「咲-Saki- 阿知賀編 episode of side-A(TVアニメ動画)」

総合得点
80.0
感想・評価
1768
棚に入れた
8554
ランキング
477
★★★★☆ 3.8 (1768)
物語
3.7
作画
3.9
声優
3.9
音楽
3.8
キャラ
4.0

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ネタバレ

どらむろ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

美少女たちが異能麻雀やる咲シリーズもう一つのドラマ。主役は地味ですが本編より好みです。

可愛い女子高生たちが麻雀で覇を競い、その過程で部活物らしいドラマや百合百合しい萌え、超常の異能麻雀を見せてくれる、咲シリーズの外伝…
というよりも、もう一つの主役チームを描いた全16話です。
咲本編の主役の一人、原村和(はらむら・のどか)、の幼馴染である阿知賀女子学院麻雀部の面々が、全国大会での再戦を目指して動き出す。

本編よりも主役チームのスター性は落ちるものの、純粋な情熱ある女子部活物らしい王道な熱さ、主役チームを食う程の活躍見せる3チームの魅力高し。
咲1期を先に視聴した方が良いのですが、咲の入門としては先にこちらの方が馴染みやすいかも?
なお「麻雀」を全然知らなくても、ノリと勢いで楽しめます。(私も詳しくない)
むしろ麻雀の常識を捨てよ!美少女たちの異能バトルアニメなんですよ!
名作度は本編が圧倒的ですが、私的に好みなのは阿知賀編だったり。

{netabare}『物語』
…まず第一に、麻雀って普通は女子高生とは縁遠いのでは。
その麻雀を可愛い女子高生たちにやらせた画期的作品。
戦車+女の子部活物なガールズパンツァーの先輩格かも。
…第二に、先鋒~大将まで5人によるチーム戦なので、麻雀が4チーム四つ巴な性質と相まって「1試合で4×5で20人」もの美少女が!
しかも殆ど捨てキャラおらず、大勢を魅力的に描かれているのが凄い。
チーム戦と、個人対決の相反する要素を融合させたスポコンが見所。
例えばサッカーや野球は完全チーム戦ですし、個人競技で先鋒~大将戦だと、1試合あたりは完全個人戦になってしまう。
対して咲の麻雀大会は、チームの点数を引き継ぐのでチーム戦かつ、1試合辺りは個人対決も両方実現している。
…後続作品では「弱虫ペダル」に近いです。
チーム戦術が大事な一方、局面ごとに個人対決も実現するので。
回想の繰り返してキャラ掘り下げも両作共通、弱ペタは男子同士、咲は女子同士の仲良しっぷりが見所♪


本編の準主役格の天才美少女・原村和(はらむら・のどか)が中学時代に通っていた奈良県の阿知賀女子学院は、麻雀部が廃れていた。
のどかと仲良しだった高鴨穏乃(たかかも・しずの)は転校して別れてしまったのどかが麻雀で大活躍する姿を見て奮起、自分たちも麻雀部立ち上げて全国で親友と再開する事を目指す。
…いや~いいですねぇ。転校してしまった仲良しだった子とまた遊びたい!
その一心での部活動立ち上げ~スポコンサクセスストーリー。王道です。
序盤のテンポが快調、勢いであれよあれよという間に夢に向かって邁進していく阿知賀の少女たち可愛いです。

咲本編の清澄高校の主役たちは特別な事情と才能ある天才な印象、対して阿知賀の面々は純粋素直に女子部活物っぽいノリなので、スポコンの王道的にはこちらの方が共感し易い。
ドラマの軸は、穏乃が親友の和と「また遊びたい」純真な想いともう一つ…
顧問の赤土晴絵(あかど・はるえ)の、過去のトラウマと、晴絵に憧れる鷺森灼(さぎもり・あらた)との師弟関係。
晴絵もまた教え子への指導や交流を通して成長していく。
教師と生徒が二人三脚で紡ぐ女子部活物、百合百合しい師弟愛良し♪

