蒼い✨️ さんの感想・評価
4.7
物語 : 5.0
作画 : 3.5
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
その 素敵なひとときを…
【概要】
アニメーション制作:ハルフィルムメーカー
2005年10月5日 - 12月28日に放映された、全13話のTVアニメ。
原作は、天野こずえによる漫画作品『AQUA』(月刊ステンシル))と『ARIA』(月刊コミックブレイド)
監督は、佐藤順一。
【あらすじ】
『物語の舞台』
西暦2300年代の未来の世界。
かつて火星と呼ばれた天体は人類の手によりテラフォーミングされて、
僅かな陸地を残して地表の殆どが海に覆われた“アクア”と呼ばれる、
青く美しい水の惑星となっていました。
火星の自転周期 24時間39分35.244秒 →アクアの自転周期 約24時間
火星の自転周期 687日 →アクアの自転周期 24ヶ月
現実の火星にも季節があって、この物語でも反映されています。
1年が24ヶ月ある世界ですが、地球に合わせて1年に2回の誕生日があるそうです。
『ネオ・ヴェネツィア』
地球(マンホーム)から旅立ち“アクア”に移住してきた人たちの入植地の一つ。
21世紀半ばに大洪水によって水没した地球のヴェネツィアの建造物を、
アクアに移転し再現した観光都市。
海辺に佇む年代物の建物の数々、網の目のように縦横無尽に走る運河と細い路地と橋。
そういえば…石畳はあるもののアスファルトで舗装された道路が存在しなく、
ネオ・ヴェネチアには自動車や路面電車は無いみたいですね。
常に人が行き交っていますが、移動手段は徒歩・舟・飛行物のようです。
ネオ・ヴェネチア以外にも人々が集まって誕生した、
その民族の文化の特徴を持った都市が複数存在しています。
日本人の入植地が近く、その影響でネオ・ヴェネチアにも日本人のお店が存在したりしています。
『ウンディーネ』
ネオ・ヴェネツィアの名物である女性専用の職業。名前の由来は水の精霊。
ゴンドラ(小舟)を操って観光案内をする水先案内人。
操舵技術・接客能力・舟謳(カンツォーネ)の歌唱力の3つの技術が重視されています。
ウンディーネには職階があり、ペア(見習い)→シングル(半人前)→プリマ(一人前)
プリマとなりますと雑誌で特集が組まれたりとで特別な存在です。
とりわけ、アリシア・フローレンス、晃・E・フェラーリ、アテナ・グローリィが“水の三大妖精”
と呼ばれています。彼女たちは、ペアやシングルたちからの憧れの対象でありまして、
地球(マンホーム)からの観光旅行客の要望で、花形である彼女ら個人を指名されての、
ゴンドラの予約でスケジュールが埋まっていることが珍しくありません。
『水無灯里』
この物語の主人公。地球(マンホーム)出身の15歳。
ウンディーネへの憧れからアクアを訪れて一年以上(1期開始時点で20ヶ月)が経つ少女。
“水の三大妖精”のひとりである、優しいアリシア先輩。そして火星猫のアリア社長に見守られながら、
ARIAカンパニーで修行中のシングル(半人前)のウンディーネです。
灯里は幸せ探しの達人。
日常の何気ない出来事や情景から、感じたことを言葉で具象化(=恥ずかしいセリフ)します。
灯里の親しき友人である、姫屋の跡取り娘の藍華・S・グランチェスタ。
オレンジぷらねっとに勤める天才少女のアリス・キャロルとの出会い。所属会社の異なる三人が、
プリマを目指す仲間として合同練習などを介したりで行動を共にするようになります。
【感想】
灯里たちウンディーネの少女たちを中心にした、アクアでの四季に彩られた作品。
灯里と藍華とアリスの会話から始まるストーリー。
灯里から地球に住む幼い少女アイちゃんへのメールという形で語りかけが続いて、
そこからのOPへの入り方が毎度毎度、見事。
牧野由依による主題歌『ウンディーネ』が素晴らしいのです。
“心が癒やされる”“ヒーリングアニメ”
とよく言われる作品なのですが、
観る前は褒め過ぎじゃないか?と思っていた私も、
その言葉の意味がよくわかりました。
言わば。優しく美しく暖かく輝きに満ちた浮世離れした夢物語。
夢…?そう、この作品を観ている時は現実世界のことを一切忘れて、
幸せな眠りの中で幸せな夢を見ているような?
