かしろん さんの感想・評価
3.3
物語 : 2.0
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.0
状態：観終わった
力強さに欠けた物語
【２話まで見て 手堅い作りに感じる力強さ】
{netabare}エヴァの庵野監督が
「僕らの世代はオリジナルなものなんて基本的にはないことを認めるべきです」
と言い、事実として、エヴァは色んな作品の色んな要素を持ち込んでいる。
これを
「パクリだーオマージュだーリスペクトだー」
と囃し立ててもしょうがない。
んだが、過去に色んな作品を見てきた身からすれば、どうやったって
「ぽいな」
と思っちゃうんだよね。
で、本作。
進撃の巨人要素
人の姿をした人ならざるものとの戦い
駅という壁で囲まれた場所でしか生きられない閉塞感
主人公の敵を倒してやる意志(存在意義の確立)
ガンダム要素
民間人を大量に乗っけた船を半素人で動かして
デビルマンや進撃要素
敵を倒すには敵の力を持った呪われし者
サクラ大戦
装甲汽車
要素は代表例しか挙げないが、どうしても、過去の作品を思い出しちゃう本作。
全体的な雰囲気も、荒木監督で澤野ＢＧＭでと、どうしても進撃の巨人を思い
出さずにはいられない。カバネの走り方が奇行種だし。
そんな感じなんだけど、面白いよね、これ。
全てにおいて手堅く作ってある感じ。
絵作りに、演出に、なんだかんだで燃える澤野ＢＧＭに、ＯＰがエゴイストに
ＥＤがＵＣ主題歌歌ったAimer。
２話の無名の戦闘シーンも、決して目新しいシーンは無いんだけど、見てて
「かっこえー」
と思っちゃうのだ。あのリロードシーンとかね。
捨てられた生駒の止め絵なんかは狙いすぎで笑っちゃいそうになったんだけど、
尽くに本当に手堅く作ってある。
この辺がちょっとでもショボいと
「んだよ、この寄せ集め。全然ダメじゃん」
って言われそうなんだけど、
「そんなことは言わせねー！」
って力強さがある。
話変わって。
美樹本晴彦キャラ。
女性陣がカワイイよね。男性陣もいい味出してる。
でも、美樹本晴彦って聞くと、なんで今更って感じがある。
だけど、今の若い子らからすると、知らない過去は新しい、って感じで、
新鮮に映るのかな。
はてさて。
２話までのツカミは良かった。
ここからは物語だね。
生駒のカバネリとしての自覚と決意
領主娘の成長
カバネリと人間の禁断の恋
この辺を描きながら世界の事情が明かされていくのかな。
うーん。結末はどんなんだろか。
カバネ全滅は無理だわな。
・安住の地へ逃亡だーＥＮＤ
・カバネリ部隊を結成して俺達の戦いはこれからだーＥＮＤ
・カバネには勝てませんでした全滅ＥＮＤ
・絶対防壁を築いて数百年後、カバネはでっかくなってＥＮＤ
・歌の力でカバネウィルスを止めて人間に戻れるぜーＥＮＤ
オリジナル作品だし、先の読め無さは楽しいね。{/netabare}
【最終話まで見て 進撃にはなれなかった】
{netabare}ＯＰ冒頭の
「お前は人かカバネか」
「俺はカバネリだーっ！」
って会話。
進撃ＯＰのようなダサ格好良い曲を希望してたのに、仕上がってきた
曲を聞いてみたら思ったより格好良すぎたので、ダサさをプラスする
ために入れたのかなぁ、とか思ってたり。
はてさて。
目指したところは進撃だと思います。二匹目のドジョウっていうと
言い過ぎですかね。
それを最近流行りのゾンビでやったと。
残念ながら、進撃にはなれませんでした。
なんでか。
１クール、１２話でお話にオチをつけないといけなかったから。
そんな程度の差かな、と捉えてます。
このテの話として、目新しいことはやってません。
・結局、敵を倒すには敵の力
・結局、本当の敵は人
・結局、家族の揉め事
・結局、俺たちの旅はこれからだ
これだけ結局って言葉を並べて説明できる物語。
徹底的にベタなんです。
でも、ゾンビもので１２話でオチまでつけるとなると仕方がありません。
ただ、これだけベタにするなら、徹底的にシンプルにして、それを楽しま
せるだけの力強さが必要でした。
ラスボスの美馬。
「強いものだけが生き残る」
って言ってるこいつが一番の弱虫という設定。
眼の見えなくなった生駒を慎重に後ろから襲おうとする、って弱さが
彼を殺すんですが、コレをやってしまったせいで、物語自体も弱さが
出ちゃってる気がします。
また、
巨大化した無名を助け出す
美馬を倒す
って２つをラストの大きな見処にしちゃってるせいで、面白さも分散
されちゃってる気がします。
もっと単純に、
普通に無名を助けだした後、自ら薬を打ち巨大化して暴れまわる美馬
を生駒、無名、鋼鉄城で退治する
くらいで良かったのでは、と思います。
進撃の巨人。
原作読んでませんが、どんなオチにするんでしょう。
物語を締めるって、難しいですね。{/netabare}
