「甲鉄城のカバネリ(TVアニメ動画)」

総合得点
87.5
感想・評価
2082
棚に入れた
10083
ランキング
152
★★★★☆ 3.8 (2082)
物語
3.5
作画
4.1
声優
3.6
音楽
3.9
キャラ
3.6

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ネタバレ

rFXEy91979 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 2.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

化物作画に燃えるストーリー、完走したら歓喜なのに、後半失速したのが否めず・・・

第1話「脅える屍」
{netabare} 作画は確かに今回もすごいよ。風景画の精密さや駅の街並み細かいし、一枚一枚の絵のカットがアートに肉薄するほど突出。カバネもグロに偏りすぎず、温くし過ぎず調整してて、丁度良すぎるビジュアルだから、不快感なく見てられる!
だけどオレは作画以上にストーリーで血が騒いだ!!輝く男になりたいと足掻く生駒の努力や逃げぬ生き様。間違ってると思った事には立ち向かいたい正義感。暑苦しいけど憧れる…そんな生駒が好きになったし、初見でがっつり感情移入!もしかすると進撃のエレンを負かせるくらいお気に入りかも(特に首吊り回避術時の生駒最高にカッコいいからね!それ引き立てる澤野音楽も)。
澤野音楽も完璧としか言えないぐらい血ぃ滾らせて、最後の無名の首チョッパキックのカッコ良さたら惚れちまうほど(笑)右足締めもグッと来るし(足フェチじゃないけどねw)、このクオリティ保ってほしい!ブルーレイを買うしかないから♪
それと脚本家でアニメ見るので大河内さん!頑張ってください!{/netabare}

第2話「明けぬ夜」
{netabare} ここでも生駒か魅せてくれた。人でなくなってしまっても、カバネを倒し続ける執念。自分を蔑んだ人間達を後悔させてやると吠える"あの台詞"の圧倒的な熱量に身体が震えたよ。無名も今回アクション連打と衣装で夢中にさせてくれたし、1話からの発展の仕方が良い、っていうか結構綺麗(話運びもそうだけど、それ引き立てる全ての要素が)。
迫るカバネの脅威もだけど、恐怖に慣れて可能性すら無下にしようとする人間(特に武士側)の滑稽度合いがちょっとブラック。ただそれを"人"だからこそで留める脚本の見解好き。彼は良い人、悪い人のどっちも寄せない脚本ってすごく大変だと思うし、それをやってのけた脚本、既に見所ありでしょ(昔、レオナルド・ディカプリオの『ブラッド・ダイヤモンド』って映画に、"善も悪も存在しない。いるのは人だけ"ってあったから)。
それに今回は逞生も良い!一度は何もできなくて、でも今度は生駒を助ける。微力だろうと勇気を奮ったこの友達はほんと素敵!律儀に眼鏡を返すとことか、細かいところも気が利くしね(個人的には生駒の眼鏡、今後も注目したいアイテム)。 {/netabare}

第3話「捧げる祈り」
{netabare} シリーズ構成・大河内一楼の『革命機ヴァルヴレイヴ』を連想しちゃう終わり方だね(アニメは嫌いじゃないけどね)。特にカバネの副作用に陥った生駒と倒される菖蒲が(何かと話題だった)第10話「恋の選挙公約」の(ほとんど)”ハルサキ”状態。初めて10話でそこ見たときは、良くも悪くもビックリしたし、先がますます読めなかったけど、ここって入れるべきだったのか未だに(自分の中で)賛否両論中で…。
カバネリのそのシーン自体は大体4カットぐらいだし、襲う直前で3話は終わって、4話に続く〆方だけど、さっき既述の第10話がどうしたって蘇るね。それほどヴァルヴレイヴの10話が強烈だったこともあるけど、ちゃんと今後に良い意味で作用するか分からな過ぎて、レビュー書いてる今もずっと“良いか悪いか”行ったり来たり。スッキリできない残留感がすっごく残ってるんだよね。
他は逆に普通に見れたし、群像劇の良さも出てたな。生駒視点の1・2話と違って、3話は他キャラが中心だし、彼らから見てカバネリ二人は如何なる者かの検証だからね(適した言葉かは分からないけど)。
箸休め”の回としては一度も落ち着けなかったけど、飛び交う良し悪し意見の一部(疑心暗鬼に陥ったりその場の感情に流されたり、逆に状況に気圧されながらも賭けに打って出る個人とか)はどこもかしこも人間臭いし、見ているだけで“冷たくなるね”。オレが同じ状況に落ちたら、苦笑で済むか分からないし、もしかしたら武士以上に平気で暴言吐くかもしれんし…。
とにかく3話は4話見るまで“感情宙ぶらりん状態”。ヴァルヴレイヴは最中どころかしっかり事後まで描いてたしね…。カバネリの場合襲われたのか判然としないとこで終わったし、4話見ないと3話の感想本当の意味で書けなさそう…。それぐらい4話次第で印象激変なんだよね。{/netabare}