…本編の清澄が長野予選でも強豪と対決してきたのに対し、阿知賀はアッサリ全国出場。
ここら辺は主役の描き込み不足なんですが…尺足りないし仕方が無い。
まあ、佳境は全国大会ですから…。
その分、咲本編で清澄のライバル達が登場、阿知賀をダシに本編で負けた強豪たちを立てる構成。
阿知賀カマセ…なんですが、着実に成長していくので、まあ主役らしさはあり。
力不足だから武者修行で強くなる!実に王道ですな。
阿知賀のメインライバルチーム、北大阪代表の千里山女子高校の園城寺・怜(おんじょうじ・とき)とも少し交流、クール&呑気な感じの関西弁娘かわいい。

そしていよいよ全国大会。準決勝。
阿知賀(奈良代表、主役チーム)、白糸台(西東京代表、多分本作のラスボス格)、千里山(北大阪代表、阿知賀の格上ライバル格)、新道寺(福岡代表)
うち上位2チームが決勝進出、果たして勝つのはどことドコなのか!?

佳境は準決勝の先鋒戦でした。一番長く4話も費やす、まさに最大の山場。
本編主人公・宮永咲のお姉ちゃん、白糸台(しらいとだい)宮永照が圧倒的に強いッ!あまりにも強過ぎるッッ!
おそらくは本作最強のラスボス、その脅威に圧倒されつつも、他2チームの先鋒が意地を見せる!
…麻雀とは四ツ巴の駆け引きなので、圧倒的強者相手に弱者たちの連携と意地が熱い熱い。
千里山のトキちゃん、病弱な身体に鞭打って無茶して異能を行使、心身共に限界超えてボロボロに…それでも照(テル)を止められず大ピンチ。
福岡県代表・新道寺女子高校の花田煌(はなだ・きらめ)も弱いながらも決して諦めぬ不屈の闘志で食い下がる。
……ん?主役チームの阿知賀の先鋒・玄(クロ)ちゃんは……あれ?あれれ?
全然いいところがない…目にいっぱい涙溜めて頑張ってますが…蚊帳の外。
いや~、涙目なクロちゃんはかわいいなぁ♪
かわいいけど主人公チーム失格だなぁ…
黙々と圧倒的な暴威を振りまく照に対し、怜(とき)と煌(きらめ)がどう抵抗(対抗、と言いたいところだけど足掻き、と言った方が…)するのか!?
次第に追い詰められていくトキとキラメ…ハラハラします。(クロちゃんェ…)
…試合中に回想シーンの連続でキャラを掘り下げる構図はテンポは悪くなりますが、このドラマが咲の魅力なので。
弱虫ペダルと同じ方式ですな。
千里山は過去回想シーンでのトキと竜華の絆の強さ…素晴らしい百合だすばらです。
中学生時代のトキちゃんの笑顔が最高にかわいい!
竜華との絆を糧に、病弱なのに「卓の一巡先を見通す」異能(病弱故に使い過ぎると危険)で死力尽くすトキちゃん、まるで君こそが主人公のようだ!
トキ…病んでさえいなければ…。
…一方の新道寺のキラメちゃんも負けていない。
自分が「捨て駒」である事を理解しつつ…へこたれない。自分の弱さを知っている、そんな自分にも出来ることがあるんだ!
な、なんて健気な子なんだ…すばらです。
…クロちゃんは……涙目になりながらも、決して最後まで心は折れてなかった。
何気に致命的なミスは少ないので、地味だけど先鋒として十分頑張ったのでは。

本作のベストバウトだった準決勝先鋒戦、ラスボス照のケタ違いの強さと、死力尽くして食い下がる2者双方の魅力バッチリ、4話に渡り目が離せず。
…麻雀大会の仕組み、なるべく大勢に見せ場作りたい構成上、ここで点数的に白糸台に大きく貯金させておき、次鋒戦以降は阿知賀含めて他3チームに見せ場譲る感じ。
先鋒の照だけケタ違いで、次鋒以降はかなり拮抗した異能麻雀バトルに。
その分、照以外の白糸台メンバー貯金取り崩して押され気味なんですが、それでも十分王者らしい貫禄はあったのでは。
ここからは(いや先鋒戦で既に異能バトルでしたけど)派手な異能のオンパレード、麻雀というよりも異能バトルなノリこれぞ咲!
…麻雀バトルは手に汗握るのですが、キャラドラマ的には主役の阿知賀のドラマが淡白な感じがしないでもない…。

ドラマ的には先鋒戦に次ぐのが副将戦。
阿知賀の副将・灼(あらた)の、師にして憧れだった晴絵との絆で本領発揮する展開熱いです。
試合後の晴絵の胸で泣く師弟愛最高でした。
…先鋒戦終了時点では大きく水をあけられていた新道寺の追い上げが凄い。

