「ジョーカー・ゲーム(TVアニメ動画)」

総合得点
77.1
感想・評価
991
棚に入れた
5038
ランキング
648
★★★★☆ 3.6 (991)
物語
3.7
作画
3.7
声優
3.7
音楽
3.5
キャラ
3.5

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ネタバレ

ヤマザキ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

リアリティの追求が仇になったか?(「えーっとですね(^^;;。」を改題)

先ほど、最終回の録画を視聴しました。

私のスパイもののデフォルトは、浦沢直樹氏の「マスター・キートン」(アニメ版ではなくマンガ版です、念のため)なのです。彼は考古学者でありつつも、収入のために大学の非常勤講師や保険のオプをやり、家庭の父親でもあり、離婚したとは言え妻もおり、また元SASの兵士だったという経歴があることから、時にはイギリス政府の依頼を受けて諜報活動も行う、と、そういうキャラクター。でも、思えばこれって相当無理がある設定ですよね。スパイにしてはあまりに目立ちすぎてます。スパイたるもの、市民の中に溶け込んでないといけない。逆に言えば、キャラ立ちしているような人はスパイには不向きでしょう。当然、感情の機微などは表に出せません。本作の中でD機関の人たちが「怪物」などと言われていましたが、まあそれも当然ですよね。リアリティを追求すればそうなろうと思います。

それから、やはりスパイたるもの、単独行動が基本ですよね。一人に足が付いて、そいつが拷問を受けて口を割り、そこから一網打尽なんてのはよくありそうなパターンです。だから仮に協力者がいても、うっかりすると顔すら知らないなんてのが、本来の姿だろうと思うのです。

そうなると、今作において、「D機関」の諜報員を複数登場させてみても、一人一人の個性が薄くなり、しかも、協力プレイは(皆無ではないにしても)ほとんど期待できないとなると、面白い話って期待できないと思うんですよね。スパイの仕事なんて、きっと地味で、こつこつと積み上げるようなものでしょう。思えばスパイものに限らず、労働現場を舞台にしたアニメ、例えば「SHIROBAKO」にリアリティを追求したら、やはり面白くなかったと思うのですよ。多少はリアリティを捨ててでも、話を面白くする方向に持っていける設定にすべきだったのではないかと思うんですよね。

まああとは、こちらにはむしろリアリティを感じなかったのですが、結城中佐が万能すぎるってのもちょっと・・・。結城中佐のなすこと全てがほとんど完璧、ミスの一つもないという感じで、そういう人がヘッドにいる組織だとすると「負けるかもしれない」「死ぬかもしれない」というスリルが薄くなり、緊迫感が薄らいだような気がします。結城中佐の存在をもう少し薄くした方が、あるいは、結城中佐自身が目的のために諜報員を簡単に見捨てる描写を少しでも入れた方が、スリル感を高めたかもしれません(だからこそ、{netabare}第11話の三好のあっけない死{/netabare}はビックリしましたが、あれもスパイの世界ではリアリティなんだろうなぁ・・・)。

・・・ていうか、こんなに強力な諜報機関があるのにもかかわらず、なぜあの戦争に負けた大日本帝国!(TT)。

とまあこんな風に言ってみたところで、原作というヒモがついてる以上はしかたなかったのかもしれません。逆説的な言い方になりますが、それでもこの作品をそれなりに面白く観られたのは、制作陣の努力のたまものだと思います。

音楽と作画にも触れておきましょう。音楽は完璧でした。カッコよかった(^^)。こちらは満点。作画もほぼ完璧に近かったのですが、あじあ号の回での子ども3人の顔の大きさに難があって、しかもその画(止め画でした)で吹き出したので☆半分減点。でもEDの画は、青と赤で描かれた昔懐かしい1950~60年代のマンガ雑誌のイラストみたいで好きでした。画の地の部分がわら半紙っぽいともっとよかったかも。OPも作画、音楽ともによかったなぁ。

総じて言うと、普通に面白かった良作ですが、「歴史に残る名作」というほどではなさそうですね。惜しかった。ここはある程度のリアリティを捨ててでも、もう少し主役級の登場人物を絞り込んで、表立たない形で感情の機微を表現し、得意技を前面に出すことでキャラも立て、その上で必要なところ、主役級の登場人物に欠けているところだけ同業者の協力者を出すようにすれば、もう少し話が面白くなったのかもしれません。

---以下、視聴途中で書いたコメントです---

今期期待No.1(当社比)の作品。現在2話まで視聴。期待に違わず、いい出来です。

最終的な評価は最終回視聴後に判断するとして、一つだけ難点をつけます。

意外なことが目の前で起きたり、言われたりしたときに、

「なん…だと…」

って反応するの、やめてください。あまりにテンプレチックで笑っちゃうじゃないですか。ていうか、そこで笑い要らないし。

これ、思い出しちゃった。

シュタインズゲート なん・・・だと・・・ シュタゲ オカりん まゆしい ダル 牧瀬
https://www.youtube.com/watch?v=1ZCD_9Ua8Tk

投稿 : 2016/06/24
閲覧 : 300
サンキュー:

27

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