第4話「流る血潮」
{netabare} 初登場の”ワザトリ”って、ジョージ・A・ロメロ監督(ゾンビ映画の巨匠ですね)の『ランド・オブ・ザ・デッド』に出てた”ビッグ・ダディ”がモデルなのかな?知性を宿したゾンビなとこや二刀流で戦うとこ(ビッグ・ダディは銃だったね)とか色々共通項とかあるし(そういや荒木監督はインタビューで甲鉄城は同作品のデッド・リコニング号からヒントにしたって言ってたし)、案外『ランド・オブ・ザ・デッド』がカバネリのヒントになってるのかな?
1話の熱気には負けるけど、今回もすっごく熱かった。無名が途中でダウンしちゃって生駒にすべてが懸かった中で、菖蒲が自ら手首を切って、生駒と交わした”血の契約”。そこから一気に復活してワザトリ勝利な展開…って胸アツだ!としか言葉出ねえよ!!深夜なのに目が覚めたよ!!
それに今回熱かったのは生駒だけじゃなかったぞ!!それは勿論菖蒲と来栖!!特に来栖は実を言うと、ここまですっごく大嫌いなキャラクターになってたのに、ここで一気に男を見せて(武士の面目もかなぐり捨てて、ワザトリ止めて生駒をサポート)、畜生カッケーって感じまったよ!!コイツなんだよ、イケメンな上にこんな活躍ズルすぎだろ(笑)
菖蒲も今回魅せてくれたね。てっきりヴァルヴレイヴ(やっぱりね、この作品を思い出さないってありえないよ)のサキと同じ展開と思ったら、来栖のお陰で展開回避、まさかのその後のサービスショットw領主の座を下されて、気落ちするかと思ったら、カバネとワザトリやってきて、気丈に戦線へ赴くとか、逞しさまで見せてきて、クライマックスの”血の契約”で全身鳥肌総立ちだったよ!!正直今回生駒と無名は脇にされてもしょうがないほど、二人が魅力的だった。人間臭さも忘れてないしね。
それにしても巣刈君はなんで一緒に入れられてのかな?彼、何かやらかした?そこも今後明かされるのを楽しみにして来週待ちたい!!とりあえずヴァルヴレイヴはまず回避できてよかった(見るの気まずいからさ)。{/netabare}

