runa21 さんの感想・評価

4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態：観終わった

孤独なヒーロー

タイムリープ物のお話です。

タイムリープ物って、
後々変化していく世界と比べさせるためなのか、
序盤がとても退屈な作品が多い。
映画のバタフライエフェクトにしてもそうだし、
シュタインズゲートにしてもそうだし、
失われた時を求めてもそうだった。

ただ、この話は、第一話から衝撃的で、
がっしりとつかまれました。
タイムリープ物のデメリットを上手くカバーしていたと思います。


そのうえ、タイムリープ物の王道にもきちんとそっていて、
主人公は本当に「孤独」なんですよね。
時をやり直して、より良い未来に近づいたとしても、
それを誰にも理解してもらえないし、知ってもらえない。


過去に戻って、どうにかして未来を変えたいと思いながらも、
「未来では殺されちゃうから、気を付けて」
というわけにもいかない。
「バカなの？」
と言われて終了である。


それでも未来を見てきた自分は、
「こうなる」ということを知っている。
でも、それを回避するための力は小学生の主人公にはない。
では、どうしたらその未来を回避することができるのか・・・。

金銭的にも、行動にも制限のかかった小学生という状態で、
一人の女の子の命を救わなければならない。
あの歯がゆさがたまらなく面白かった。


また、この物語は、
主人公が犯人として追われているという設定もあり、
時間的にも差し迫っていて、緊張感があった。


こんな感じで、
タイムリープ物のデメリットを上手くカバーしつつ、
それでいて、王道な流れをきちんと押さえている点はとてもよかった。



ところで、タイムリープ物の話を見るといつも思うのだけど、
「自分が戻れるのならいつがいいか？」

人生最大の失敗は、あの高校を選んだことだけど、
やり直すことができるのなら、やっぱり小学生の頃かな・・・。

ただ、戻ったところで、どこをどう直したらいいのやら・・・
結局同じレールの上を歩きそうな気がします。


だからおそらく、よっぽどの行動理由がない限り、
タイムリープをしたところで、
未来は変わらない気がするんですよね。

主人公の少年が過去に戻ったときに、
彼ははっきりと「こうしたい」という目的があり、
そのために彼は今までにない行動をとるようになる。

その行動は、
おそらく彼をずっと知っていた人たちに、
とんでもなく不自然に映ったのだろう。
だから、彼は小学生であるというハンデを持ちながらも、
仲間を増やして、未来を変えることができたと思う。


ただ、彼の努力を誰も知らないというのが、
このタイムリープ物の、物悲しい所なんですけどね。