「ハルチカ ~ハルタとチカは青春する~(TVアニメ動画)」

総合得点
67.6
感想・評価
710
棚に入れた
3241
ランキング
2401
★★★★☆ 3.4 (710)
物語
3.2
作画
3.5
声優
3.4
音楽
3.5
キャラ
3.4

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ネタバレ

スーパースラッガー さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

吹奏楽や謎解きの成分以上に、この空気感がいとおしい!

2016年はじめてのレビューになります・・・よろしくお願いいたします☆
あまりにも長くレビューを書いてこなかったので、どんなふうに書けばいいか、長い間考え込んでしまいましたが、とりあえず書きますね^^;
今回は、あにこれの5つの評価項目のそれぞれにコメントする形で書き進めていこうかなと思います☆

【物語の評価】
「学園青春ミステリー」と銘打っている作品ですので、毎回のように謎解き要素が出てきます・・・お話の連続性はありますが、基本的に1話完結形式になっています。
作品の全体的な感じは、京アニの傑作『氷菓』に近いものがありますね。
私は原作小説(文庫版既刊4冊)を読みましたが、本作は一つひとつのエピソードを、実に上手く20数分の枠内に落とし込んでいると思います。
原作のお話や雰囲気を大切にしながら、アニメならではのオリジナルパートや大胆な描き方もあって、私は両方とも大いに楽しむことができました。
ただ、仕方ないのですが、やはり尺の関係で謎解きの細かいところまで描けない部分もあったのかなと思いました・・・そんなふうに、若干物足りないかもと思われた方には原作も読まれることをおススメします。
また、吹奏楽部を舞台にしたお話ではありますが、そちらの要素は全体的にみると(とくにアニメ版は)、いうなればお話の「味付け」のような感じかなあと思いました。
しかしながら、ラストの2話でしっかりと吹奏楽の見せ場をもってきたのは、さすが「安定のP.A.WORKS」のなせる業、感服しましたね。
最終話の演奏シーンは、お話の盛り上がりもあってとても感動的でした。
ギャグっぽいやりとりと、シリアス成分のバランスも絶妙で、全12話を通じて楽しく味わうことができました☆

【作画の評価】
P.A.WORKSの作品は総じて作画が良いと思いますが、本作もその例にもれず、大変良かったと思います。
最初のうち「ややサイケデリックな色使いかな」とも思ったチカちゃんの瞳の色も、第1話を観ている間にすっかり慣れてしまって、とても可愛らしいなあと思えました。
キャラデザも、親しみやすい感じで好きですね。
序盤の数話にしか登場しなかったのが残念ですが、チカちゃんの心の声を代弁する「デフォルメver.チカちゃん」も可愛くて大好きでした(少し高めの声も可愛かったです♡)。
背景・建物・楽器などの描き込みもハイレベルで、まさに文句なしの作画といえますね!

【声優の評価】
声優さんの配役はぴったりだったと思います。
キャラクターの雰囲気やビジュアルに合った声優さんが、しっかりと選ばれて起用されているなあと感じました。
チカちゃん役のブリドカットセーラ恵美さんと、ハルタ役の斉藤壮馬さんの脇を、花江夏樹さん、島崎信長さん、瀬戸麻沙美さんといったP.A.作品おなじみ(ていうか、このお三方はいずれも『TARI TARI』のキャスト!)の声優さんたちが固めていたのも、P.A.作品好きの私としてはうれしかったです☆
そうだ、『TARI TARI』キャストといえば、11話に山辺真琴役で登場した高垣彩陽さんもですよね(これで早見沙織さんも出演されていたら、『TARI TARI』主要キャストコンプリートだった・・・って話がそれてるよ笑)。

