101匹足利尊氏 さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
真・駄女神転生~爆~
原作ライトノベルは未読。
RPG好きとしては気になる異世界転生ファンタジー物。
……でしたが、同時期にゲーム文化反映度が強い
異世界転生アニメ『灰と幻想のグリムガル』も視聴していたので、
設定が被ってややこしくなるかな?と思い、視聴時期を後にずらして見た作品。
アプローチは違いますが、どちらもゲーム好きな作者が己の嗜好を貫いた
素敵なファンタジーだったと思います♪
『グリムガル』はゲーム要素を現実感や心理描写に落とし込むことで、
心の琴線に触れる作品。
一方『このすば』はゲーム要素と現実の隙間に潜む
笑いのツボの発掘が楽しい作品。
……いやホントに可笑しかったですw笑いました♪
例えば{netabare}ジャイアントトードに丸呑みされて、
粘液まみれになって泣きべそかいて帰る駄女神様とか(笑)
陵辱されるストーリーにあこがれるマゾ女騎士様とか(笑)
大体、草むらに隠れるサイズじゃないのに草原を跳び回る巨大蛙とかw
キャベツだのレタスだの、デストロイヤーだのw
モンスターからして既にネジが二、三本外れているとしか思えませんw
焼きキャベツ、パリッとして美味しいですwはいw
その中でもやっぱりめぐみんが一番強烈でしたw
爆裂魔法しか愛せない。一日一発爆裂魔法。
発射後は動けなくなる(笑)おんぶされる(笑)
育成計画、ビルド重視のRPGでも、
時々、使い勝手の悪い大火力スキル選択して、
墓穴を掘りながらも、嬉々として我を貫く、
アホな冒険者がいるものですがw
めぐみんはそんなアホなプレイも大好きな私の嗜好も刺激する逸材でしたw{/netabare}
アフレコについても『グリムガル』と『このすば』は対照的でした。
深夜アニメで活躍する声優さんたちは、映画俳優や舞台役者に比べ、
スタッフとのコミュニケーションも芝居の完成度を上げるための時間も少なく、
しばしば台本を渡されただけでアフレコに挑む。
さらに番組宣伝のための公式ラジオ番組等では、
時に、ダチョウ倶楽部並のリアクション芸人スキルを要求されるw
そんな過酷な環境でサバイバルされているわけですがw
『グリムガル』はそんな現状とは違う環境で、
声優さんに落ち着いてきちんと芝居をしてもらうため、
入念な打ち合わせを重ねた丁寧なアフレコで作品を構築しました。
が、『このすば』の場合は生存困難なアニメ業界で勝ち残った、
声優さんたちが発達させて来た反射神経を断固、是とする。
むしろ当てにして、頼りにしまくるw堂々たるアフレコが特徴的w
私が本作を視聴した某動画サイトでも、
主演・福山潤さんのアドリブにも注目!
などと完全に開き直っているのが清々しいです(笑)
どのセリフがアドリブだったのでしょう?
主人公のあの毒舌か?奇声か?“このすば”か?
心当たりは山ほどありますがw私には判別し切れませんでしたw
ただ、まかせ切って最大化された声優さんの反射神経による
妙な勢いは存分に感じることができました♪
とあるシーンでは台本すらなかったとかw
一介のタレントには絶対に真似できないw
声優アドリブラーたちのファンタスティックな掛け合いが
この世界にはあったと思いますw
ではギャグばかりでストーリー内容がなかったのかと言うと、
個人的には実はそうでもありません。
特に、第七話で{netabare} 主人公が再び死んで、
ついに、このろくでもない世界からもおさらばできるw
はずなのに、なぜかそのろくでもない日々が恋しくて泣けてきて、
結局、元の生活に戻るシーンがぐっと来ました。{/netabare}
実際、人生、後から振り返って、楽しく語ることができる思い出って、
意外と、いわゆるリア充な日々じゃない。
買いたくもなかった苦労話や、身にもならなかった遠回りなど、
ろくでもないエピソードの方が結構、話題にできるもの(苦笑)
ろくでもないと思っていたことも後から振り返れば素晴らしい。
しばしば人は素晴らしいことばかりで心を満たそうとして、
ゲームの世界に取り込まれたりもするのでしょうが……。
“ヒキニート”にはろくでもないことすら起こらない。
『このすば』にはこの辺りの人生訓が折り込まれていると私は思います。
それにしても、『このすば』に『グリムガル』……。
アプローチの違いこそあれど、原作者のゲーム愛が伝わってくる、
ゲーム文化を土台にした作品が同時期に放映されていた。
この事自体、凄いことだと私は思います♪
この素晴らしきクールに乾杯~♪