「霊剣山 星屑たちの宴(TVアニメ動画)」

総合得点
58.0
感想・評価
157
棚に入れた
823
ランキング
6796
★★★★☆ 3.1 (157)
物語
3.1
作画
3.0
声優
3.3
音楽
3.1
キャラ
3.1

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ネタバレ

どらむろ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3
物語 : 3.0 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

中国のウェブ小説が原作のアニメ。仙人修行系?女将さんがチャーミングでした。

中国のウェブ小説が原作の、日中合作(アニメ制作はスタジオディーン)アニメ。全12話。
神仙思想?に基づく世界観で、主人公が仙人として修業して成長する姿を描く。
異能バトルよりも、修行そのものが題材(HUNTER×HUNTERのハンター試験編みたいな?)

神仙思想の用語が日本人には難解な点、キャラの性格や思考に日本人には共感し辛い面あり、とっつき難いアニメになってしまっています。
…私的には、戸惑うものの、決してつまらなくは無かったです。中国文化に対する興味深さもあり。
同時期の日本アニメのいくつかよりは面白かった。女将さんこと玲(れい)さん可愛かった。

{netabare}『物語』
仙人が普通に存在していて、仙人になりたい若者たちが頑張って修行している世界観。
いわゆる神仙思想、封神演義(藤崎版ではなく原作の日本語訳)は結構好きなのである程度の仙人のイメージは持ってましたが、宝貝(パオペエ)みたいな異能アイテムでバリバリと異能バトル…するワケでは無かった。
主人公の王陸(おうりく)は自信家の俺強い系で、彼が様々な試練を乗り越えて仙人の修行をしていく…。
なんとなく「HUNTER×HUNTERのハンター試験編」を1クール延々とやってるみたいな。
固有の専門用語が中華風でとっつき難いのですが、地名や世界観は何となく分かる。
仙人のランクみたいな専門用語の羅列がややこしいです。
まあ(よく分からんが修行して強くなってんだなー?)くらいに観てました。
日本のラノベ作品でも専門用語連打はままあるので、ここら辺はテキトーに観ていれば。

主人公が修行して強くなるのは少年ジャンプ的なので、そこは親しみ感じました。
強くなる過程や方法論が、日本の創作作品とは異なるアプローチなのが興味深かった。
ドーピング上等でも、ちゃんとコントロールされていれば無問題。
ここら辺は日本人の美学?に少し合わないかも。まあ目くじら立てる程でもないけれど。
あと、「なんとか弟子」とかの弟子のランクで主人公はエリートなのですが、特に鼻にかける事もなければ卑下することも無い。
モブから若干のやっかみはあるも、何処吹く風。
…日本作品だとここら辺陰湿になりがちなのに対し、実力ある者が相応の振る舞いして当然な雰囲気は悪くないと思った。

試験クリアに知恵を絞る展開が見所…なのでしょうか。
商売で詐欺上等なのは、ここが一番日本人の倫理観に抵触してしまい、否定的な印象持った方が多い模様。
多分、王陸の機転と才知に喝采する一幕なんでしょうけど…。
この他にもコネ上等だったり…まあそこは別に良いかな。
修行仲間と協力したり切磋琢磨する展開はあれど、根柢に個人主義を感じます。
各々が自分の才覚で強くなるべし。ジャンプ三本柱のうち努力・勝利は日中共通でも、友情はあまり重視されていないと感じた。

ギャグセンスも日本の作品にはあまり無いノリ、正直あまり面白くはないのですが、90年代っぽい古いノリは何となく懐かしさ感じるので、私のような懐古厨は割と好意的に観てました。

白人の人種差別への風刺は、日本でもアメリカ悪役な作品多数なので、まあ普通でしょう。

王陸の師匠の女性たちが中々可愛いのが見所でした。
おねショタ系作品でもあった。

総じて、キャラの思考法や世界観に終始戸惑いつつも、おねショタ修行物として結構楽しく観てました。
延々修行なのが異能バトル系としては地味なのが難、1クールでは正直よく分からなかったです。
…封神演義みたいな感じの方が日本人受けすると思う。


『作画』
れっきとした日本のアニメ会社も関わっているので、作画は何とか及第点。
キャラデザは古いものの結構好きです。おかみさんは好み。
仙人アクションはイマイチかも。
頻繁にギャグ調になるのは表現の一環なので、良くも悪くも無い。

『声優』
王陸は美少年に定評のある代永翼さん、永代さんにしては我の強い俺強い系でした。
王舞師匠は山口由里子さん、エヴァのリツコさんやワンピースのロビンです。
おかみさんは中村繪里子さん、ワルロマのノエルちゃんか!(先にアイマスの春香だろうけど)

『音楽』
主題歌は悪くない感じ。よく覚えてませんけど。


『キャラ』
王陸という主人公のあり方が興味深かったです。
自信家だが別に驕っているワケではない、彼我の実力を冷静に見ている。
才気煥発な努力家、好感持てる程ではないが、悪くはない主人公でした。

ヒロインは年長の師匠や姉ポジ多い。
師匠の王舞は一見お茶目だがつかみどころの無い年長の美女、王陸とのシモネタ交じりの掛け合いが面白…くは無いけれど雰囲気は良かった。
理屈は良く分からんけど、良き指導者だと思う。

女将さんこと玲さんが一番魅力的でした。30代と年長の女性として色々と助言してくれる。
日本作品には前例思い付かないタイプなので、テンプレヒロインとは一味違った面白味あり。

料理不味い料理人あやさんも中々。
白人系のクーデレ、地味だが良い感じ。

その他仙人の上層部のキャラも中々面白い。
修行仲間は全員主人公の糧なので印象無し。

『追記』主人公に見る、中国人の理想
王陸を見ていると、「才気煥発」さが好まれるのかな?
「このスバ」のカズマもかなり人気みたいですし、機転利かせて颯爽と危地乗り越えるのが強い主人公、みたいな。
また、やたらと目上に対してもナマイキなのは、封神演義の哪吒(なたく)や西遊記の孫悟空などにもあり。
儒教社会だからこそ逆に反骨的主人公に共感する人多そう(これは日本人も共通)
本作で一番感じるのは、中国人は意外と個人主義。

…ちなみにアメリカ人は。アメリカのアニメ(観てる数少ないですが)
「アルティメットスパイダーマン・ウェブウォーリアーズ」のピーターや「トランスフォーマーアドベンチャー」のバンブルビー等を見るに、
「リーダーシップ」が重んじられている感。
チームワーク重視なので、意外と中国人よりも日本人の共感(友情重視)に近いです。
同じアジアの中国作品よりも、アメリカの作品の方が共感し易いのはなんでだろ。

我々日本人は…
友情や「謙虚さ」ですかね。実際奥ゆかしさ重点(ニンジャスレイヤー風に){/netabare}

投稿 : 2016/04/10
閲覧 : 457
サンキュー:

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