いよいよ大将戦。泣いても笑っても、上位2チームが勝ち、下位2チームは敗退が決まる。
4チームそれぞれ先鋒から繫いできた点数と絆を胸に、いよいよラスト勝負!
拮抗しかつド派手な異能連発する大将戦が異能麻雀的には一番見所ありました。
…千里山の竜華ちゃん、親友のトキとの(百合百合な)絆を胸に、他三人のチート相手に食い下がる。
いや~~、このふたりの百合はすばらです。
素の実力は高いが異能は無い竜華であったが…まさかの百合パワー!
精神体?となったちっちゃいトキちゃん(かわいい!)の異能を借りて他3人のバケモノ達に善戦。
やっぱり千里山が一番主役っぽいなぁ。
…新道寺の鶴田姫子も、部長にして敬愛する先輩・白水哩(しろうず・まいる)が副将戦で発動条件満たしてくれた連携型の異能「リザベーション」を武器に渡り合う。
いや、良く分からんのですが、二人の絆パワーで高得点アガっちゃうチートみたいです。
「プロですら破るの困難」とのお墨付き、ここにきて新道寺のトップもあり得るか!?
新道寺は一人一人は弱くても想いを繫いで友情パワーで逆襲するスタイル、彼女たちも結構主人公タイプ。
…白糸台のもう一人の怪物・大星淡(おおほし・あわい)も性格・実力共にラスボスに相応しいチートっぷり。
普通ならば先鋒戦のようなワンサイドゲームもあり得る…と思いきや、大将戦は他3人も規格外に強いので意外と拮抗しているバランス面白い。
…そして主人公チーム・阿知賀の大将、高鴨穏乃(たかかも・しずの)が本領発揮。
咲に比べて地味かなー?と思いきや、彼女も十分バケモノであった。
理屈はよく分かりませんが要は「相手の異能潰し」無効系は主人公っぽい!
ドラマ的には百合成分薄いのでやはり地味なんですが、戦闘民族っぷりは咲のライバルとして遜色なし。
…大将戦は、ふたりの怪物(あわい、しずの)相手にふたりがそれぞれの百合友情パワーで対抗する流れなので、ドラマ的にはやはり千里山と新道寺の方が応援したくなる。

死闘の果て、ついに決勝進出チーム決定。
序盤こそ白糸台圧倒的か!?新道寺絶望的か!?
と思わせて、終わってみれば全チーム一度は首位を取り合う拮抗した激戦でした。
頻繁な回想で百合ドラマも萌えた。
タイトルを冠する主役チームの阿知賀よりも、千里山と新道寺の方が主役っぽい(白糸台はラスボス役)のですが、阿知賀とて地味ではあるけれど女子部活物らしいドラマはあり。
5人×4チーム20人の名勝負、すばらでした。


総じて序盤の王道かつテンポの良い女子部活物、準決勝での異能麻雀バトルすばらでした。
唯一の難点は「主役なハズの阿知賀の存在感がイマイチ…」
…な面は否めませんが。
本作は3チーム全部が等しく主役級(白糸台はボス格)と言えるのでは。
阿知賀だって、主に晴絵と灼(あらた)の師弟愛良かったですし。
決勝での活躍に十分期待が持てる良いチームだと思いますよ!



『作画』
キャラデザ非常に可愛くって好みです。
阿知賀の面々は些か地味というか没個性な感じがしないでもない、でもかわいから大丈夫だ!
特に準決勝先鋒戦で蚊帳の外で涙目になっちゃう玄(クロ)ちゃんの可愛さと来たら…!
穏乃ちゃんがパンツはいてな…い?のもこのシリーズのお約束♪
キャラデザと表情では、回想での中学生時代のトキちゃんの笑顔が破壊力バツグンです。

麻雀バトルでの現実ではあり得ない超常異能シーンが圧巻。
照の腕が竜巻になってアガリ連発するシーンは爆笑もとい圧倒されます。
他にも異能空間で自ら鎖に縛られては破ったり、弓矢で狙撃したり、フィールドが霧深い山野になったり…い、いったいな、なにが起きているんだ!?
いや~~~これぞ咲という異能麻雀バトルですな。


