ぷれんばにら さんの感想・評価
4.8
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
拝啓 川嶋亜美様
{netabare}川嶋亜美さん、いえ、亜美ちゃん、お元気ですか。
そちらの世界に直接手紙は出せないので、今回はこの場を借りて、亜美ちゃんへメッセージを贈ります。
亜美ちゃん達の世界が描かれたアニメ「とらドラ!」が放送されて、約4年の月日が経ちました。
この間、こちらの世界ではたくさんの名作アニメが誕生し、世の中自体も大分変わりました。しかし、とらドラ!の魅力は全く衰えていません。亜美ちゃんや大河達の高2の1年間を観て、今でも多くの人が感動しています。
亜美ちゃんは大橋高校を卒業した後、どのように過ごしているのでしょうか。大学へ進学しながらモデルの仕事も頑張っているのかな?それとも新しい道を歩んでいるのでしょうか。是非体に気をつけて頑張ってほしいです。
さて、私が今回こんな文章を書いている目的は一つ。
亜美ちゃんへ感謝の言葉を伝えたいからです。
若くしてモデルという仕事をしている亜美ちゃんは、普通の高2よりもずっと、色々な社会や人間関係を目の当たりにしてきたと思います。
そんな中、亜美ちゃんは大橋高校に転校してきて、竜児や大河、みのりんと出会った。
そして、教室の端の席から彼らを見て、彼らや北村がどんな関係なのか、何に悩んでいるのか、おそらく亜美ちゃんは誰よりも早く気づいたのではないでしょうか。
例えば、竜児と大河と初めてお弁当を食べた時。二人のおかずが一緒なのを見て、亜美ちゃんは何かを感じた。
あるいは、夏休みに亜美ちゃんの別荘にみんなで泊まった時。みのりんと竜児の台所での会話を聴いて、何かに気づいた。
そして、人前で可愛い子ぶる自分ではなく、本当の自分で、亜美ちゃんはみんなと接してくれました。大河にはいち早く自分の素を見せてくれ、竜児とは自分の弱さを言葉にして伝えられる仲になった。北村のことも本当はすごく心配してくれていて、なかなか自分を出さないみのりんとは、喧嘩して殴り合ってまで、本音を引き出そうとしてくれた。
でも、亜美ちゃんが来る前と来た後で竜児達の関係が大きく変わって、うまくいかなくなって、亜美ちゃん自身の気持ちも変化していった。そして、どうしていいのか分からなくなってしまった。だからこそ、竜児に「もう一度一から始めて、そこに私を入れてよ」と言ったんだよね。
でもね、亜美ちゃん。私は思うのです。亜美ちゃんが転校して来なかったら、大河達と友達になっていなかったら、きっと「とらドラ!」はこんなに素晴らしい作品になっていません。竜児と大河も自分の本当の気持ちに気づいて、恋人同士になっていなかったかも知れません。
・・・そう。とらドラ!が今でも最高のアニメとして輝き続けているのは、亜美ちゃん、あなたのおかげなのです。
もしかしたら「はぁ?意味分かんない!」と亜美ちゃんは怒るかもしれません。でも少なくとも私は、そう思っていたい。竜児と大河が最終的に一緒になる展開が物語の中心として描かれているけど、それを支えてくれた亜美ちゃんこそが真のヒロインだと、私は思っていたいのです。
亜美ちゃんや大河達のその後がこちらの世界で描かれることはなく、大変残念に思っています。おそらく、この先もずっと描かれないかも知れません。それでも、決して亜美ちゃん本人には届かないとしても、私は伝えたい。
大河や竜児、みのりんや北村と友達になってくれて、ありがとう。
みんなを陰で支えてくれて、ありがとう。
みんなと本気で向き合ってくれて、ぶつかり合ってくれて、ありがとう。
亜美ちゃんが亜美ちゃんでいてくれて、本当に本当にありがとう。
それでは、これからも元気でね。
次元を超えて
ぷれんばにらより{/netabare}