101匹足利尊氏 さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
女優もまた出演作で何かを探している……。
尊氏はアニメ等のエンタメ作品を観るのが好きなオタクですがw
あにこれ等のレビューサイトで、色んな感想を見るのも好きです。
もっと言えば、好きな作品の公式ガイドブックやラジオなどを通じて、
スタッフや役者さんが何を感じて作品に携わっているか?
エピソードを通じて、その人生の一端を知るのも好きです。
世に出た作品というのは、その場限りで完結する固形物ではありません。
作り手、視聴者、演者……多くの人々に共有され、
各々の想いが投げかけられることで、
様々な表情を見せる、ダイナミックな変動物なのです。
だからこそレビューサイト等で、
現在進行形で広義の作品が変化していく様を見るのは止められませんw
戯れ言はさておきw今は亡き今敏監督作品であるこのアニメ映画を観ると、
こうした感傷が益々強くなります。
ある女優が出演作の中に“探し物”を求めた半生。
それを現実と撮影現場、出演映画、
さらに時間の流れまでもが曖昧な独特の空間に、
女優を取材するインタビュアーが飛び込み、
時に女優の出演作に乱入する(笑)
この時に因果を超越した、ある種、異様な映像作りで実現した、
“超特等席”で、一人の女優の人生を体感した気分を味わえる。
本作のこのダイナミズムがたまりません。
演技を通じて七変化できる女優の切り開く世界の大きさ。
それでもなかなか見つからない“探し物”の行方。
演じることと人生の奥深さを実感できる贅沢な逸品。
舞台裏を覗き見したい方などにオススメです♪