ぽ~か~ふぇいす さんの感想・評価
3.4
物語 : 3.5
作画 : 3.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 2.5
状態:観終わった
この作品は売り込み方を間違えている
これをミステリだと思って観ると痛い目に合う
ノックスの十戒やヴァン・ダインの二十則といったミステリの常識を
まぁ本当に簡単に、そして次々と破ってくれる
もちろんこれらのルールは絶対的なものではなく
趣向を凝らしてその枠外へと飛び出すことで
傑作・名作と呼ばれるに至った作品も多数存在する
しかしUN-GOはそんなルールは知らぬ存ぜぬとばかりに
あるいは、それらの制約を馬鹿にするかのごとく
安易に無頓着にタブーを犯し続けていき
およそミステリーと呼べるレベルに達していない
ではこの作品は視聴に値しない駄作なのか?
なかなかどうして話はそう単純ではないのだ
この作品はオカルトやSFの要素を多分に含んだ伝奇なのである
その主人公がたまたま探偵だったというだけの話
そう考えればこの荒唐無稽な物語の楽しみ方が見えてくる
惜しむらくはリアルタイムに作品を視聴していれば
それに気が付くころには終幕の時間になっているか
あるいは気が付く前に手を引いてしまうことであろう
見方を間違えなければ十分に視聴に耐えるアニメである
少なくとも私はそう思うのだ
しかしながら
これの何処に坂口安吾の名前を使って発表する必要性があったのか?
というところには甚だ疑問が残る
いっそ完全にオリジナルで同じようなことをやったほうが
より自由でより面白い作品を作れたように思うのは
素人の浅はかさというものなのだろうか?
どうでもいいことだが
かつて第三次声優ブームと呼ばれた時代の顔であった
椎名へきる&國府田マリ子の両名の演技を
久方ぶりに拝聴できたのが個人的には収穫だった