えたんだーる さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
意外と「文学的」な作品
同タイトルのライトノベル(電撃文庫刊)が原作の本作。
そもそも原作が、刊行レーベルが電撃文庫であるというだけでストーリー自体はやや「文芸的」な味付けのラブコメディーとなっている。
主人公の多田万里は多くのライトノベルであるような「読者の分身」的な立ち位置ではなく、青春群像的なストーリーを俯瞰的に見ている感じがする。
ヒロイン香子(こうこ)の世間知らずぶりはストーリー中で多くの波乱を巻き起こす要因となるが、その行動は逆に性格的な純粋さに裏付けられたものであり、ここを好ましく思えるか思えないかで本作の評価は大きく別れるものと思われる。
もう一点は万里がらみの一見オカルトめいた現象をどう解釈するか。「心理学的」であれ「オカルト」であれ、現象そのものは受け入れられるということでないと本作は楽しめないかもしれない。
なお、お話として他人事で見ている分には大変面白いが、もし身近に香子のような人間がいたら危なっかしく迷惑この上ないことであろう…。