっくり返る。
横方向に回転させると、時間の巻き戻し、早送りができる。
一回ずつ回転させると、コマ送りができる。
また、突然iPhoneの着信音が鳴ってミッキーがそれを慣れた手つきで操作するなど、親しみを持たせる表現も忘れていない。
その他に語ることはあまりない。
ウォルト・ディズニーの肉声が収録されているということくらいか。
あとはみんなで協力してピートをボコボコにして、終わりだ。
ちょっとやり過ぎではないかとの声もあるが、この画期的な演出のために犠牲になってもらったと思えば良い。どうせ他の作品でもろくな目に遭っていないのだから。
楽しい6分を過ごせた。