Kuzuryujin さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.0
作画 : 4.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
設定はいいと思います。
なかなか評判いい作品のようですが、
私にとっては観終わって
あまり心に残るような話でもありませんでした。
恋愛、親子関係、トラウマの克服など、
いろいろ盛り込むのはいいんですが
個人的にどれもが中途半端に感じました。
限られた映画の尺ゆえにもっと物語を練って
いろいろ欲張らず贅肉を削ぎ落とし、
描くべきテーマを絞り込んでもらいたかった。
長井龍雪監督と脚本の岡田麿里さん。
お二方ともあまり自分とは相性よくないようです。
特に原作なしのオリジナル作品ではプロセスは良好でも
ラストが大抵「こんなものか」で終わってしまう。
笑いの要素も弱く感じる。
そつのない上手いクリエイターとは思うけど、
心の琴線にあまり触れないことが多い。
「あの花」の最終話は泣けたけど、
振り返ると演出と展開のあざとさの嫌な印象が残ってます。
人間の描き方がいかにも狙ってて
作り物っぽく感じてしまうことが多いのかも。
{netabare}
物語に急にシラけ始めたのは、ヒロインが責任放棄して逃亡したあたりから。
そしてお城でのやりとりは全く共感できませんでした。
そして最後、ヒロインは振られても別から告られるなんて…
そこに至るプロセスが弱い。
映画の尺では描ききれない内容だったと思います。
この作品は、そういうところがダメでした。
{/netabare}
とは言え、今作に関しては
中盤までは決してつまらなくはなかったし、
登場人物たちにも充分な魅力がありました。
作品の中で、何かしらでもキャラたちと共感できる要素があれば
大好きな作品のひとつになれたかもしれません。