【音楽の評価】
弾むようなリズムが印象的なOP主題歌『虹を編めたら』(fhánaさん)は、毎回のOAに勢いをつけるのにぴったりな、良質のポップチューンですね。
また、その回の映像を振り返りながら聴くED主題歌『空想トライアングル』(ChouChoさん)も、物語の雰囲気にぴったりな歌詞とメロディで秀逸でした。
青春ものにぴったりなさわやかな楽曲が多かったBGM、最終話で流れた吹奏楽曲『晴れの日に』も、実に素晴らしかったですね♪
劇伴音楽を手掛けられたのは、『TARI TARI』の数々の名曲を担当された浜口史郎さん!・・・うんうん、どうりでエモーショナルな楽曲ぞろいになるわけですよね☆
話はまたそれますが、監督さんも『TARI TARI』の監督を務められた橋本昌和さんですので、本作は『TARI TARI』で築き上げた音楽青春ドラマのノウハウを生かすべく、スタッフを編成したのかな?なんて、そんなよけいなことを考えてしまいました^^;

【キャラの評価】
清楚で乙女なキュートガールを目指す、元体育会系の元気な女の子・チカちゃんは、物語の序盤こそ、濃い個性を持つ相方のハルタに押されている感がありましたが、第3話くらいからはお話をぐいぐい引っ張ってくれましたね・・・実に主人公っぽい、明るく楽しいキャラクターでした。
草壁先生に一途に恋していて、幼なじみのチカちゃんとは恋敵になる、なんとも残念な美少年にして頭脳明晰なハルタは、序盤はやや賢すぎたり、謎解きのやり方が多少強引だったりして、いささかとっつきにくい感じも受けましたが、そのノリにこちらが慣れてくればすんなり受け入れられるキャラクターです・・・ただ、原作ではもう少し彼の残念な感じが描かれていて、そのせいで頭脳明晰な部分とのバランスが絶妙だったような気もしますので、欲を言えば、もう少しだけハルタのダメダメな部分を描いてもよかったのかなとも思いました。
そのほか、個性的すぎるあくの強い高校生たち(笑)がたくさん出てきたせいか、草壁先生をはじめとする大人たちはやや控えめな感じに映りました・・・とはいえ、物語の重要な部分ではしっかりその存在感を発揮していました。
私がいちばん好きなキャラクターは断然チカちゃんですが、ちなみに脇役で好きなのは地学研究会の部長である「ヘルメット美少女」麻生美里さんです♪

【最後に】
いろいろな見どころがある本作ですが、つまるところ、私はこの作品のなにが好きなのかを最後に考えてみました。
謎解き要素にも吹奏楽要素にも当然魅力は感じているのですが、私はそのいずれか一つではなく、本作全体が醸し出す「空気感」に惹かれているのだということに気づきました。
もっと言えば、この作品の舞台である清水南高校と吹奏楽部の持つ空気・雰囲気に魅力を感じていたのかもしれません。
私は本作を観ている間、まぎれもなく清水南高校の生徒でした・・・こんなことを言うと、現実と虚構を混同しているように思われてもしかたありませんが、そのくらい、この作品の持つ空気が好きでした。
自分の好きなことに全然全霊で熱中したり、人間関係・勉強・進路などいろいろなことで真剣に悩んだり、あとで考えると笑ってしまうようなバカなことに夢中になったり、かけがえのない友情や師弟関係が芽生えたり・・・そういうことが思いっきりできる空間が、清水南高校なのだと思います。
不完全燃焼そのものだったハイティーンの自分をちょっぴり苦々しく思い出しながら、それでも観ているとなんとなくあたたかい、ほほえましい気持ちになれる作品・・・それが私にとっての『ハルチカ』です☆
最後の最後に、本作で印象に残ったチカちゃんとハルタのセリフをいくつか挙げて、このレビューを締めたいと思います。

「なぜだろう。青春にはいつも、解き明かせない、たくさんのミステリーがあふれてる」
「大人になってから過ごす一年と、僕たちの一年は違うんだ」
「青春は片道切符だ」

投稿 : 2016/05/29
閲覧 : 221
サンキュー:

9

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