意識が地球を離れてネオ・ヴェネチアに飛んでいってしまってる?
なんとも不思議な感覚。
こんなアニメは本当に他には無いのですよ。
あんまり感覚的なことばかり書いてもアレなのですので、個別に評価!
物語…日常の中での何気無いことの中にあるキラキラとした幸せを見つけたり、
大切な友達、大切な先輩、街に生きる人々との触れ合いの中にある、
心の暖かさを噛みしめるお話。
今、こうして生きている世界も人々の思いが集まって繋がって出来ている。
生きていくうえで大切な、明るく頑張っていく前向きの精神を、
これでもか!これでもか!という具合に、直球でぐいぐい押してくる感じですね。
毎回どれもが良い話だったのですが、
第11話 「その オレンジの日々を…」
{netabare} 他にも褒めている方が多数ですが、これが一番好きかもしれません。
アリシア、晃、アテナ。“水の三大妖精”が灯里たちと同じ年頃だった、
昔を回想しつつ出てきた言葉。
『あの頃は楽しかった…じゃなくて…あの頃も楽しかった…だな!』
『きっと…本当に楽しい事って比べるものじゃないのよね。
今も…これからも一緒に過ごす時間の中に、
いくつもの小さな楽しいことが生まれては消えてゆく。
そのひとつひとつを捕まえることができたら…楽しいことは尽きることがないのよ。
いつまでも…ずっとね!それと、ワンポイントアドバイス。
今楽しいと思えることは、今が一番楽しめるのよ』{/netabare}
この作品を観ていて一番良かったと思えた瞬間かもしれません。
あと、ラストの灯里たち三人のやりとり!
友達って良いな!て思うと同時に笑ってしまいましたw
作画…キャラデザ自体は良いのですが、人物作画はあまり丁寧じゃないですよねw
キャラを小さく描かれたときにそれが顕著でした。
アニメ自体の出来が良いので気になりませんけどね。
背景も写実的ではないのですが、かえってそれが作品の世界観を表現していたと思います。
声優…数々の口調が視聴者を楽しませてくれます。
耳に優しい・耳触りの良いアニメ部門を仮に作成したら私の中では歴代一位ですね。
灯里『はひーっ』『ほへー』『えぇー』『わーひっ』
アリア社長『ぷいにゅー』『ぷいぷいにゅー』
藍華『恥ずかしいセリフ禁止!』
アリス『でっかいお世話です!』
アリシアさん『あらあら、うふふ』
毎回同じことを言ってる気もするのですが、
このアニメを観てない時でも彼女たちの台詞が私の心のなかでリフレインしています。中毒?
音楽…先程も書いたのですが、作品を構成する要としての、
主題歌『ウンディーネ』が最高に素晴らしかったですね。
各話の締めに名言で良い余韻を残しつ入るED曲『Rainbow』も素晴らしいです。
2期・3期もOP/EDが素晴らしく、聴き応えがあります。
プリマ“水の三大妖精”のひとり、アテナ・グローリィ(歌担当/河井英里)の舟謳も必聴です。
キャラ…善人が多い世界ってのは同じ佐藤順一監督の“たまゆら”もそうなんですが、
更にARIAの場合は、ゆるキャラ成分が上手くブレンドされていますね。
主人公の灯里がゆるキャラの極致。何故灯里がそうなのかは、もう少し考えたいですが。
そこに感情豊かなツッコミ役の藍華と、
冷静なようで精神的な幼さもあるアリスでトリオが機能してる感じ。
顔文字で表現できそうな崩し顔。手抜きと思われても仕方のない表現方法ですが、
それが作品の個性になっていたと思います。
灯里、藍華、アリス、アリシアさん、晃、アテナ、アイちゃん、グランマ。
気がつけば皆を好きになっていました。
アリア社長などの猫たち、そして男性陣も忘れてはいけませんが!
『最後に』
合う合わないは別として、
この作品を観たことない人も騙されたと思って一度は観て欲しい!
布教したい部門一位の作品になりました。
全然書ききれていませんが、ひとまずはこれにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。