第5話「逃げられぬ闇」
{netabare} 今まで生駒に勝る場面が取り沙汰されてきた無名の弱点“コミュニケーション能力の欠如”に切り込みだした会心回!どれほど無敗の戦歴があろうと単独戦での限界点に気付けなかった落ち度含めて、“取り残される”無名を見るとかスッゲエ意外でドキドキだった!!『キック・アス ジャスティス・フォーエバー』事前に見てるともっと良いかも!!
なんで別作引き合いというと、まさに共通部分があるから。ヒットガールも無名と同じコミュ能力がかなり未熟で、“戦い”だけしか二人を現わす唯一の核になってるから。殺しに秀でた“マシーン”としては優秀極まりないんだろうけど、それ以外(コミュニケーション能力とか)って壊滅的とは行かないまでも低いよね。人を知らな過ぎるところも理由の一片と思うけど、それより大きな要因って一つの居場所に居すぎだからじゃ…。
今回から登場した椱久(えのく)の“弱い”も兵器面と成長してない精神面を指してるのかも。未だ出ない美馬の思想も影響してそうな気はするが、少なくとも生駒よりも大分粗が出始めたね。
逆に生駒は無名と違ってどんどん信頼され始めてる。逞生と兵器顧問に昇進、作戦立案に関わったりと、出世度合が目を見張るし、何より一人じゃ何もできない自覚をちゃんと分かってる。
ここが無名と生駒の“差”だね。そもそも必殺の「ツラヌキ筒」って逞生の手伝いあってだし、1話の助言がなかったら、カバネ殺しも果たせなかった。生駒は一見猪突猛進でも助けを叫べる“視野”持ってるから、あれだけ生駒を敵視していた来栖も前より受け入れてるし、少なくとも無名よりも生駒はコミュ力長けてるよ。
反面無名はそこ欠けてるから結果事態を悪化させて、無理が祟って成長したカバネに勝てず落とされる。やっと無名が勝たなきゃいけない試練の時が来てくれたし、正直ここまでやってくれると次回がほんと楽しみになる!!
久しぶりに広範囲のエリアが舞台の大規模戦だし、集団行動が作戦行動の成否を握っているのは確か。ワクワク度合じゃ1話クラスの面白さだから早く次!! {/netabare}

第6話「集う光」
{netabare} 熱さ度合じゃ1話クラスの超が付くほど面白い!!無名が再び戦火を舞って、生駒の主人公ぶりが全開過ぎてもう悶絶一歩手前寸前だった。しっかも今回来栖の剣舞と戦線復帰に興奮するわ、厄介事を押し付けられる巣刈君の奮闘とかさ、全部全部見せ場連続すぎて、鳥肌立ちまくった!!
しっかも今回感動まで!!何が感動したかって、脱線しかける
甲鉄城を全員一致団結で防いだあの名シーンでしょ!!あのカバネリ二人に対して邪険にしてたお偉いさんが危機的状況下で何と、”押せ――!”と言って手伝うとか、カバネにチキっていた頃一気に塗り替えまくった胸熱でしょ!
いや、ほんとこればっかりはレビュー見るより本編見るべき!!マッッッッジで面白いから!! {/netabare}

第7話「天に願う」
{netabare} 3話頃の不安は一体どこへ行ったと言える回!!一切戦闘場面ないのに、マジで面白いしか見えない、なんて本気で信じられない!!ヴァルヴレイヴイメージを逆手に取ってそんでもって、それ以降は右肩上がりとかいまだにちょっと信じられない。しかもここで無名さまを一気に掘り下げ可愛く撮るとか、ちくしょう!スタッフどこまで無名を魅力的に撮るつもりだよw
生駒もいいし、巣刈もいいし、菖蒲も来栖も魅力的とか、ほんとここでキャラ全員を映えさせるとか平気か今後!?ここまで各回面白すぎると、逆に逆に不安だよ!!いや、マジでこれも是非ともレビュー前にぜひぜひ見て!!オレはもうこれしか言えない!! {/netabare}

第8話「黙す狩人」
美馬さま、本格登場回!宮野さんがCVな以上、狂気キャラは想定してたが、最終回を見終えた後では非常に彼を嫌いになれない。狩方衆や美馬をもっと早い段階で匂わせて(それこそ1話あたりから)、王道死霊(ゾンビですね)物語をもっと燃え上がらせるべき!バイクはまあ悪くないし、展開自体も嫌いじゃないけど、これならもっと上行けたよと心底痛感した回だった!

