Ka-ZZ(★) さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
キャッチコピーは「いのちの糧は、戦場にある。」
この作品はオリジナルアニメ作品だったようです。ガンダムは様々なシリーズがありますが、本格的にアニメを視聴するまでガンダムは1年戦争しか見ていませんでした。
ガンダムというと、白い木馬がいてザクやグフがいて・・・というのが私の頭の中のガンダムなのですが、Gのレコンギスタでも思ったのが「正義 vs 悪」の様な勧善懲悪モノではなく、様々な多様性を秘めてきていると思いました。
多様性=複雑は成立すると思うので、ちゃんとした説明がないと置いてけぼりを食ってしまうけれど、今回の作品は戦う目的が明確だったので、正直レコンギスタより分かりやすかったと思いました。
この物語の主人公は三日月・オーガス(愛称:ミカ)・・・オルガやビスケット共に火星にあるCGSという民間警備会社で非正規の少年兵として働いていました。
一方、巨大な軍事力を持った「ギャラルホルン」に監視された地球圏は、自分達重視の政策により、貧困層は次々と地球圏を追われた結果、地球圏以外は貧困の問題が重くのしかかり、ミカの様な非正規の少年兵や人身売買が増加していったのです。
そんな中、ミカの働くCGSに星の独立運動を指揮する少女クーデリア・藍那・バーンスタインから地球圏まで護送して欲しいとの依頼がありました。
CGSとしては大きなヤマが転がり込んできた・・・と二つ返事で了承する筈だったのですが、革命運動を快く思わないギャラルホルンの横ヤリを受け、CGSの組織の土台が揺らいでしまったんです。
「俺たちでクーデリアを地球圏に護送してやる・・・」
奮起して立ち上がったオルガは、基地の動力源として使われていたモビルスーツ「ガンダム・バルバトス」を入手し、賛同した少年達と共に、新たな「鉄華団」が組織され・・・物語が動いていきます。
「鉄華団」・・・何とも格好良い名前です。
鉄の華だから絶対に枯れる事はありません。
それは組織がずっと存続して欲しい・・・強いては「何があっても仲間を死なせない」という強い意志の表れ・・・
そして鉄は錆びます・・・赤錆、青錆、白錆など錆にも様々な種類があります。
最初の鉄は無色です・・・その鉄が長い時間をかけて彩られていく・・・大器晩成或いは末広がりの組織を象徴している・・・そんな希望を感じさせてくれる名前だと思います。
一度前に進んだら二度と後戻りや振り返る事のできない道・・・
そんな道をオルガ達は歩み始めるのですが・・・やはり道は平坦ではありませんでした。
幾度となく訪れる危機・・・たくさんの血とたくさんの涙を見ました・・・
人身売買って・・・悲しみしか生まないんですね^^;
売買する側にとって血の繋がりや場所など全く関係ありませんから・・・
だけど、売買される方は違います・・・中にはたった二人だけの兄弟や、肉親が眠る地を守りたいという思いをもっていたり・・・
それをいともかんたんに切り裂いてしまうのが人身売買・・・
売買された人は、再開できるという僅かな可能性にかけて生を選択し続けるんです。
例えそれがどんなに酷い事でも・・・
この物語の中でも奇跡的に再開した兄弟が取り上げられていました。
敵同士でしたけれど・・・
この兄弟の物語は涙無しには見れませんでした・・・
でも鉄華団の進む道の茨が鋭さを増すのはここからです・・・
戦況が激しさを増すと共に戦士する確率も上がるのは理解できます。
でもこの作品・・・何一つ容赦なんてありませんでした。
雄姿なんて見たくない・・・それより無理して欲しくない・・・生きて欲しいのに・・・
身を切られるような痛みを伴うシーンが幾度もありました。
それはまるで鉄華団に・・・クーデリアに大きな風穴が次々と空いていくよう・・・
それでも前に進むと・・・後ろは振り返らないと決めたから・・・
もう何度涙で前が見えなくなった事か・・・^^;
だからこそ、何でもない日常パートはホントに安心して見る事ができました・・・まぁドキッとする事もありましたけれど^^;
「立ち塞がる奴は全部ぶっ潰す」
その象徴が23話で見せてくれたミカの戦い・・・あれが今の鉄華団の全て・・・
帰る場所を無くし・・・だけど辿り着ける場所ならある鉄華団・・・
彼らの自分自身を賭けた戦いの顛末は・・・是非本編でご確認下さい。
オープニングテーマは、MAN WITH A MISSIONさんの「Raise your flag」と、BLUE ENCOUNTさんの「Survivor」
エンディングテーマは、MISIAさんの「オルフェンズの涙」と、TRUEさんの「STEEL-鉄血の絆-」
後半のオープニングとエンディングはどちらも大好きです。
この曲もアニソンBEST10に入るくらい良い曲だと思っています。
2クール計25話の作品でした。レビューを書くのにwikiをチラ見して知りましたが、この作品も色んな組織が絡んでいるみたいですね^^
その全容が分かるのは第2期になるんでしょうか・・・
2016年秋の2期放送・・・視聴するのが楽しみです。