Tnguc さんの感想・評価
2.5
物語 : 2.5
作画 : 2.5
声優 : 2.5
音楽 : 2.5
キャラ : 2.5
状態:観終わった
時代は変われど、サムライは変わらず
~
黒沢明監督の代表作である『七人の侍』を、アニメ視聴者層に向けて、大胆にSFと融合させた作品。
舞台は、戦が終わり商人の時代へと移り変わった時代。
不要となったサムライが、鎧を捨て、巨大ロボットに身を纏い、寒村を襲っては米を巻き上げていた。
困り果てた農民はサムライに助けを求めることを決めた。
サムライを探しに街へ向かった少女達はそこで七人のサムライと出会う。
死ぬかもしれない戦の褒美として農民がサムライに支払える対価は炊き立てのお米だけ。
不釣り合いにも拘わらず、それを承諾するサムライたち…何故?。
そこには、時代に置いて行かれ、サムライが不要になりつつある焦燥感の中、
それでも尚、サムライとしての誇りを貫き通したからだと思う。
損得関係なく、弱き者を守る為の優しい力、死の恐怖も超越した不易の大和魂がサムライの根源にある。
これらの描写を真面目に踏襲している辺りはリメイクとして成功していると言えるだろう。
さて、『七人の侍』さらには『荒野の七人』という立派な傑作がありつつも、
SFアレンジを加えてまでアニメ化させた目的はなんだろうか?
3時間程の映画をわざわざ2クールに冗長化させてまで描きたかったことは一体なんだろうか?。
本作ではどことなく陰鬱な色彩である世界観が続く上に、『荒野の七人』の様な漢気溢れるシーンも少ない。
上記で挙げた大和魂なるモノは、原作である『七人の侍』や『荒野の七人』の方がより濃く描かれている。
正直、『サムライ7』だけにしか得られないモノは殆ど少ない。
強いて言えば、日本が誇る黒澤明とジャパニメーションの化学反応ぐらいだろうか。
本末転倒なことを言う様だけど、10時間くらいかけて本作を観るくらいなら、
『七人の侍』と『荒野の七人』を観た方がよっぽど有意義だと思う。
物語:★★☆☆☆ (サムライの精神は美しいが物語は地味)
作画:★★☆☆☆ (GONZOに期待はしてないが、それにしても線が少ない)
声優:★★★★☆
音楽:★★★☆☆ (和太鼓が良い味を出している。)
人物:★★★☆☆ (デザインとキャラ設定は凝っている。ヒロインは可愛いけどお飾り。)
総合評価:★★☆☆☆(2.5点)