ヤマザキ さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.0
作画 : 5.0
声優 : 3.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
ストーリーは陳腐。でも作画は最高峰。
あにこれの四半期別のアニメの評価をみていると、ちょっと気になる点があります。それは、最近傑作が少ないなぁ、ということ・・・。
2016年冬のトップは「僕だけがいない街」ですが、270位近辺でしかありません。しかしほんの5年前をみるとビックリしますよね。2011年春なんて「STEINS;GATE」(あにこれ1位)と「あの花」(同8位)が同時期だったし、その1年前の2010年春なんて「けいおん!!(第2期)」(同11位)「Angel Beats!」(同18位)「WORKING!!」(同50位)「四畳半神話体系」(同93位)が同時期。なんという豊作!この頃が異様だったのかしれませんが、やはり「最近のアニメは力が落ちているんかなぁ・・・」なんて心配したくもなります。
で、この「甲鉄城のカバネリ」ですよ。やはり皆さん評価がイマイチ・・・。わかります。評価が低いの、わかりますよ。だって、ストーリーと設定が圧倒的に陳腐なんだもの。いや、「陳腐」で済ませていいのかなぁ・・・。「がっこうぐらし!」の評でもついつい比べてしまいましたが、こうしたゾンビものだと、現在も連載中の傑作ゾンビマンガ「アイアムアヒーロー」とどうしても比べてしまうんですよね。その「がっこうぐらし!」は、「アイアムアヒーローと比べてあーだこーだ・・・」と話ができるのですが、この「甲鉄城のカバネリ」はいろんなものがその「アイアムアヒーロー」とあまりにも似ている。似すぎていて「同じじゃん」で済んじゃう。{netabare}主人公とヒロインが「半感染状態」だったり、そのおかげでヒロインが無双だったり、ゾンビ(=カバネ)が合体して巨大化したり、そしてその中心にいるのがヒロインだったり、さらにはパンデミック状態での人と人との争いがあったり・・・{/netabare}などなど。まあオマージュと言えば聞こえがいいですが、「剽窃」「パクリ」というあまり思い浮かべたくもない文言も脳裏によぎりますわ、残念ながら・・・。
でもこのアニメが唯一無二、そして圧倒的に他のアニメと一線を画しているのがその作画のレベルの高さです。これは本当にスゴイと思います。毎週欠かさず観ていたのは、結局はその作画に心奪われていたから、ということになりそうです。
この作画のレベルを維持できて、そして5~6年前のコンテンツと一体化できれば、日本のアニメもまだまだ捨てたものじゃないと思います。どうやらこの「甲鉄城のカバネリ」、第2期もやりそうな勢いですが、作画はもちろんのこと、キャラ設定も世界観も、決して悪くないと思います。ただただストーリーと設定が陳腐だっただけなので、慌てて制作に取り組むようなことなく、しっかりストーリー他のコンテンツを練り上げて、その上で作っていって欲しいですね。