てけ さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
花と星
たまこマーケットの続き。
たまこともち蔵の恋の行方を描いたラブストーリー映画。
ストーリーの起伏が大きいため、本編よりずっと印象に残る作品です。
「恋」という一つのテーマを扱い続けるので、
本編とは違って一貫性のある雰囲気作りがされています。
ギャグも控えめで雰囲気はこちらのほうが好きですね。
私は告白して爆死するタイプだったので、{netabare}もち蔵{/netabare}の気持ちがよくわかります。
「やっちまったぁ……!」って感じでw
ただ、そこまで恋愛模様を見てキュンとはしなかったかなぁ。
あー、こういうパターンもあるよね、って感じで冷静に見てしまいました。
また、デラの出番がほぼなかったのが残念。
1つくらい何らかの関わりが見たかったです。
もち蔵が{netabare}東京に行ってしまった{/netabare}あとのフォローも欲しかったですね。
まあ、そんなに長い映画でもないし、そこまで掘り下げる時間がなかったのでしょうか。
ところで、本編ではマーガレットが使われてきましたが、映画ではたんぽぽが多く出現。
よく見ると、会話の中に出てくる人の数だけ、たんぽぽの花が咲いています。
それも将来のことを語るときに。
たんぽぽのポジティブな花言葉は「愛の神託」「真実の愛」など。
ネガティブな花言葉は「別離」など。
これから先の出来事を暗示するにはよくあった言葉だと思います。
たんぽぽは最後の方まで何度も現れ、エンディングでは、
{netabare}2つのたんぽぽが仲良く並び、そこから綿毛が飛び出していきます。{/netabare}
マーガレットはもち蔵の店のカウンターに置かれています。
秘めた恋心の表れでしょう。
また、象徴的なのが星です。
* もち蔵の紙コップ
* もち蔵のカーテン
* たまこがもち蔵のことを考えている時の夜空
星の王子さまならぬ、星の大路様でしょうか。
{netabare}たまこのお母さんがお父さんに送った曲もきらきら星のメロディですしね。{/netabare}
夜空を見上げるとき、月と火星が一緒に、別の場面では金星らしきものが出てきますが、
* 月::女性・感受性の象徴
* 金星::女性の象徴。マークは♀
* 火星::男性の象徴。マークは♂
ということで、それぞれ、
* たまこに対するもち蔵の気持ち
* たまこからもち蔵に対する気持ち
を表しているのだと思われます。
ちょっとしたことなのですが、こういったこだわりは大好きです。
また見なおせばそれだけ発見がありそうです。
これから見る、または、もう一度見てみる方は、背景やシーン描写にも注目すると面白いかもしれません。