「未来日記(TVアニメ動画)」

総合得点
86.4
感想・評価
3919
棚に入れた
19778
ランキング
199
★★★★☆ 3.8 (3919)
物語
4.0
作画
3.7
声優
3.7
音楽
3.7
キャラ
3.9

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蟹チャーハン さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.0 作画 : 3.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

ストーカーしか頼れる人がいない究極の選択の中で、主人公は愛を選ぶ

いやー、なかなかの傑作でした。
全26話、とんちきなテーマとストーリーに途中は何度かダレて眠くて仕方なくて、
幾度か諦めようかと思ったときもあったけど、終盤の盛り上げ方がうまくて(すごくて)
気がつけば魅入ったまま見終えてました。

このボリューム感ははんぱないですね。
見た見た見た! そんな感じです。

ケータイ電話のメールを通じて知らされる次の行動予測のことを未来日記と定義しています。
それは自分の身の回りに起きる次の出来事であったり、誰か特定の相手の行動であったり、
自分のことであったりといろいろです。

そんな特徴をもつ未来日記の持ち主たち12人が血で血を争う潰しあい(殺し合い)を経て、
最後のひとり=神様になる者を決めようというデスゲーム。
これに強制参加させられた主人公のユッキーはといえば、両親が離婚してから孤独オーラ
でもを出しているのか友達はほぼゼロ、普段から大人しすぎてイジメられることも度々の
気弱な性格の中学生です。

優柔不断で押しに弱く、状況任せの他人任せ、見ていてかなりイライラすることもあるでしょう。
でも、誰よりも傷つくことを恐れるし、誰も傷つけたくないと思う気持ちは本物で、
そんな愛ある行動が最後に実をともないます。

というか、このダレた主人公以上にインパクトありすぎなのが、ヒロインのユノで、
ユッキーを熱烈に愛するストーカーだからたまらないんです。
見た目には普通にかわいい少女でモテるものの『誰がお前らみたいなクソに!』
とか顔はニッコリ心の中で毒づく悪女であり、ケータイ争奪戦では他人を平気で“殺せる”
バーサーカーモード入りまくりの狂女であります。

生まれたての子鹿のように気弱でオロオロするばかりのユッキーのピンチを幾度となく
救うユノ。(何人も惨殺するという意味)
そんなユノに頼るしかないユッキーの不憫さ。

これが延々繰り返されるわけで、見ていてもこーすれば救われそうだな、あーすればもっと違う形に
とかいろいろ思うところもあるんですが、そんな予想も想像もユノがいたら皆殺し最優先で苦笑するしかないでしょうね。

面白くもあり怖いのは、それがいつしか信頼関係という言葉に置き換わっていくことか。
ユノの暴走に手を焼き怯えながらも、それでいて依存するしかないユッキーのメンタルはボロボロ。
関係を修復したといえば聞こえはよいけど、それはそれしか手がなかっただけで、
ベストな結果でもなんでもないはずなんですが、それでも最終的に二人の関係が“愛”に昇華していく姿はすさまじいもんがあります。

見終えてまず思うのが“でもストーカーなんでしょ?”なんですが、
ユノにそんな過去はなかった! あるはずもなかった!
そう思えるくらい見ている側も思い込まされるから恐ろしいw
タフなアニメでありますよ。

成長という意味では、全26話中、24話くらいまでまったく進歩のなかったユッキーですが、
これも最後はしっかり“男の顔”になっていて驚きました。
信念を貫く姿勢に感動すら覚えます。
というか意図的に作画が変わってたし、骨格が大人ぽくなっていましたから印象も変わりますね。

SFアニメというくくりで見ても良作じゃないでしょうか。
長いドラマの中での繰り返しのパターンに飽きちゃうときがあるかもですが、
自分もこの不毛なゲームに強制参加させられたと思って諦めて、最後まで付き合ってみてください。
感動の大団円に満足できるかも?

追記
レビュー書き終えてふと昔みた映画のことを思い出しました。
1980年代のフランス映画で、2人の若者狂気の愛を描いたベティブルーという傑作。
そんな事情も知らずに初めて見たときはインパクトありすぎてたまげたのを覚えています。
そして、同時期につくられたグランブルーと同じブルーつながりで、いまでも大好きな映画であります。

※機会があればぜひぜひ。この作品が好きな人なら楽しめるかもです。
2012年HDリマスター発売記念の公式サイトから
<映画史上に残る強烈なヒロイン像と衝撃的なラストシーンを生み出した本作は、フランス本国のみならず世界中でカルト的人気を博している。
日本でも1987年の初公開時より、クチコミを皮切りに度重なるアンコール上映やビデオ化、その後1992年に新たなディレクターズ・カット版(「ベティ・ブルー インテグラル完全版」)の公開を経て、若者を中心に熱狂的信奉者を生みだした。>

投稿 : 2016/04/20
閲覧 : 320
サンキュー:

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