『声優』
キャラめちゃくちゃ多いので豪華声優陣多数、はまり役も多いです。
クロちゃんの花澤香菜さんの消え入りそうな涙声は絶品、花澤さんの真骨頂はこーいう可憐系だと思う。
トキちゃんの小倉唯さんの可愛らしいエセ関西弁(私関西人じゃないので分からんけど)も非常にかわいい♪

書きだすとキリがないのですが…
やはり注目は新道寺の先鋒・花田煌(はなだ・きらめ)役の新井里美さんでしょう。
「すばらっ!」これは新井さん以外には代替出来なさそうなハマリ役でした。


『音楽』
OP「MIRACLE RUSH」が明るく前向きな女子部活物に相応しい歌かつ女の子が麻雀がんばるぞー!な気持ちが素直に伝わる。主題歌は1期よりも断然私好みです。
その他楽曲も非常に良い。
注目は闘牌シーンの効果音やBGM。本作の超常麻雀バトルを盛り上げる功労者なので高評価。

『キャラ』
主人公チームである阿知賀の面々が地味と言われていますが…
名前の漢字読みが難しくて覚え難かったのは若干マイナスな気がする。
スター性というか、華が足りない面も。でも、応援したくなる良チームでした。
萌え的には照にボコボコにされ他2人からは蚊帳の外にされて涙目になっちゃうクロちゃんが一番可愛い。
…クロちゃんそれでも主人公か!?と批判されがちかもですが!
クロちゃんだって頑張ってましたよ。彼女が異能でドラ(持っててアガると点数高くなる牌)独占したお陰で千里山と新道寺にチャンスが生まれたワケで。
頑なにドラを手放さない、心が折れる寸前でも決して諦めてはいなかった。
偉いと思いますよ、限界ギリギリまで戦ったことの無い人に、クロちゃん非難する権利は無いと思う(私は無い)。

顧問教師・赤土晴絵の方が影の主人公かも。
最終話でかつて大敗してトラウマになった小鍛治健夜と再開した際の(そうか、後ろのこの子たちが今の私の自信になっているんだ…)にはジーンと来ました。
相手選手の攻略法を的確な分析で教え子に助言、これが無ければ阿知賀負けてた…
まさに名将。

憧(あこ)ちゃんは一番JKっぽい美少女かわいい。
あけすけな性格と裏腹の頭脳派、異能に頼らぬ麻雀強い。
クロちゃんのお姉ちゃんの宥(ゆう)ちゃん、寒がりな以外は地味ですが、姉としての貫禄と妹との百合良し。

穏乃(しずの)は性格も異能も怪物退治する主人公の風格あり。

白糸台の宮永照(みやなが・てる)は本作通しての最強のラスボスな貫禄を見せつけた。
無機質なラスボス…と思いきや、クールだけど可愛げあったり、思いやりも垣間見えるので十分可愛いです。

千里山の面々の方が阿知賀よりも主人公っぽかった。
園城寺怜(おんじょうじ・とき)ちゃん萌え面で玄(クロ)ちゃん以上。
トキ…病んでさえいなければ…
ボーイッシュな江口セーラの存在感も十分。
一年生の二条泉ちゃんはカマセになってしまったけどかわいいから良し。
名参謀な船久保浩子(ふなくぼ・ひろこ)ちゃん貴重な眼鏡っ子、雷電的な解説は良く分からんがなるほどと思いつつ見てました。

おそらくはトキと双璧な阿知賀編の主役キャラ、新道寺の花田煌(はなだ・きらめ)も記憶に残る名キャラクターでした。
「すばらっ!」弱いキャラにも、弱いなりの意地があり、戦い方がある。
弱くても魅力は負けてない、こういうキャラ好きです。
…非常に地味だけど煌以上に繋ぎに徹した安河内美子(やすこうち・よしこ)も地味にカッコイイ。地味だけど。
白水哩(しろうず・まいる)部長の自分縛る異能は爆笑…なんですがこれがカッコ良く見えてくるのが凄いところ。
鶴田姫子との百合は一番お姉さまと妹分要素満点。

この他咲本編の清澄の面々や、長野予選の清澄のライバルたちも存在感あり。
…やっぱり本編キャラの方が華が。
決勝での対決が楽しみです。{/netabare}

投稿 : 2016/05/07
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サンキュー:

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