えたんだーる さんの感想・評価
4.7
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
「めんどくさい青春」が良く描けている作品(原作シリーズ6冊目「いまさら翼といわれても」情報追記)
原作は米澤穂信著の同タイトル小説を含む「<古典部>シリーズ」。
同シリーズは『氷菓』、『愚者のエンドロール』、『クドリャフカの順番』、『遠まわりする雛』、『ふたりの距離の概算』の5冊が既刊であるが、『ふたりの距離の概算』はアニメ化部分に含まれない。
本作は「日常の中の何気ない謎」みたいなものを解くことをテーマとしており、「ミステリーではあるが殺人などの深刻な犯罪は発生しない」という不思議な作品である。
このようなある種の「日常性」がある内容で、それも高校生活を送る上での思春期特有の「めんどくさい青春」がバックになっている。メインキャラ4人のうち千反田えるを除く3人はほぼ日常的にこじらせ気味なことを考えている。
そして千反田えるはと言えば「なんで君はそんなことを気にするかね?」と言いたくなるようなッことを見つけては「私、気になります!」というキメ台詞とともに主人公の折木奉太郎のもとに面倒を持ち込んでくる。
このあたりの青春ドラマがとても楽しいので、正直ミステリーであることは忘れても充分に本作を楽しむことはできると思う。
シリーズ自体はアニメ化範囲外の『ふたりの距離の概算』を含めても完結してないため、「TVアニメとしての最終回」として短編集『遠まわりする雛』に収録の同タイトル短編「遠まわりする雛」を最終回としている。原作を読んでもここを最終回とするのは極めて妥当な判断と思える。
アニメは原作エピソードを時系列順に並べた構成となっており、作画は文句なしに素晴らしい「京アニクオリティ」である。
また、OP(1クール目・2クール目)/ED(1クール目・2クール目)/劇伴音楽いずれも素晴らしい。
2018.7.31追記:
原作情報: アニメ放送時には雑誌「野生時代」に掲載で単行本/文庫に未収録だったアニメ18話の原作「連峰は晴れているか」が収録された原作シリーズ6冊目となる短編集「いまさら翼といわれても」が2016年11月に単行本として出ています。
なお、文庫化はまだのようです。