第9話「滅びの牙」
{netabare} ロメロの映画も人間同士が醜く争い続けてたけど、美馬や狩方衆の面々、あまりに怨恨剥き出し過ぎかな。随所に美馬の葛藤や生駒にかける期待の面をさりげに描けばドラマが一層深みを増すと思っただけに・・・
無名もここでついに初めて(間接的に)甲鉄城の人を殺した。例え本意でないとしてもその事実は揺るがない。脚本からはその視点をとても強く感じたし、感傷的じゃないから見易い。 {/netabare}

第10話「攻め上る弱者」
{netabare} 逞生がここで退場し、無名は囚われ、生駒は落ちる・・・メインキャラの初めての死をやっとここで見せてきた。けどちょっと遅すぎない?匂わせ方はストレートだが。
美馬もここではイカれたキャラに成り下がってた気がして残念。なんかドラマが足りないんだよね。深みがあまりにないっていうか、”核”があまりに見え辛くて魅力が一気に半減してた。まあ沙梁よりはマシ。このオッサン、「ギルクラ」でいう”四分儀”的なキャラだろうけど、これは完全ダメな方の四分儀さんなんだよな・・・美馬より怨恨剥き出しだし、クズ度合いが腹立たしいし、マジでこいつ早く死んでほしいと何度思ったかw
あと生駒はこの回で右腕吹っ飛ばされるけど、なんか右腕に恨みあり?ギルクラでも右腕だし、荒木監督の理由が聞きたい(利き手を潰されたハンデキャップを描くための処置なのかな?))。{/netabare}

第11話「燃える命」
{netabare} 公式通称”イコマガン”がツッコミどころ満載すぎでしょwあとやっぱり2クールは絶対必要だったよこれは。いや、多分1クールで伝えることはできるかもだが、さすがに収める分量がやっぱりキャパオーバーだよ。そう考えると「シドニアの騎士」はほんと奇跡だったわ(あれは(実質)分割2クールだけど、収め方がマジで綺麗)。
先のない復讐案を進め続ける美馬のキャラも(いくら親父のせいとはいえ)、ちょっと愚かすぎるかな?ここまでとにかく鬱憤が際限なく溜まってし、群像劇でもなくなってくし、ちょっと不満勝りかな。ファンなのは変わりないけど。{/netabare}

最終話「甲鉄城」
{netabare}覚醒したカバネリ・生駒と甦った忠犬・来栖(敢えてここではこう呼びますw決して貶しちゃいませんよ)。狩方衆へのリベンジマッチはやっぱりとにかく燃えまくったよ!たださ、なんで甲鉄城の皆を牢へいれっぱに?そこは甲鉄城に乗って全員反撃でしょ。
しかしようやく美馬の本意を明かしてくれて本当に感謝!内に秘めた怨恨という”怪物”に屈してしまった美馬を、同じカバネリという境遇を抱える生駒が倒すシーン。そこで一気に溜まった鬱憤、瞬時に浄化されてしまった。宮野さんのコメント通り、ほんとに色んな思い詰まってた。死の直前に生駒を救ったあのシーンも憎すぎるwお前、最後にイケメンかよって内心ツッコミまくりましたよ!
ただねえ荒木監督はここで”群像劇”の良さを消した。そこはやっぱり正直言うとどうしたって許せない。1話が何故傑作なのか?それって登場キャラクターがほとんど均等に出番あって、みんなそれぞれドラマがある、あの作画に負けず劣らずの高密度の人間ドラマ。あれがあるからこのアニメをもっと見たいと思ったのに、最終回は生駒と来栖のほとんど共同前線だし、ほかの面々控えとか、さすがにそれはないでしょ?あなたは「ギルクラ」「進撃」とキャラが膨大に多いほど、群像劇の面白さ100%引き出せるのに(作画もトップクラスだけど、ドラマを調律するときの熱さ、そこもほんとに監督の持ち味)。カバネリ好きに変わりはない!だけどそれはどうしても言いたい!やっぱファンなら言いたいことをちゃんとしっかり書きたいし!
今年暮れと翌年明けに総集編の劇場公開、そこでまたカバネリを見て、何が変わっているかを見たい!修正とか手直しとか、されていれば良いんだけど・・・{/netabare}

投稿 : 2016/07/10
閲覧 : 388
サンキュー:

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