退会済のユーザー さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.0
作画 : 4.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
神さまのいない日曜日。少女の見る夢とは (加筆修正)
作画、音楽については高い評価があるこの作品ですが
ストーリー展開の仕方で賛否が分かれると思われます。
あえてこの作品の魅力について語らせてください。
・物語のながれ
神に見放された世界では、人は死んでも死者として生き続ける。
死者が大勢くらす世界なわけです。
唯一、安らかな死を与える事のできる墓守という存在
墓守達には感情はなく、生き続ける死者を機械的に葬るという人形です。
死者たちは墓守を恐れ、身を隠すように生活をしています
主人公のアイは村でただ一人の少女。村には彼女以外に生者は一人しか
おらず、残りは全員死者です。母は他界しており父はあった事もない
友人もいません。
アイは墓守ですが機械的に葬ることはしません
彼女は感情を持ち合わせているからです。
ある日、アイは育ってきた村を離れることになります。
自分を墓守と信じてきたアイは旅の中、父に会い、自分以外の墓守にも会い、死者に会い、自分と同じような境遇にある人に会い、考え続けます。
自分がこの世界で何をすべきか、アイが答えを探す物語です。
・世界を救いたいアイ
12歳の少女にとって世界とは何であるか理解できているでしょうか?
アイは村育ちで世間知らずな少女です。
子どもにとっての世界って
身近な人たちが全てだと思うのです。家族と同級生くらいまでの
狭いコミュニティーです。
しかし、アイはこういったコミュニティーを持てなかった
心から大切と思える人もいなかったと思います。
ですから、旅をはじめたばかりのアイは世界を身近に感じることは
できていなかったのでしょう。
・ストーリーの見所
アイが自分なりの考えをもつまでの人々との出会いが見所です
アイと同じように世間からだまされていたウッカ
世界を救いたいという願いをもつアリスとディー
思想や境遇はにているようでアリスとは違います。
アイは出会いを重ねる度に自問自答し、世界を救うとは
何をすればいいのかを悩みつづけるのです。
・主人公アイの魅力
CCさくらのさくらそっくりなキュートが容姿に装飾が入ったスコップ装備
世間知らずで、他人に気を使う優しい少女
しかし行動力と人懐っこさは歳相応で愛される性格です。
外に出て人とふれあうことで、わがままが言えるようになったり
怒ったりできるようになり彼女が心を許せる世界がすこしづつ
出来ていることがストーリー進行から読み取れます。
・ラストの結末
身近な存在、大切な人を得たアイには自分だけの世界ができていました。
アイは自分だけの世界を救えばいいのです。
アイの世界は無事すくわれました。
彼女の中で理性ではこうするべきではなかったと
感じれる描写があります。心にしたがったのです。
やはりアイは感情のない墓守ではなく少女だったのですね
・音楽と美術
作中の背景絵はファンタジー世界を美麗に表現していて
キャラクターデザインも、美男美女揃い。萌え要素おおし
特出してよいのは使用された音楽でしょうか。
アイの心とリンクした歌詞のOP曲とストーリー冒頭の
賛美歌のような荘厳な曲がとても世界観を引き立ています。
・残念な点
この作品は展開にダイジェスト感があり、終盤に作品雰囲気が
変わってしまいます。
初期設定に『望むことが叶う世界』という世界設定がありますので
基本なんでも可能な世界なんです。。だから神を必要としない
ロードムビー的アニメで雰囲気がよかったのに
終盤に能力者を集めた学園、タイムループする世界
こういった話になってくると。。
設定頼みでしかストーリーが広げられないのかな?
残念になります。。
キャラクターが動くことでストーリーが展開する物語であったなら
さらに良い作品になったでしょう。
・さいごに
アイの考える世界について独自解釈した感想ですので
あまり参考にならないかもしれません。
この解釈で見ないと意味のわからないアニメであることも事実です。
しかし独特の雰囲気がある作品ですので
機会がありましたらご覧いただきたいとおもいます。