Ka-ZZ(★) さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
青春って忙しいから輝くんだ・・・
この作品の原作は未読ですが、P.A.WORKSさんが制作される事を知り視聴を決めた作品です。
原作の内容は知りませんでしたが、吹奏楽をテーマに取り上げているのを知り俄然興味が湧いてきました。
なぜなら、吹奏楽をテーマにした「響け! ユーフォニアム」が京アニさんによりアニメ化されて、2015年の春アニメで放送したばかり・・・
煌びやかな楽器に音階に忠実な運指・・・奏者の息遣いまで聞こえてきそうなリアリティをとことん追求した作品でした。
そしてP.A.WORKSさんの圧倒的な作画力は言うまでもない周知の事実・・・
吹奏楽をテーマに京アニさんとP.A.WORKSさんがガチでバチバチするの・・・?
なんて想像すると心が踊らない訳はありません。
この作品も視聴を待ちわびた作品でした。
こうして始まった注目の第1話・・・吹奏楽コンクールの伏線を経て物語は音楽室に移行していくのですが、そこで始まったのは黒板に書かれた音符と数字の羅列された暗号の解読だったんです。
本気でコンクールを狙いに行くなら謎解きしている時間を練習に充てなきゃ時間が勿体無いよ・・・
時間は有限なのに・・・
と思いましたが、この謎解きも面白さという点では悪くないんです。
本気のバチバチも見てみたかったですけど、これはこれで有りでしょう・・・
と軸足を移して視聴すると・・・すんなり入り込める作品だったと思います。
高校生って未だ心が不安定・・・そりゃ十数年しか生きていないんですから当然といえば当然です。
でも、年齢さえ積み重ねれば心が安定するか・・・というとそんな事は絶対無いと思います。
逆境、苦しみ、不安、絶望・・・たくさんの傷を負って心が折れ、どん底に突き落とされてもまた這い上がってくる・・・
この様な挫折の繰り返しによって心が鍛えられるんだと思います。
有意義な時間を積み重ねることが大切・・・という表現の方が適切かもしれませんが^^;
不安定な心のキャパシティは決して大きくはありません。
けれど、生きていると様々な事があって・・・不安定な心では支えきれないほどの出来事に遭遇して押し潰されそうになったら・・・簡単なのはその問題を直視せず逃避すること・・・
この場合の逃避は個人的に有りだと思います。
もしここで逃げずに押し潰されたままだったら・・・もっと最悪な事態が起こるかもしれない・・・
5人しかいない吹奏楽部・・・このままじゃどこのコンクールにも出られない・・・
もっと部員を集めなきゃ・・・と吹奏楽部員は奔走します。
探してみると・・・吹奏楽の経験者って居るものですね。
中には優れた演奏技術を持った人も・・・
これまでたゆまぬ努力を積み重ねて優れた演奏技術を手にいれたのでしょう・・・
きっと膨大な時間を使って・・・
でも、もしそこまで打ち込めるなら、これまで何故吹奏楽部に入部しなかったのでしょう・・・
普通に考えたら真っ先に部室のドアを叩くと思うのに・・・
「入部しなかったんじゃない・・・できなかったんだ・・・」
ここからがこの作品の真骨頂です。
彼らが直視できなかった事実・・・その中に隠されていた真実をハルタが解き明かす・・・
呪縛から開放された彼らの背中をそっと押してあげるチカの優しさ・・・
最初の一歩は皆んなバラバラだけど、原点に回帰する・・・だって皆んな吹奏楽が大好きだから・・・
謎解きの掛け合いは時に切なく、時に優しさを感じる・・・そんな展開が大半だったのですが、中には吹奏楽部と直接関係の無い謎解きもあったのには少し疑問が残りました。
行きがかり上仕方無い・・・と言えばそれまでですけれど・・・^^;
そしてこの作品は吹奏楽と謎解きだけではありません。
これに恋愛要素も乗っかってくるんです。
部活して、謎解きして、恋愛して、笑って泣いて・・・きっと高校生の今だからできる事なんでしょう。
ホント青春って忙しい・・・けれど物語のラストは皆んな輝いていたと思います^^
オープニングテーマは、fhánaさんの「虹を編めたら」
エンディングテーマは、ChouChoさんの「空想トライアングル」
相変わらずのfhánaさんハイトーンボイス・・・今回も抜群に気持ちよかったです^^
1クール12話の作品でした。最初京アニさんとのバチバチを期待していたので、路線が違ったと知った時は少し残念にも思いましたが、謎解きも面白かったと思います。
特に2話のクロスキューブ、9話のアスモデウスの視線は大のお気に入りになりました。
彼らの吹奏楽・・・そして恋の行方はどう進んでいくのでしょうか?
先が楽しみになる作品だったと思います。
でも・・・いつか京アニさんとのバチバチは見てみたい気がします^^;