「おもひでぽろぽろ(アニメ映画)」

総合得点
67.8
感想・評価
340
棚に入れた
1747
ランキング
2331
★★★★☆ 3.5 (340)
物語
3.6
作画
3.7
声優
3.4
音楽
3.5
キャラ
3.5

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ネタバレ

蒼い✨️ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 3.0 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

昭和の人間。

アニメーション制作:スタジオジブリ
1991年7月に公開された劇場版アニメ。

 あらすじ

時代は、1982年(昭和57年)
主人公の岡島タエ子は、東京生まれ東京育ちの27歳で出版社に勤めるOL。
親が結婚を勧めるものの当人はその気がなし。

都会者にはありがちな田舎への憧れと幻想を持っている彼女。
休暇をとってブルートレインに乗って行く先は山形県。

姉の夫が山形県の出身ということがあって田舎に縁ができて、
都会生活の疲れを癒やしに義兄の実家に農業体験に行くことに。

タエ子は最近、16年前の小学5年生の頃を思い出すことが多く、
夜行列車の中でもそれは同じなのだった。

 感想

実は私は、高畑勲監督の劇場版作品が好きじゃないのです。
宮﨑駿作品がロマンと夢を盛り込まれているの対して、
高畑作品は、やたらと写実的で山場も無く淡々としているイメージ。

おもひでぽろぽろも、テレビでやっているとチャンネル変えてたんですよねw
ある程度歳取ってからだと、感想変わるかな?と観てみました。
田舎を舞台にした作品とか、子供が出てくる作品とか、ジャンル的に私の好物のはずですし。(多分)

元々この作品のイメージって、アニメっぽくなくて邦画みたい。
山田洋次あたりが実写でやればいいんじゃね?目にする度に思っていました。

昭和30年前後生まれが、社員旅行の貸切バスで、
缶ビールにおつまみを楽しみながら、運転席の後ろにあるスクリーンで上映されてる、
男はつらいよ、釣りバカ日誌 ああいうポジションの作品。

そんなふうに思いつつ実際に見てみると、
子供パートがちびまる子ちゃんっぽいムードながらも、
パイナップルの話だの、第二次性徴で男子にからかわれる話だの、分数の話だの、
退屈でつまらない小エピソード集。

それに対して大人パートが今井美樹、柳葉敏郎主演の田舎を舞台にした実写の人間ドラマみたい。
大人時代のタエ子は今井美樹がモデルですし、山形で会い仲良くなる青年トシオも柳葉敏郎がモデル。
それぞれ、本人が演じています。
声と喋り方がアニメっぽくないのですが、柳葉敏郎の朴訥で温かい演技が良い感じ。

なんでかな?と27歳時と11歳時の温度差の秘密。
それは、原作漫画をYAHOO!のブックストアで読んだらわかりました。

元々が作者がモデルの小5女児を主役にした日常漫画。
ちびまる子ちゃんと同じスタイルの作品であり、
原作には大人パートは全く存在しなく、アニメ化に際しての付け足しです。

特にテーマ性のない原作エピソードの数々を回想という形で、
アニメで、でっちあげられた27歳の大人の女性の物語に細かく挟むことによって、
田舎に触れ、一人の青年との出会いによって刺激を受けた一人の女性のこころ、
そして過去とも繋がって今がある人生の1頁を描いた作品として完成したという感じですね。

こうしてみると、たいして中身の無いどうでもいい漫画を、
人間劇という映画作品に仕上げた高畑勲監督の非凡さを実感するとともに、
なんでこれをアニメ化したの?と疑念を抱かずには、いられない作品でした。


これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2016/04/19
閲覧 : 385
サンキュー:

35

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