「とある科学の超電磁砲[レールガン](TVアニメ動画)」

総合得点
90.8
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★★★★★ 4.3
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

今さら語りたい。萌えアニメ新風①レールガン 

※禁書2期レビュー後に、レールガンの感想読み直していましたら
禁書に飽きて超電磁砲に飽きない理由はっきり自覚しました
禁書が少年漫画的方向性を選んだのに対して。。


・はじめに
皆さんは飽きていませんか?
聞いたことのある設定と萌えキャラを前面に押す演出
主人公が仲間と力を合わせて敵を倒す単調なストーリーに。


主人公が正義、敵は悪であって討伐して当然という主張は
現在の価値観にマッチしているのでしょうか??
様々な思想文化にふれることができ、価値観の多様化を
誰もが認識している今、正義も悪も多元化しています。

どちらが正義で悪か?などということは誰にも判別することなど
できようもなく、平和的解決や共存ができない為に
かなしく争うしかないのが現実です。

レールガンの物語の敵とは「悪」だったのでしょうか?
敵役が背負う悲しみと正義がしっかりと描かれていました。
戦うモノ双方が「正義」である物語として製作された事は
単純な対立しか描けなかった他の作品と一線を画しており
萌え要素を含みながら本格派という新風を注ぎ込んだ作品といえるでしょう



・物語の魅力
超能力の研究育成のために存在する学園都市が舞台です
学生しか存在しない、しかも超能力者の街と聞くと
華やかで楽しい生活を想像することは容易いですね

魅力的なキャラが見せるドタバタとしたコメディーは
楽しく、日常系アニメとして楽しむこともできるでしょう。
しかし学園都市は科学至上主義であるため
非人道的である側面があります。

今作で描かれるのは少年少女をつかった人体実験であり
主人公美琴と、敵役木山は互いの「正義」をかけて戦います。
真の「悪」に気づきつつも学園都市全体の治安維持の為に
木山と戦う美琴の葛藤。。

賞賛するべき点は、この悲しい争いに終止符を打つ鍵は
主人公と敵役、2人の超能力者ではなく
超能力を持たない少女だったことです。
この展開がすばらしく、後味のよい作品に仕上がったポイントでしょう。



・努力型キャラクターの是非
ものがたりの魅力で超能力がない(ほぼつかえない)少女を
あげました。彼女は非常に努力家で自分に才能がないことに
劣等感をかかえています。
対して美琴をふくめる友人たちは高度な超能力を使うことが出来ます。
しかし、彼女たちの間を隔てる軋轢は微塵もありません。
なぜなら全員が努力家であり、努力を認め合える人間性も持ち合わせて
いるからです。
美琴の「レベルなんて関係ない」この言葉は心から出た言葉でしょう。
青春群像劇でもないアニメでこうした丁寧な人間関係の描写は稀です
偶然チームとなった仲間ではなく、似たもの同士が必然的にチームに
なった経緯が明確にみえます。



・さいごに
キャラクターが可愛らしければ良い、大量投入すればよい
ストーリーは理解しやすい悪役を置けばよい。
こうしたアニメは視聴者は必ず飽きます。
キャラクターに人間味、ストーリーが現実的でなければ
じぶんたちは共感することが出来ませんし
強い思い入れを持つことなどないでしょう。


長々とおつきあい頂きありがとうございます。

投稿 : 2016/05/20
閲覧 : 251

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